14話 ごめんなさい
お待たせしました。
本日はいつもよりも短めですが、よろしくお願いします。
では更新します!
一覧を確認している間にダンジョン結晶が戻ってきた。全員に回って一周してきたみたいだ。とりあえずそのまま机の上に置いておく。
『この中のいくつかはこちらが所有権を欲しいですが、その他に関してはいりませのでご自由に使ってください』
「……その所有権が欲しいものとは?」
アインの無茶ぶりに坂井さんが代表して返答をする。
すると、画面に映っているいくつかのドロップアイテムにマーカーで引いたように目印がつけられる。
『では上から、肥料袋、ヘルスプラント、水晶リンゴ、羊のぬいぐるみ、ミニチュアツリー、スキル結晶、それからダンジョン結晶です。マスターは他に欲しいものはありますか?』
「え、こういうのって国に渡した方がいいんじゃないの?」
『何をおっしゃいますか。これらはマスターが自分の力で危険を乗り越えて手に入れたものです。それにこの国ではダンジョンに関する法律もまだできていませんし、この場合はマスターの物になるでしょう』
「そうですね。現状ですと自衛隊員が入手したものはいったん国の物となりそれから必要なところに再配置されるのですが、民間人が入手した場合に関しては、特に決められていません。ですので、強制はできませんができれば提出してほしい、というのが本音です」
斎藤さんの返答に対し、アインは――
『ではそちらので調査が済んでからこちらで受け取る形でなら良いでしょう?恐らく欲しいのはアイテムなどに関する情報でしょうし。ただその場合、調査するのは緑光ダンジョン研究所の皆さんでお願いします。見知った相手の方が信用できますし。しかし、ダンジョン結晶とスキル結晶はできれば今すぐにでも欲しいです』
「……理由をお聞きしても?」
これに関してはボクが答える。
「約束だからです」
「約束……?それはいったい誰との……?」
斎藤さんはアインと、お母さんの膝の上にいるルビーに視線を送る。
だけど、その二人じゃないんだよね。そろそろ紹介しないとね。
「えっと、まだ皆さんには紹介していないんです。今から紹介しますね」
ここに来てからずっと膝の上に乗せていた白薔薇の鉢植えを机の上に置く。
皆もなんでボクが鉢植えをずっと膝の上に乗せていたのがずっと疑問だったようで、何かに納得し、興味津々な顔で鉢植を見ている。
『龍希さん~出番でしょうか~?』
「うん、出てきてローズ」
鉢植えが光に包まれたが、そのまま人型になるから地面に置いた方がよかったかな?
もしかしたら机の上に出ちゃうかもしれないと思ったけど、その心配は無用だったようで光の粒となってボクの後ろに飛んでいく。
そこえ人型のような形になっていき、鉢植えが完全に光になって消えた時には、人型に戻ったローズの姿があった。
「皆さんこんにちわ~私はローズと言います~。よろしくお願いします~」
「この子がボクの新しい仲間のローズです。ダンジョンを攻略するときお家を壊しちゃうから元と同じような場所を用意するって約束したんだ」
さすがに白薔薇の鉢植えが人になってしまったのは全員驚いたようで、目を見開いている。
反応がなくて困っていると、驚きからいち早く立ち直ったのは坂井さんだった。
「……ええと、ローズさんはどのような存在なんでしょう?花から人型になるというのはかなり特殊だと思うのですが……」
「私はもともとアルラウネという木の妖精のような魔物で、ダンジョンの最下層ボスモンスターをやっていました~。でも龍希さんと戦って忠誠を誓ってから精霊にな進化しました~」
恥ずかしいです~とくねくねしているローズ。
違うよね!?忠誠とかじゃなくて友達になったんだよね!?
