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【編集中】現代ダンジョンは食糧庫?~ちびっこ女子高生が行く、現代ファンタジー!~  作者: 風紀いいん
2章 ダンジョンあれやこれや

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5話 れっつ錬金!

更新します!

 球体の中で完全に分解、という消滅してしまった携帯電話。


「これは……どうすればいいでしょうか?」


「龍希さんにはどう見えていますか?」


「えっと携帯が消えた瞬間に球体全体に4元素の粒子が広がった感じ、でした」


「ふむ……つまり分解とは物質を4元素に分解する技能ということでしょうかね?」


「これってもう元には戻らないんでしょうか?」


「そうですね……先程分解した時みたいに今度はもとに元に戻るように考えてみてくれませんか?」


 言われた通りにさっきとは逆に元に戻れ!と強く考えてみるが、うんともすんとも言わず、球体の中には全く変化がない。


「すみません。無理みたいです……」


「いえいえ、大丈夫ですよ。もともとこういう事態を想定して使い捨てのつもりで用意していますから。それにしても、やはりもとに戻すには『分解』と同じように技能としての力が必要なのかもしれませんね」


 なるほど。

 わざわざ『分解』を技能の一つとしているのならもとに戻すのにも何かしらの技能が必要になっても不思議じゃない。

 だとすると分解ってあたらしい技能を手に入れるまでは役立たずってこと?


「……龍希さんはその球体を維持していてください。日高、お願いしますね」


「了解よ。龍希ちゃん、ちょっと失礼するわね」


「ええ、ちょっと……?」


 坂井さんが合図すると日高さんが両手でボクの眼を隠してくる。

 視界を遮られる直前に坂井さんがさっきのとは別の段ボール箱を開けているのが見えたから、この球体の中に何かを入れて分解をするんだと思うだけどなんで目隠しをする必要があるんだろう?


「日高さん。なんで目隠し何てするんですか?」


「う~ん龍希ちゃんの精神衛生のためかな?」


「それってどういう「龍希さん。球体の中のものを分解してみてください」あ、えっと、はい――『分解』」


 すると、さっきとは違って抵抗を感じて分解できない。

 強引やろうとするとできるとかそんな感触ではなく、現状では何をしても無理だと思わせるようなそんな感覚だ。

 

「すみません。これはちょっと分解できそうにないです」


「分かりました。もう少し目をつむっていてくださいね?」


「はい……?」


 多分球体の中に入れたものを取り出しているんだと思う。

 何を入れたんだろう?精神衛生のためとか言ってたけどいまいちピンとこない。


「……もういいですよ」


「じゃあ龍希ちゃん。目隠しを外すからね」


 瞼に入ってくる光にちょっと目を細める。

 すぐに光に慣れて周囲をみることが出来るようになる。ちょうど坂井さんがさっき球体に入れたものを手に持っているようなので見てみるが……愕然とした。


「坂井さん……それって……」


「そうです。実験用のマウスです」


 坂井さんが手に持っているのは小さな籠に入っているネズミだった。

 よく科学の実験とかで使っているって聞く白いネズミだった。


 ということはボクがさっき分解しようとしていたのは……


「不意打ちのようになってしまい本当に申し訳ありません。ですがこれだけは確認しておかなければいけないことでした」


「……どうしてですか?」


「錬金術には完全な人間、いわゆるホムンクルスというものを作りだすという考え方がありました。もしスキルとしての錬金術にもその思想が反映されているのな、このスキルには人間を作りだす力があることになってしまいます……ですがそれは人としての倫理に反する行いです。ですから最初にこのスキルが生き物を対象に出来るのかを確認しておきたかったのです」


「でもね、もし出来たとしても何かをするつもりはなかったの。上に報告をあげてしまえばよからぬことを考えることを考える人もいるかもしれない。だからここだけに秘密にしてそれからのことをちゃんと相談しようって?今さら信じられないかもしれないけど」


「……お二人やここの人たちとは知り合ったばかりですけど、何となく変なことをするような人ではないって思います。ボクは昔からそういう感は鋭い方なので。それに言ってることも分かります。ボクだってそんなことが出来てしまったら怖いですし一人で抱え込む勇気もなかっただろうし」


 そこで一息つく。


「でも、ボクはまだ高校生で皆さんから見たら子どもかもしれませんけど、それでも自分で考えることぐらいできます。だから最初に相談して欲しかったです。そうならそうと言って欲しかったです。勝手に決められて勝手に進められて、それだと、なんか信用されていないというか、もっと一緒に考えたいというか。だから今度からそう言うことをするときはちゃんと話して下さい。それなら少しは心の準備はできますから」


 いっきに言い終えしまった。

 皆の顔を見るのがちょっと怖い。生意気なことを言ってしまっただろうか?子どもの癖にとか思われていないだろうか?


