8話 もっと大きな蛇がでてきました……
お待たせしました!
本日は閑話も併せて2話投稿になりますので、ご注意ください。
こっちは1つ目です。
では更新します!
「ふう、満腹満腹ぅ。ごちそうさまでした!」
「……(お粗末様。しかし、あれだけあったのに一瞬で無くなったわね。まるで全身で食べてるようだったわよ)」
『また近くに魔物の反応が増えてきましたね。そろそろ移動しましょう』
確かにボクの超直感でも周囲に魔物の反応が増えてきているのが分かる。
……あれ?
「何か気配を感じない場所にも何かいるような気がするんだけど、これって何かな?」
『……ふむ。どうやら超直感がレベルアップしたみたいですね。気配を断っている魔物の存在も感じ取れるようになっていますよ。おめでとうございます』
「ああ、それでこんな変な感じなんだね……でもこれで――二人ともっ!!」
「……(ええ。分かってるわ)」
『この階層の特殊個体のようですね。かなり強い反応です』
うん、ついさっきボクの探知範囲にこれまでのこの階層でも一番の反応が現れた。まっすぐにこっちに近づいてきているから完全にボク達の居場所がばれているみたいだ。
「これなら……出力5%まで上げて」
『諾です。
<食の加護>出力を5%まで上昇させます』
……来るっ!
現れたのは蛇、フォレストスネークに似ているけれど大きさが全然違うし見た目もちょっと違っている。
まず大きさ。これまで見たフォレストスネークが子供だったのかと思うぐらい大きい。胴なんてこの階層に来る前に戦ったボスモンスターの木の魔物、あれぐらいの太さがあるし尻尾の先は見えない。
さらに見た目。頭に生えている木がより大きく枝というよりも木って感じになっている。あと頭に葉っぱで出来ている毛が生えている。
『フォレストスネークの特殊個体、これはまた厄介なものが出てきましたね。これはもはやドラゴンに近い存在かもしれません』
「ドラゴン、か」
ゲームとかマンガとかあんまり読む方ではないけれど、知っている。羽の生えた蛇の化身で、いろいろな神話に登場しては猛威を振るってきた化け物。
「んふふ……」
「……(どうしたの龍希?)」
「えっと、何というかドラゴンとか言えれちゃうと本当に凄い世界になっちゃったんだなと思ってね。今更ながらワクワクしてきたよ」
「……(その調子よ。恐れるんじゃなくて楽しみなさい。新しくなったこの世界はあなた達の成長のための物であって滅ぼすためのものではないわ)」
「うん!それじゃあ本物のドラゴンと戦う前にこいつぐらいは倒していかないとね!」
フォレストスネークが動く。
頭の木が光るとボク達の周囲にあった木がうごめきだして、捕まえようと枝を伸ばしてくる。
『フォレストスネークの自然操作ですが、まさかここまでの広範囲で発動ができるとは……』
ひとまず避けて避けて避けまくる。
前からも後ろからも、全方位から伸びてくる木の枝と根っこを躱しながらもフォレストスネークからは目を離さない。
すると再び頭の木が光る。
「……っ!?」
背中に何かがぶつかった衝撃が走った。枝は完全によけていたはずなのに、と後ろを向こうすると今度は前から何かが飛んでくる。
それを拳のオーラを厚くして弾く。
「これは、葉っぱ?」
「……(自然操作で葉っぱを硬化させて飛ばしているみたいね。攻撃力はそこまでではないけれど……あの数はちょっと)」