「……つまりルビーさんと同じような存在を思って良いでしょうか?」
「はい~ルビーさんはルビー先輩です~」
「……(害のあるような子じゃないから大丈夫よ。こっちの常識はちゃんと私達で教えるからそっちも大丈夫)」
「うんうん、ルビーはよくできる子ね~」
なでりなでり
ぷるぷる
お母さん褒められてご機嫌なルビーは置いておくとして、皆も徐々にローズに慣れてきたようで話しかけたりしている。
水月と朝陽に至ってはすでにかなり懐いている。
確かにローズは可愛いし、ボクよりもお姉さんっぽいけどさ。
……ぐすん。
「それで斎藤さん。どうでしょうか?」
「……分かりました。先程提示された品々に関しては柊さんに、そのほかに関しては我々で買い取ることとします。さすがに貰ってしまうのは外聞が悪いので、買い取るという形をとらせていただきます。ただ、何か……実験と言いますか、例えば錬金術のスキルなどを使う際には万一を考えて緑光の研究所でお願いします」
「ありがとうございますっ!」
話も上手くまとまったところで、今回の報告会はお開きになった。
解散する前にドロップアイテム先に売ってしまおうということになったのだが、その値段が凄かった。
「えっと、本当に、こんなに、もらえるんですか?」
あまりの金額の多さにボクはもちろん、両親も白目を向いている。
「それにしても……500万円なんて……」
そう、何と全部合わせて500万円にもなってしまったのだ。
もう全身がぶるぶる震えてしまっている。
「これは緑光ダンジョンと今回のサブダンジョンを攻略してきてくれたお礼も含んでいます。そもそもダンジョンからの産出物にかんして適正な価格というのはまだ決まっていないんです。しかし――」
そこでいったん話を切り、坂井さんに目配せをする。
ルビーやローズたちと話をしていた坂井さんは、斎藤さんの視線に気が付くと名残惜しそうにしながらも、こっちに歩いてくる。
「私たちを含むダンジョンからの産出物に関する研究機関では急ピッチでそれらに関する研究を進めているのですが、どれも同様の未知の物質、元素を含んでおり、それを含んだ素材は何らか理由で素材としての格が上がることが分かっています。特に魔石はその未知の元素の塊と言っていいでしょう。それの有用性はまだ研究段階ですが、魔石道具のエネルギー源としたようにかないあるでしょう。ですので、少しでもサンプルが欲しいこちらとしては高値を付けた、という感じです」
「……なるほど?」
「まあ、貴重なものを譲ってくれるのでそれ相応の値段を付けたということです」
「坂井の言う通りこれは今我々が考えられる適正価格なんです。受け取ってください」
「……お母さん、お父さん」
「……受け取っておきなさい。これから何かの役に立つかもしれないでしょう?」
「まあ、龍希が頑張った結果なんだ。受け取っておいてもいいんじゃないか?」
「……分かりました。それじゃあそれでお願いします」
「分かりました。ではそうしておきますね」
と、報告会も完全にお開きとなった。
そろそろ日をまたぎそうな時間帯になったので、ボクとうちの家族は家に帰れることになった。
乗ってきていた車に乗り込んで、家路につく。
妹たちは疲れていたのかボクを枕にしてすぐに寝てしまった。
お父さんが運転で、お母さん助手席に座っている。
「……ねえ、お父さん、お母さん」
「「何?」」
「……ごめんね。また心配かけて、迷惑かけて。この間もあんな騒動があった後なのに」
サブダンジョンから帰ってきて初めて皆に会った時、凄く驚いた。
目の下の隈は濃くて、疲れきったような顔で……見ているだけで辛かった。
サブダンジョンを攻略したことを後悔はしていない。
だけど、そのせいですっごく心配をかけてしまったことは後悔している。
「……龍希、あのダンジョンが出来た時。周りにいる人達をなんとか逃がしてたんでしょう?自分が逃げることもできたのに。私はね?それを聞いたときすっごく誇らしかった。自分を守るためだけじゃなくて、誰かを助ける事のできる子なんだって……でもね、本当に心配もした。なんでうちの娘ばかりこんな目に合うんだって」
緑光ダンジョンから始まり、星の意思からの贈り物。今回のサブダンジョンの一件。いつも最初は巻き込まれるだけだけど、そこからの騒動は全部ボクの行動が招いたことなんだ。
「まあ、龍希が昔から運がいいというか、悪運が強いというかそんなところがあったからしょうがないかなとも思ったりしたんだけどね?」
「うっ……そんなことないもん」
「冗談よ……でも龍希が本当に無事で帰ってくるのかって、いつも怖い。だからどんな選択をしてもいいから、必ず無事に帰ってきて。それがお母さんとの約束よ」
「……うん、約束する」
「う~ん、僕の言いたいことはほとんど言われてしまったな。だから僕の言いたいことも母さんと一緒だ。心配かけるのはいい。でも必ず帰ってきなさい」
「……うん、うん」
そこから先はあまり覚えていない。
とにかく泣いて泣いて、妹たちが何ごと!?って起きても涙が止まらなくて。
二人が慰めるように頭をなでてくれたのは覚えていた。
いかがでしたでしょうか?
ここに関してはあまりコメントしずらいですが、とにかく無事に帰ってきてくれてよかったという話でした。
今回でこの章は終わりになります。
次回からの新章もぜひお楽しみください!
という訳で、面白いと思ってくださったらブックマーク登録お願いします!




