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ソウル・リファイン  作者: 弥生丸
地球編
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オカルト研究会と飛ぶ少女

オカルト研究会と飛ぶ少女



「えぇそうです。僕と小春、それにオカルト研究会のメンバー六人共、皆何らかの異能を手に入れました」

弘樹の唐突な質問に特に迷うことなく貴彦は答えた。


オカルト研究会


語られた内容よりもその響きに弘樹の心は打ち震えていた。

オカ研キター!

と叫びたい衝動を堪える位には。


「僕らはこれまで、三つの事件に関わっています。

学校の七不思議を調べに夜の校舎へ入ったら起きた異界化と戦い。

取り壊しが決まっている旧教会近くに泣き女の霊が出ると言う噂の調査。

そして、山奥にある廃病院の探索。

全部異界化してしまい、かなり危なかったんですけどね」


淡々と語る貴彦。


「そんな中、僕たちは武器防具を手に入れたり、特殊な能力を手に、いや、あの感じは目覚めなのかな?とにかく力が使えるようになりました」


最初は会報作りのネタの為だったという。


と言うか武器って手に入るものなのか。


ちょっとした悪戯心と好奇心。

入り込んだ夜の校舎。

気付けば月は異様に大きくなり、学校の敷地から外は深い霧で見えなくなっていた。


「僕は銅剣を手に入れ、治癒とか回復系の力も使えるようになりました」

「私は小太刀を。それと自分や仲間を強化したり、少しだけ風を操れたり。他のメンバーも皆力を手に入れました」

小春も貴彦の話を引き継いで語った。


「そうか…と言うか、こんな変な現象、三回、いや今回のを入れれば四回も短期間で起きているのか」


弘樹はそもそも異界化や化け物が関わるような事件が三回、市内で起きている事に驚きを禁じ得ない。

その上で力を得たという少年少女たち。


実は世界の裏側では人知れず魔物との戦いが!とかアニメやマンガのような世界に迷い込んだ気分だった。

若い頃なら喜べたかも知れないな。


そもそもが弘樹自身の能力も大概なのだが、先程までスプーン曲げが特技と思い込んでいた中年男としては、そんな感想を持つので精一杯だった。


「よくある、と言えば嘘になるけど、それでも結構頻繁に起きているのよ?」

弘樹の様子が気になったのか、十六那は軽い口調で話し始める。


「よく考えてみて。異能を持つ者が今ここだけでも四人居ると言う事を。

それに貴方の倒した荒御魂や彼らの遭遇した者たちの事を。

この世界には色々なモノが存在しているの。

妖怪、妖精、幽霊に神々。

そもそも魔女に魔術師、陰陽師に錬金術師、そんな存在だって世界中に遥か昔からいるわ。

日本だけでもパワースポットに心霊スポット、妖怪や幽霊の伝承もあちこちあるし、神話由来の山や川に神社仏閣、宗教上の偉人が起こした奇跡なんかも含めたら国中、世界中に特殊な話はあるでしょう?

実際には自然現象が原因だったり、恐怖心からの見間違い、勘違い、泊付けの為にそれなりの由来をこじ付けたり、そんな事の方が多いのだろうけど。つまりは昔から…っ?!」


と、急に十六那は口を閉ざし、静かに上空を見上げた。

釣られて三人も空を見上げる。

「!!」


そこには先程までの月はなく、岩場の異界にあった異様に大きく青白い満月が天に輝いていた。

そしてその月光を遮るようにして、行方不明だった少女 白鳥千尋が地上10メートル程の高さに浮かんでいた。


「千尋ちゃん?!」

少女は小春の呼び掛けには反応せず、皆を静かに見下ろしていた。

その顔色は距離もあり、月を背にしている為分かりにくいが、何かに取り憑かれた時よりは柔らかい表情をしているように思えた。


「さぁ、時は満ちました」


千尋は慈母のような微笑みさえ浮かべ、皆を迎え入れるかのように両手を小さく広げる。


「夢にて告げられた約束の地 八柱の女神が創造を続ける終わりなき世界 今!その扉は開かれる!」


所々妙に力んだ宣言に呼応するかの様に、彼女の背後にあった月が光を増す。

それは人一人入れる太さの白い光の柱となり地上へと突き立った。

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