枝を避けながら周囲の様子を確認してみると葉っぱが横にも上にも葉っぱがずらっと展開されている。
「これは……ちょっとまずいかも。出力10%まで上昇!」
『諾です。
<食の加護>の出力を10%まで上昇させます』
身体能力が一気に引き上げられ、知覚能力も一気に上がる。飛んでくる葉っぱがさっきよりもスローに見えるようになる。
周りにある枝の位置を確認しながら葉の刃を避け、弾いていく。
それでもこの数ではいくら力を上昇させても完全には対処しきれない。
「うっ……このぉ!」
何発かもらってしまったが何とかしのぎ切った。
『……解析完了。これまでの動きで枝の軌道予測が完了しました。次はガイドを表示しましすのでそれで完全に避けきれます』
「……それって葉っぱを避けることも想定してる?」
『もちろんです。避けたときに姿勢や攻撃の角度も考慮しているので、今の攻撃がもう一度来ても問題ありません』
「ほんとさすがだよ!」
フォレストスネークの角がまた輝き始める。
それと同時にレンズに枝の迫ってくる方向やそれに対しての避ける方向、弾いた方がよい枝などの表示などもされる。
「あいつに攻撃加えようにも、いったんこれが止まらないと難しいな……」
「……(だったらこの攻撃の原因を排除した方が早いわね。周辺の木を一掃するわよ)」
「でもボクの攻撃は一本一本ならともかく範囲攻撃には向かないよ。いや、いっそのこと地面殴って全部掘り起こす……?」
「……(それよりも拳圧でも飛ばしたほうが早いわよ!こっちで下準備はしておくから仕上げは龍希がしなさい!)」
スライムちゃんはそう言うと、周囲に次々と水球を展開していく。
あんまり時間はないみたいだね。
拳圧を飛ばすって言っても要は衝撃波を飛ばせればいいわけだ。と言われたって衝撃波……ソニックムーブ、音速を超えればいいのかな?
「眼鏡ちゃん、今の出力で音速を超える動きってできる?」
『現状では不可能です。もっとオーラの扱いが上手ければ今の状態でも音速を超え機動は可能ですが、最低でも20%あ必要です』
「じゃあそこまで出力上昇!急いでね!」
『諾です。
出力20%まで上昇させます。今度はほおけている暇はありませんのでしっかりしてくださいね?』
「了解!」
そうしている間にスライムちゃんが展開していた水球が枝と葉っぱの結界の外側を囲むように広がる。
「……(いくわよ……凍てつく水球!)」
水球が一斉に森へと落ちていき辺り一面、ボク達を襲っていた枝や葉っぱまでもが全部凍り付いて真っ白な世界が出来上がる。
その光景に呆然とする。
「……(今のうちに全部壊しちゃいなさい!)」
スライムちゃんの声でハッと現実に戻り、地面を踏み込んで空中に舞う。
オーラを足場にして凍っている木々のすべてを視界に入れて、何度も蹴りと拳を繰り出す。
すると、その後を追うようにして衝撃波が発生し振るった方向にあった木々がパリンパリンと割れて宙を舞う。
『最後は落下の衝撃を利用して地面に思いっきり攻撃を加えてください。それで、地面の下にある根っこの部分まで完全に破壊されます』
「任せてっ!」
見える範囲の氷樹がすべて破壊できたのを確認し、上に足場を作ってそれを蹴りこんで地面に突っ込んでいく。
念のため全身のオーラをできる限り厚くする。
「……――はあぁっ!!」
ドゴオオオォォォン!!!!
