3・動物の人間化
こんにちは。
今回は説明回です。
わ、私はなんか中途半端な感じで人間の姿になっているようだ。
「ど、どうしよう。なんか中途半端だよ」
私はパニックになりそんなことを言っていたら。
「わっちはいいと思いなんす?ほら、今の言語で『萌え?』とかなんちゃら?」
と首をかしげながら何やら難しいことを言っている。たぶん、これでも可愛いからオッケー!っということだろう。
「えっと、カキ・・・・・でしたっけ?なんで私達は人間の姿になっているのですか?」
私はカキなら何かを知っていると思い、聞いてみた。
「それは・・・・・」
とカキは勿体ぶるように少し間をおく。
「ゴクリ!」
私が唾を飲む音が大きく聞こえる。
「それは・・・・・。わっち達にもさっぱりでありんす」
と言う。
「わっち達の調べでは。今、人間化できる動物は猫、犬、カラスの三種類でありんす。わっち達は科学者ではありゃせん。研究も実験もできんしょ。それに、人間は臆病でありんすから、この事を言ったら酷い目にあうのは分かりんしょう?」
そう言って悲しい顔をするカキ。
「たった一つ分かるのは、人間になれるのは夜の7時から朝方の7時まででありんす。昔、わっちが公園で時計を見ながら試したんし」
カキは思い出したように言う。
「えっと?7時?時計?それってなんなの?」
私は全然分からない言葉が出てきて混乱する。
「もしや、時計が分からないでありんすか?」
カキは私の様子を見て聞いた。私はその言葉にコクコクと頷く。
すると、カキは辺りをキャロキョロ見て木の枝が落ちているのを見つけるとそれを拾い上げ、土に何かを書き始めた。
丸い円を書き1~12の数字を順番に書く。
「これが時計というものでありんす。長い針が12の所、短い針が7の所。これが7時でありんす」
カキは木の棒で書きながら、私に時計の説明を丁寧に教えてくれた。カキの説明はとても分かりやすく頭の悪い私でもすぐにわかった。
そのあとに人間化の事をいろいろ教えてもらった。
1、人間化は全ての猫、犬、カラスがなれるわけではないらしい。人間になれる動物年齢もバラバラで、生まれたばかりで人間になれる動物もいれば、数年経ってから人間になれる動物もいるみたいだ。人間になれないまま一生を終える動物もいる。
2、動物の姿の時は自由だが、人間の姿の時は人間の法律を守らなければならない。理由は、もし人間の姿の時に悪いことをして警察に捕まった場合、我々の正体がバレるのを阻止するためらしい。
3、人間、動物の変身の方法はイメージでなんとか出来るらしい。人間になるには自分で人間をイメージをしたら、そのイメージをした人間になれる。しかし、雄は男性に雌は女性にしかなれない。イメージをした人間の姿になると、他のイメージをした人間の姿にはなれない。人間の姿は動物の一生で維持できる。動物に戻るには理屈は分からないが、心の中で強く戻れと念じたら戻れるらしい。
カキの話だと、私の人間の姿はだいたい15才の少女くらいと言っていた。
「そっか。いろいろ教えてくれてありがとう」
私は笑顔でお礼を言い、深々と頭を下げる。
「いえいえ。同じ猫なんし、仲良くしやしょ」
そう言うとカキは私の頭を撫で、その後どこかに行くのか歩き始めた。
「あっ!そうそう。今からわっち達、猫の集会がありんす。一緒に行きしゃんすか?」
カキは思い出したかのように言い、振り向きながら私に聞いてきた。
「えっ?猫の集会?それってたくさん猫が集まるんだよね?行く!行く!」
私は目を輝かせて言った。
「フフフ。では、ついてきんしょ」
カキは小さな子供を見るように微笑ましく笑い。再び歩きだした。