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8・襲撃

私が『orz』のポーズでショックをうけているときに、塀の上で仁王立ちをして私を見下ろしているリリーがいた。


私は挫折したような姿で頭だけ上げているようなみっともない姿だ。


「あらあら、面白い格好ね。もしかして私に膝まずいているのかしら?」


リリーは高笑いをしている。


「ねぇ。何か言うことはないのかしら?」


リリーはまだ上から目線だ。私はそんなリリーにひと泡吹かせたいと思う。なにかないか考え、出た言葉がこれだ。


「見えてる!」


私はボソッと言った。


「んん?何か言った?」


リリーは私がボソッと言ったので、何を言ったのか分からなかったようだ。


「スカートの中、見えてるよ?」


私は次は少し大きな声で言った。


「えっ?」


リリーはハッと気づいた。スカートで塀の上で仁王立ちをしていたら見えているのは当たり前だ!

リリーは顔を赤くしてサッと前屈みになり、スカートを押さえる。しかし、前屈みになったので、前の方にバランスを崩す。


リリーの体は道路側に落ちていく。落ちる瞬間にリリーはとっさの反応で塀の上で半回転したが、結局は背中から落ちる結果になっただけであった。


リリーはストッキングを履いているので見えているっていうのは嘘だ。しかし、まんまと見えてると勘違いしたリリーは塀から落ちてしまった。私はまさかの出来事で、リリーが気の毒になったのだが自分が狙われているので今はそんな余裕はない。


ドスン!という音と同時にリリーの体は背中からアスファルトに落ちた。


「いたたた・・・・」


ゆっくりと体を起こすリリー。体を起こしたリリーは近くに私がいないことに気が付く。


「花は?」


リリーは辺りを見渡すと左方面に勢いよく走って逃げている私を見つける。少しの時間だったけど、凄く遠くまで逃げていた。


「は、はやっ!ま、待ちなさい!!」


リリーは立ちあがり私を追いかける。


私は走りながらカキの話を思い出していた。


(「娘はんがそんな事をしたらいけないでありんす」


「えっ?スカートをバサバサは駄目なの?」


「そんな事をするおなごはいやせん。とても恥ずかしいことでありんす」)


実際にリリーに試したら、本当に恥ずかしがっていた。っということは私はとても恥ずかしいことをしていたのだなと思うと、私は走りながら顔を赤くしていた。


どれくらい走っただろう。私は少し立ち止まり、リリーの様子を見るために振り向く。かなり遠くだが、ふらふらしながらも追いかけてくる。私は再び走り出した。


暫く走ると、塀と塀の間に小さな隙間があることに気が付く。私の今の大きさでは入らないが、私の猫の姿は生まれて数ヶ月の子猫だ。塀の幅には問題ない。

子猫の姿になるということは足の早さが半減する。その時にリリーに捕まったらアウトだ。しかも、まだ猫の姿や人間の姿に変身する練習もしたことがない。


しかし、この状況は一刻を争う。私は隙間がある塀と塀の前に立ち、再び後ろを振り向く。米粒くらい遠くにいたリリーがちょうどカラスになった瞬間を私は見た!


カラスは凄い速さでこちらに飛んでくる。


私は集中するために目を閉じ。


(猫の姿に戻れ!)


と強く念じる。


ゆっくりと目を開けると、私の目線から地面が近い。どうやら子猫の姿に戻れたみたいだ。


ホッとする間もなく、私は飛び付くように塀と塀の間に滑り込む。塀の隙間に入る瞬間、尻尾に何か当たる。それがリリーの足の爪なのか、塀に擦ったのか分からない。


私が隙間に入ったすぐに後ろから凄いカラスの声がした。


「カァー!カァー!」


凄く大きな鳴き声とバサバサと羽ばたきが聴こえる。私は後ろを見てみると、カラスが塀と塀の間に精一杯足を伸ばしていた。しかし、私には全然届かない。


暫くするとカラスの鳴き声が聞こえなくなった。私はリリーが諦めたのかなと思い、隙間の外に出ようとした。


「は~なちゃ~ん。出~ておいで~」


リリーの声が外から聞こえた。良かった!リリーが声を出さなければ、私は外に出て捕まっていた。

私は無言で何も言わない。


「ねぇ?聞いているの花~」


とても不気味でとても優しくリリーは言うが、私は出ていくほどバカではない。


「「・・・・・」」


しばらくの沈黙が続く。


「おい!聞いているのか?出てこいよ!」


私が出てこなかったので、とうとうイライラしたのかリリーは乱暴に叫びだして塀をドンドンと叩く。とても恐い。その行為は人をいや、猫を誘き出すには向いていない言葉であった。


「ねぇ、見てあの人何をしているの?」


「変なやつだなさっさと行こうぜ!」


リリーが塀を叩きながら暴言を吐いていると、リリーの近くからカップルであろうか、話し声が聴こえてきた。たぶん、リリーを変な目で見て去っていったのだろう。


その時、リリーも自分の行為が周りにどう見えているのかやっと気づいたようだ。リリーは本日二度目の顔を赤くして、カラスになり去っていった。


私はまたリリーが戻ってくるか分からないので、塀と塀の隙間で一夜を過ごすことにした。

こんにちは。山神ゆうきです。


誠に勝手ながらですが、数週間次の話を投稿できません。

必ず戻ってきます。

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