表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

第5話 最高傑作とは?


 このヴァルハラ荘へきて3ヵ月が経過した。

 ようやく10万字程度で新作を書き上げた。

 タイトルは「現実世界で100回フラれた俺は異世界転生して100人の女に囲まれハーレム無双する」……うむ、カンペキだ。


「この作品が先生の最高傑作で間違いありませんか?」

「はい、私の最高傑作というべき会心の出来です」


 胸を張って答える。

 この作品をウェブ投稿サイトで投稿したとしよう。まちがいなく100万PVはゲットできると想定できる。


「どうやら違うようですね」

「はい? オレが最高傑作だと言ってるんだからそうでしょ?」

「いいえ、自分でよくお考えください」


 なにを言ってるんだコイツは?

 オレは、多くの読者の心をガッシリとつかむ作品を書き上げた。だからこれがオレの最高傑作なのに。


 結局、書き直すハメになってしまった。

 ここってヴァルハラとか言っているけど、本当は執筆地獄だったりして。


 ありうる。

 なぜかと言えば、あの3人。

 後世で語られる偉大な文豪たち。だが彼らには共通してあるマイナスといえる部分がある。


──『文豪3大クズ』


 生前、彼はそれぞれ世間からクズと呼ばれる存在だった、と何かの本で読んだことがある。

 女遊びと借金魔の石川啄木に、自分勝手な暴力魔である中原中也。そして自殺魔と浮気魔の太宰治。

 ド畜生な逸話を持っている文学界の大家は他にも数多くいる。しかしこの3人はそんな文豪たちをおさえて紹介されることが多い。


 ゆえにこの執筆地獄にずっと閉じ込められているのではないだろうか? だがオレは何をした? ごく普通のラノベ作家なのだが……。


 こんな偉大なひと達が何十年とここから出られないんだ。オレがどんなに最高傑作をこれから書き上げても、きっと何かしらイチャもんをつけられて、ボツにされるに違いない。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