 そんなことを考えていると、両側からふんわりとした感触に包まれた。

 顔を上げると、日高さんと坂井さんに両側から抱きしめられていた。


「……そうですよね。私も覚悟が足りませんでした。こちらで勝手に解決してその結果だけを押し付けようとするのは傲慢というものですよね」


「ごめんね。龍希ちゃんの言う通りだわ。ちゃんと貴女とも話をするべきだったわ。確かに短い付き合いだけど私も龍希ちゃんのことは大事な友人だと思っているもの。ちょっと自分たちだけで考えすぎてたわ」


「私も、出会いから情けない姿を見せてしまっていましたが龍希さんのことを友人だと思っています」


 二人ともボクのことを友達だと思ってくれていたのは凄く嬉しい。

 それに心配しての行動だったって言うのもしっかり伝わってきた。


「ボクも生意気言ってすみませんでした。心配してくれてもことだったのもよく分かりましたし、二人がボクを友達って思ってくれてるのも本当にうれしいです……」


 なんだかさっきの発言も含めてちょっと恥ずかしくなってくる。

 ちょっとショックな出来事があった後だから本音とかが出やすくなってるのかな?


 二人はボクを抱きしめた態勢のまま頭を撫でたり、背中をポンポンと叩いたりしてくる。それに周りにいる人達も空気にやられたのか、ほっこりしていたりちょっと涙ぐんだりしている人もいる。

 この中心にボクがいるのを考えたら顔が熱くなる。


「あの、えっと、もういいですから。分かりましたから!次の実験にいきましょう!」


 そう言うと素直に離れてくれる二人。

 でもその顔は満面の笑顔である。最後にもう一度だけ撫でられると、坂井さんは向うの観測所?に日高さんは斜め後ろの方においてある椅子に戻って行く。


 ボクは赤くなった顔を誤魔化すように段ボール箱の中から新しい道具を取りだす。

 球体は手をかざしていなくても維持できるようだ。坂井さんからのリクエストで球体の中に広がった4元素それぞれの割合を大雑把でいいから教えて欲しいと言われたのでそれも伝えていく。

 そこで一個目のものが残ったまま次の物を入れるとそのままそのまま混ざってしまうことが分かったので、一つを分解するたびに解除して次にいく。

 そこで、なんと中にあった物体は球体を解除すると勝手に元に戻ったのだ。つまりあの球体の中の空間でのみ分解が作用するらしい。


 それからいくつかの物を分解していくうちにある事に気づいた。 

 分解するものによって球体の中に広がる4元素の種類が異なっているのだ。その構成は分解する前に見えていた4元素の構成とほぼ同じだと分かった。

 

 箱一個分の分解と構成の記録を終えたところで、アインから声がかかった。


『マスター。ついさっき錬金術のレベルが上がりました。新しい技能が追加されているので表示しますね』


「ほんとうに!?どれどれ――」


―――――――――――――――――――――

錬金術:Lv1

錬金術の範疇は金属だけに収まらない。万物すべてが対象となるだろう。しかしそれは扱うものの技量次第である。

錬金術を扱うことが出来るようになる。

<使用可能な技能>

『エレメンタル・アイ』『分解』『合成』

―――――――――――――――――――――


「――『合成』が追加されてるね。坂井さん、日高さん!」


 二人にそのことを説明してみると、使ってみようということになった。さきほどダメであった生き物に関してはさっき分解で得た感覚などを踏まえて、恐らくは今は無理であろうと思われたので今回は見送りに。

 


「それではまず……そうですね。まずは様子を見たいので適当なもので。ちょうど今分解していたハンドクリームにしてみましょうか」


「分かりました」


 このハンドクリームも勿論ここに用意してあったもの。

 そもそもなんでハンドクリームなんかがあったのかについては皆もよく分かっていないらしい。昨日か徹夜で準備していて後半は何でもかんでも適当に放り込んでいったぐらいの記憶しかないとのことだ。 

 まあ……深夜テンションってやつだよね。


「――『合成』」


 とにかくハンドクリームを対象に合成を試してみたのだが何の反応もない。

 ただ、何となく手順が違う気がする。


 ……多分だけど――


「――『分解』」


 まずは分解を使ってハンドクリームを球体の中で分解する。

 そこでさらに合成をしてみる。


「――『合成』」


 すると今度は反応が現れた。

 球体の中で完全に分解されたはずのハンドクリームが再び球体の中に現れる。


「「「おおおぉぉ!!」」」

 

 見ていた人たちから歓声が上がる。 

 これにはボクも思わず驚いてしまった。水球を解除すればもとに戻すことは出来たけど『合成』を使うことでもできたんだ……


「確かに凄いですが……これは合成、というよりかは再構成ではないでしょうか?やはり合成を言うからには2つ以上のものを合わせなければ意味がないような」


「……確かにそうですね。じゃあ……これでやってみます」


 てきとうに箱に手を突っ込んで取り出したのはボールペンだった。

 正直これで上手くいくのかは謎だけどとりあえずやってみる事にする。みんなも同意見なのか、特に否定してくる声はない。

 それどころか、どこか期待したような目で見てくる。


「それでは『分解』からの……『合成』!」


 球体の中でハンドクリームとボールペンの両方を4元素の状態に変換してから合成をしてみる。

 変化はすぐに訪れた。

 

