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策謀

 暗き闇の深淵にて、邪神たちは常に人間を苦しめ、さらなる絶望を与えるために、邪悪な、身の毛のよだつ策謀を巡らせていたのだ。

 邪神の計画を知る者がいたとしたら、生きながら貪り食われる事さえ幸運な結末であると思えるであろう。


「作戦を会議するのです」


「一号が居ないのです」


「一号は遊びに行ったのです」


 邪神は触手を震わせた。

 それは怒りか、喜びか、邪神の感情など人間に分かるはずも無かった。


「しかたないのです。二号から報告するのです」


「おじいさんは、火曜日、木曜日、土曜日の午前中に、公園付近や商店街に現れます。土曜日は、数が増えて草むしりの日になる時もあります」


「うむ、これで、食料の確保は出来るのです」


「しかし、凶悪なクリーチャー、柴犬のべスは、普段は曲角の家の庭に繋がれていますが、夕方一時間公園を徘徊します。それも、毎日現れるのです!」


「危険なのです! おにぎりを貰いに行けないのです!」


「時間が違うのです!」


「午前中にゴミどもを始末し、夕方は、秘密基地に隠れてればいいのです」


「すごいのです。完璧な計画なのです」


「この秘密基地は、誰にも見つからないのです……ふっふっふ……」


 時間と空間に阻まれた邪神の侵略基地には、何人も立ち入れ事など出来はしない。邪神たちの不気味な笑いに、木々まで震え出したかのようにざわざわと揺れ始める……。


「触手のお姉ちゃん、大変だよ!」


 突如、揺れる木々の間から少年が顔を出した!


「人間に、秘密基地が見つかったのです」


「大変なのです~」


 一体どの様な狂気が、触手をうねらし這いずる邪神の前に少年を引き出したのか?

 正気ではない!

 僅かでも、自分の置かれている立場を理解することが出来たなら……。

 ……いや。

 彼の精神はすでに崩壊していたのだ。

 正気である人類など、残ってはいないのだ……。

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