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7・再会

みんな散り散りに解散をして、ただそこに立っていたのは私だけだった。

たぶん、飼い猫は自分の家に、野良猫は自分の住みか又は自由にぶらぶらするのだろう。


私は宛がないのでそこにいても良かったのだが、あのお巡りさんが戻ってくるかもしれないので、仕方なく私は『間取浜公園』を出ることにした。

公園を出ると、目の前には数人の猫の人の後ろ姿が見えた。その中の一番後ろに私を助けてくれた金髪ウェーブの『シャテット』がいることに気付く。


私は走っていき、シャテットの隣につく。


「あ、あの・・・・。さっきは助けてくれてありがとう」


私は歩きながらシャテットを見て言う。しかし、シャテットは何も言わない。


「シャテットは飼い猫なの?それとも野良猫なの?」


私が聞くといきなり立ち止まり。


「気安く話しかけないで!」


とシャテットは私の顔を見て強く言う。


「いい?あんたは野良猫なんでしょ?正直者じゃ生きていけないわよ?たまには偽り、ズル賢さ、図々しさが必要なのよ!」


シャテットが右手人差し指を私の首の下辺りに突き付けて言う。


「じゃあ、私はこっちだから」


シャテットはそう言って右手をパーにして頭近くまで挙げ無愛想に去っていく。


「・・・・・・」


私は無言になり、ただシャテットの後ろ姿を見送った。


「まぁ、気にするなって!」


ガリガリの男性、『エディバー』が優しく私の頭を撫でる。


「シャテットの飼い主は元女優なんだ。今は引退してこの田舎町で暮らしているんだよ。シャテットが猫の時はその飼い主の膝の上で飼い主が子役をしていた頃のDVDを毎日見ていてね。あの性格はその飼い主の演技の時のらしいよ」


エディバーはシャテットの事をいろいろ教えてくれた。


「そうなんだ。シャテットの飼い主はすごく有名な人なんだね」


私は驚きエディバーに言う。


「そうなんだよ。それにシャテットの先祖もずっと飼い猫で、シャテットの母親もその女優の飼い猫だったんだよ」


「そっか。・・・・・母親か・・・」


私は数週間まで私の面倒を見ていた母親を思い出していた。

ある日、私が寝ているときにどこかに姿を消した。私は母親を捜しているときに人間の姿になったのだ。


母親からは人間が恐い事と、車が危ないことは教えてもらっただけである。何故か知らないが、また母親と会えそうな気がする。そう思っていた。


「そうそう。エディバーは新聞配達をしているんだよね?なんで働いているの?」


私は何故働いているか知りたかったので、聞いてみた。


「それはね、この世界に生きているのはたった一度きりだからさ」


エディバーは両手を広げ、空を見て言う。


「なにもしなくても時間が過ぎる。そして、何かすれば良かったと沢山後悔してもその時間は戻ってこない。だから、僕は新聞配達をして刺激を求めているのさ!」


と、エディバーはとても楽しそうに言った。


「そっか。けど、私にはまだ早いな」


適当なことを言ったが、私は働かずまったりと過ごしたいと思った。しばらく歩くと交差点に付く。


「じゃあ、僕はこっちだから、またね」


エディバーとは手を振って左の方へと歩いていった。


私は宛もなく歩いており、いつの間にか人もいなくなり、暗い夜道に所々外灯がある場所を一人歩いていた。外灯の光が照されているところに立ち止り、辺りを見渡す。周りに人はいない事を確認して、そっとパーカーのフードを取る。

自分の影を確認すると、やはり私の頭には猫耳があった。私はゆっくりと猫耳を上から押し潰してみる。そして手を離すとそこには普通の女の子の影があった。


(やった!猫耳がなくなった!)


と思ったのも一瞬だった。すぐにピョコンと猫耳が元に戻ったのだ。私は『orz』の姿で落ち込む。


「あっははは。やっぱりあんたは面白いわ」


私はその声に驚き、声がした方を見てみると、塀の上で仁王立ちをしているリリーがいた。


「はぁい!花。また会ったわね。今度は逃がさないからね」


と、目を鋭くしてわざと声を低くして悪党みたいに言う。

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