 球体の中がみるみる黒くなっていき、ボンッと内側で弾ける。

 球体の中でのことなので外には影響はなかったけど、すぐさま解除して中身を出してみる。

 出てきたのはなんか……黒い塊だった。


「これは失敗ってことですかね?」


「この物体Xを見るかぎりそのようですね」


 そう言いながら坂井さんは黒い塊、物体Xをピンセットのようなものでツンツンしている。


「アイン。これの鑑定結果ってどう出る?」


『……こちらが鑑定結果ですが、あまり意味のあるものではないですね』


 アインがレンズに表示してくれた鑑定結果は「完全なるごみ」だった。説明文も一言ゴミとしか書いておらず、そのほかのことは一切書いていない。

 空中にも投影していたのでその結果をみた坂井さんたち研究員の人たちは、がっかりするかとも思ったけど逆に張り切っていた。

 今の現象の原因についていろいろと議論をしていた。


「龍希ちゃんはどうしてか分かる?」


 日高さんから質問があると、さっきまでの議論のしていた声が嘘のように静まり返ってボクの言葉を聞く体勢に入っている。

 そんなに期待されるとちょっと緊張するんだけどなあ//


「ええと、何となくなんですけど、二つが反発しようとしたというか、こいつとは無理!っみたいな感じでお互いを拒絶していた、みたいな感じなんですけど……参考になりますか?」


 研究員の人たちはサムズアップでもって答えてくれる。

 すると段ボール箱の周りに集まってきて話し合いながら中身を物色し始める。

「だとするとこれとかどうだ?」とか「こっちでもいいんじゃないか?」とかどうやら合成する素材を選んでるみたいだ。


 しばらくそうしていたかと思うと、自信満々の様子で一つの物体を持ってきた。

 代表して坂井さんが説明してくれる。


「先程の失敗から我々は『合成』には何らかの相性があるのではなか、と考えました。その相性が何で決まっているかは分からないのでひとまず先程と同じこのハンドクリームに合いそうなものを選んでみたのですが――」


「これは……草、ですか?」


「いえ、緑光ダンジョンを攻略している部隊がある魔物を倒した時にドロップした体力草というものです。以前アインさんに融通していただいた鑑定機を使ってみたところ、どうやら体力が回復する薬草の一種らしいですよ」


「なるほど……って鑑定機って何ですか?」


「おや?ご存知ありませんでしたか?この間ドロップアイテムを提出しに来ていただいた際にアインさんから頂いたものなんですが……文字通り鑑定のできるアイテムでダンジョンからのドロップアイテムを調べるのに大変役立っています」


『さすがに何も分からない状態で研究すると言っても万が一危険なものがあってもいけないので、融通させていただきました。私のデータベースに繋がってそのアイテムの鑑定結果を表示するようになっているんですよ』


「……そういうことはちゃんと報告しようね」


『申し訳ありません。すっかり忘れていました』


 とりあえずアインと話をするのは後にして『合成』をしてみることにする。


「……――『合成』」


 皆が固唾を呑んで見守っているなかで試すのはやっぱりちょっと気になる。

 もう一度さっきと同じ手順で合成を試してみる。

 すると、ああこれは上手くいくなって感じが何となく分かった。


 もちろん反応も違っていて、球体の中で4元素の煙が渦を巻くように混ざっていき全体が薄っすらと輝くとさっきと同じようにポンッと中で弾ける。

 中の様子が確認できていないので、球体を解除して中身を取りだす。


 中から出てきたのは先程と変わらないハンドクリーム。けれど一緒に入れたはずの体力草の姿はどこにもない。

 これは正しく合成されたってことでいいのかな?


「アイン。また鑑定お願いね」


『諾です。

鑑定……鑑定完了。結果を表示します』


―――――――――――――――――――――

ハンドクリーム・ポーション

効果:本来であれば保湿や肌荒れ防止を目的に使うハンドクリームであるが、これは赤ぎれや、小さい傷なら瞬時に直すことが出来る。さらには使い続けることでシミまで消すことのできる。ただしこれらの効果は手だけに限る。あくまでハンドクリーム。

―――――――――――――――――――――


 ……これはつまり成功だよね?


「「「成功したーー!!」」」


 鑑定結果をみた研究員の皆さんも凄い勢いで喜んでいる。

 

「やったーー!!」


 ボクも思わず叫んでしまったけど、これは思った以上に嬉しかった。


いかがでしたでしょうか?

今回は錬金術をメインに進めていきました。今回の章では錬金術もちょこっとずつ進めていく予定なので、よろしくお願いします!

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私のモチベーションが上がります!


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