告げられた本当のゲーム(3)
「どうするかは、皆さん次第ですが、ここは、全員で協力しましょう!」
セリカが言うと、ラレリオルは迷うことなく頷いた。
「そうだね。少なくとも、別々に行動するよりは早く終わるね。じゃあ、まずは玄関に行ってみよう。他のことはそれからだ。」
ピクリとアイリスが眉を上げる。
「勝手に決めないでください。私たちは皆さんとは別行動しますわ。貴方たちみたいな迷探偵と行動していると判断が鈍りますわ。ほら、フィオ、行きますわよ。」
「ちょっと、先生!?」
アイリスは言いたいことだけ言うと、身をひるがえして広間から出ていった。そのあとを慌てて助手のフィオが追いかけていく。
「どうやらアイリスさんは別行動みたいだね。他の探偵たちも異論はないかな?」
「異論っていうか、お前、そんな簡単に伯爵邸から出れると思ってんの?だとしたら大馬鹿者だね。」
ラレリオルが残念そうに言うと、レイがため息をつく。
「そんなだからアイリスさんだって別行動にしたんだろ?大体、こんな推理クイズを開催するような奴が玄関の鍵閉め忘れましたとかありえないだろ。」
続くレイの言葉にラレリオルは唇を噛む。
「わ、わずかな希望にすがっては駄目なのかな?」
「駄目とは言わないぜ。でも、探偵が希望とか言ってられんの?希望とか空想とか妄想とかで探偵できたらみんな探偵やってんだろ。馬鹿っつーかあほっつーか、何て言うんだろ。とりあえずお前、探偵になってから日、浅いだろ?」
レイが冷たく言うと、ラレリオルはくってかかる。
「浅いとなんか悪いのかな!ああ、そうだよ。僕は探偵になってからまだ1ヶ月しかたってないよ。」
そのとき、セリカが言った。
「あの、皆さん。時間の無駄ですし、早く玄関に行ってみましょうよ。」
しびれをきらしたのだろう。
「そーですよ!早く犯人見つけて脱出しないとみんな死んじゃうんですからね!」
セリカに続いてラナも言った。