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第15話 俺、バズる

(バズり散らかしてんなあ、おい)


 それは神サイト上のアルバートチャンネルだけではなく、他のSNSなどにも波及していた。


 神サイト上に提示されているタイムアタックの記録と、そこから飛べる公開したアルバートチャンネルにある動画。


 これらが合わさって想像以上の効果を発揮したらしい。


「一躍有名人になった気分はどうだい?」

「全然嬉しくないな。かといって嫌な気分もしないけど」


 正直あまり実感がない上に、騒がれているのは伊佐木天架(オレ)ではないという認識が強い。


 あくまでこの騒動の中心はアルバートという戸籍も何も存在しない架空の男なのだ。


(俺はこのまま、何の特徴もない一般人として埋没させてもらうつもりだからな)


 今の俺のステータスなどを下手に公表しようものなら終わり。


 その時点で平穏な生活などまず望むことが不可能となるに違いない。

 少なくとも俺と同じくらいの強さを持つ別人が現れるまでは。


(現実世界では変わらず無力なのに、あっちではそれこそ超人だもんな)


 その超人の現在のステータスはこれだ。


氏名 伊佐木 天架

レベル 1


HP  107

MP  104

STR 106

VIT 105

INT 109

AGI 105

DEX 103

LUC 109

保有スキル 

特級スキル 『呪怨超ボーナス』『ボーナス超強化』『千変万化』

中級スキル 『鋼の心(アイアンハート)

下級スキル 『斬撃スラッシュ』『軽身』


保有DP 11000DP



 全ステータスが100越え。


 現在のトップダンジョン配信者達のステータスが30から40前後とされているので、その倍以上もある形だ。


 だからこそ、あんな他の奴には真似できないタイムアタックも可能となったのである。


 なお、このタイミングで呪怨ダンジョンに潜るのを止めたのは準備が整ったことの他に、呪怨ボーナスなどの補正で上昇できるステータスの限界がきたからだ。


 どうもこれで上昇できるステータスは100までで、これ以上は何度呪われてもステータスは変わらないようなのである。


 誰も好き好んで呪われ死んでいた訳ではないので、これ以上は無駄死にすることを選ぶ訳もなく、こうして本格的にDP稼ぎに移行することとなった。


 ちなみに現在所持しているDPは、タイムアタック初挑戦で1000DPと下級ダンジョンでのタイムアタックで初めてトップを取ったことによる10000DPである。


(記録を更新する度に報酬がもらえるなら、ギリギリで更新するのを何度もやることも考えたけど、そうじゃないなら加減する必要もないからな)


 一番効率が良いのがトップで君臨し続けることのようなので、こうして全力を出した次第だ。


 そもそもダンジョンのタイムアタックには色々と条件とか制限がある。


 まず全てのダンジョンでタイムアタックができる訳ではない。


 そして制限時間が設定されており、それをクリアできなければ失敗となる。


 だからランキングに載るためには、どうあってもその制限時間以内にクリアしなければならないのだ。


 その上で更に良い記録を出した奴がランキング上位に入り、その順位に応じてDPが贈られる形となっている。


 なお、その報酬額は下級ダンジョンの一位だと、一日ごとに1000DPとなっている。


 下級なこともあって、トップにしてはあまりもらえない感じがするが、積み重なればバカにできるものではない。


(ランキングに載っていればなにもせずに手に入る、不労所得なのは助かるしな)


 もっともそのランキングで一定の報酬を得ると、殿堂入りという形となってランキングから除外されてしまうシステムなので、ずっとそれで稼げないのだが。


 ただ殿堂入りを一定数達成しないと挑戦できないタイムアタックなどもあるようなので、先のことを考えれば殿堂入りも悪い事ではないと思う。


(モーフィアスの口ぶりからして、この先に色々な追加コンテンツを用意してそうだしな)


 現状だとそこに辿り着くまでどれだけ時間が掛かるか分からないから、俺を使ってテコ入れしているような節が見受けられるのだ、こいつは。


「とりあえず明日も予定通りにスライムダンジョンでタイムアタックに挑戦する」


 タイムアタックを開始すると、その瞬間から他のダンジョン配信者などがいないが、中の構造は全く同じの別のダンジョンに飛ばされる。


 そうでないと他の奴が邪魔となったりして平等ではなくなるからとのこと。


 そのおかげでタイムアタック時には他の配信者のことを気にしないで済むので、しばらくはこれで配信してDP稼ぎに邁進するつもりだ。


(急激にステータスが上昇したせいで、力加減とかいまいち掴み切れてない。それに他の奴と下手に接触すると面倒事が起きそうだしな)


 その予想は翌日、見事に的中することとなった。

 もっとも当たっても全く嬉しくなかったが。


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