すごい音と共に地面に罅が入り、あちこちから氷の割れる音がする。
体への負担はそこまでではなかったのですぐさま態勢を立て直し、フォレストスネークを視界に入れる。
「さて、これでやっと本体を攻撃できるね。眼鏡ちゃん、出力10%に戻しておいて」
『諾です。
出10%に低下させます』
「幾らおっきくたって生き物なら頭は急所だよね?」
守りのなくなったフォレストスネークに向かって駆け出す。
すると空気を切るような音がして、横から丸太よりも太い尻尾の部分が振るわれる。それを見ていったん立ち止まり、真正面から殴り飛ばす。
『マスターここでもうワンステップ上に行きましょう。拳に魔力を込めて攻撃してみて下さい』
「……?ボクって魔法は適性がないから使えないんじゃなかったっけ?」
『確かに魔法を使うのには適性がいりますが、魔力を使うのには適性は必要ありません。もともと自分の力ですからね。これまでのレベルアップで魔力がかなり増えてきたので、ボス戦に備えて決定打になりうる攻撃方法を覚えておきましょう』
「それはボクも知りたいけど、魔力を扱うってどんな感覚なのさ?」
これまでの戦いで、ボクの攻撃方法は基本的に殴るか蹴るか。しかも出力を上げるか下げるかでしか攻撃力を上げる方法がない。
要するに技がないのだ。弱攻撃だけで強攻撃がないのだ。
その技になりうるものが見つかるのはいいのだが、これまで暑かったこともないような力を使えと言われても正直困る。
『オーラを扱った時と触りは同じです。魔力を手に集めることを意識してください。それで魔力というものが見えてくるはずです』
魔力が右手に集まる……魔力が右手に集まる……よく分からない力、というか何かが腕に集まっている感覚がある。
その流れを遡っていくと、ちょうどおへその下あたりに行きつく。そこからほんの少しづつだけど腕に流れて手に集まっていっている。
「うん……ちょっとだけ分かったかも」
『さすがです!それではその魔力の流れを大きく、より手に魔力が集まるようにしてください』
言われた通り魔力の流れを大きくしていく意識をしていく。徐々に広くなっていく感覚があるのだが、オーラの時よりも難しい。
さらに戦闘中でフォレストスネークの攻撃を躱したり左手で攻撃を加えながらだとより難しくなってくる。攻撃には一切手を抜いていないのにどれも致命傷には至らない。
左手で攻撃しているのは右手に魔力を溜めているからだ。
「……なんか色変わってない?」
『魔力が集まってきている証拠ですね。綺麗な赤じゃないですか。これだともう紅って感じですね』
「うん、確かに綺麗かも」
魔力が徐々に集まってくると、白いオーラを纏っている上に赤い色が混じり始めるたのだ。時間が経つごとに徐々に色が強くなっている。
『……そろそろいいでしょう。ではあとはその右手でフォレストスネークを思いっきり殴ってください!』
「やっとだね?よし……」
攻撃を掻い潜り、ちょうど下がってきた頭に飛び乗る。
「これで……終わりっ!!」
脳天に向かって魔力を纏った拳を叩きつける。
これまでにない手ごたえを感じてフォレストスネークの頭が地面に叩きつけられる。
すこしの間ピクピクっと動いていたのだが、すぐにそれもなくなり消えてしまった。
それと同時に全身に倦怠感が襲ってくる。
『それは魔力を使いすぎたのと、使用に慣れていないせいです。<食の加護>のエネルギーを魔力の回復する方に誘導してください。湧いてくるエネルギーを魔力を送りだしているところにゆっくりと送る感じです。慌てずに落ち着いてやってくださいね』
言われた通りにすると、徐々に体に力が戻ってくる感覚がある。
自分でも何となくこれぐらいかな、と思うラインが分かったのでそこで供給を止める。完全には治らなかったけど、だいぶ良くなった。
「思ったよりも強かったね。これまで出てきたボスモンスターより強かった気がするんだけど、特殊個体と通常個体って全然強さ違うんだね」
『そうですね。以前戦ったワームは本来あそこの階層で出るレベルの弱い魔物です。しかし特殊個体になると倍以上の強さになりますからね』
「まあ、倒せたからよかったけどね。それよりも魔力を使うの結構疲れたよぉ。でもなんでもっと早く教えてくれなかったの?」
『それは単純に魔力が少なかったということもありますが、マスターは複数のことを同時にこなせるほど器用ではないと判断したので。<食の加護>や<超直感>のスキルの調整や、オーラの扱いもありましたからね』
……否定できない。
確かにボク不器用だけども、複数のことを同時に何て確かにできないけどもね……?
「……納得したくないけどびっくりするぐらい納得できたよ」
「……(さすがにあんな戦闘の後だと、むしろ魔物も近寄ってこないわね。少し休んでいましょうか。その間に魔力の扱いについて私が教えるから)」
「え?休憩するんじゃないの?」
「……(何言ってるの?せっかく時間ができたんだらやるに決まっているでしょう?ほら、補給しながらでいいからぼさっとしてないで)」
「……はいぃ」
いかがでしたでしょうか?
おっきすぎる蛇ってもはや東洋龍にしか見えない気がするんですが、どちらにしても怖いですね~
今回の戦闘描写はあっという間に終わってしまった気がしますね、もっと頑張ってみます……
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