29・誘われ
「どうもー!アイドルのミミニャンでしたー!ちなみにアンコールはありませーん!」
「ふう・・・。俺様も燃え尽きたぜ!」
ミミニャンはみんなに手を振ったあと、元来た道を走って去っていった。
その後に続き、ダンデーも何処かへと去っていく。
「・・・・・・・」
ミミニャン達がいなくなり、猫の集会の場所は、さっきまでの賑やかさはなくなり、いつも以上に静まり返っているような気がした。
「やっと静かになったわね!」
静寂を破るかのように、声を出したのはシャテットであった。
「おっ?シャテット。お前も演技か何かするのか?」
「しないわよ!」
ゴンゴドラスが、シャテットを茶化して大きな笑いが起き、徐々にいろんな場所で話が始まって、賑やかさが集会場に戻ってきた。
「本当に演技をすればいいのに。アイドルのペットの猫がライブをしたのだから、元女優のペットの猫が演劇をしてもいいだろ!」
「ふん!」
どういう理屈か分からないが、ゴンゴドラスの言葉でシャテットは気分を損ねたようだ。
私は機嫌が悪くなったシャテットの近くにいて、絡まれるのが嫌だからそっと距離をおいた(シャテットごめん!)。
ーーーー(幕間)ーーーーーーー
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「では。今日の集会はここでお開きにするかえ」
カキ姉さんは手をパン!パン!と叩き、周りを見渡すように言った。
「そろそろ帰らないと、飼い主が起きてしまう」
「あっ!朝の新聞配達が!」
カキ姉さんの一言で次々と解散していく猫達。カキ姉さんも、全員解散する前に帰ってしまった。
「私はどうしようかな?またあの商店街に戻ろうかな」
私は野良猫なので、帰る場所はなかった。
しかしあの商店街の人々がとても優しかったので、しばらく甘えることにした。
「花さん!花さん!」
「へぁ?ふぁい!」
私が考え事をして歩いていると、女性の声で名前を呼ばれ、肩をポン!ポン!と叩かれたからびっくりして、つい変な声を出してしまった。
「ああ!花さん。ごめんなさい。いきなりでびっくりしましたね」
私の後ろには、声をかけてきた人物、シスター・キャットがいた。
「大丈夫だよ。ちょっと考え事をしていたから、びっくりしただけ」
「そうですか。よかったです」
シスター・キャットはホッと胸を撫で下ろした。
「えっと・・・。何か用ですか?ポパ━━━」
「シスター・キャットです!」
「あっ!シスター・キャットさん!」
訂正を要求していたシスター・キャットの目が、一瞬病んでいたように、光を失ったので、私は慌てて訂正した。
「実は勧誘にきました~」
「かんゆう?」
「はい~!」
シスター・キャットは、とてもニコニコして私に寄り添ってきた。
「おっ!ポパットが怪しい勧誘をしてるぞ!」
「変なこと言わないでください!」
近くにいたゴンゴドラスが、シャテットの次はシスター・キャットをからかい始めていた。
よく考えてみたら、ゴンゴドラスはよく私の近くにいるような・・・。
「コホン!あの・・・。明日の夜は何か用事とかありますか?」
「ううん。無いけど?」
「よかった!」
私は今、塾を探しているのだが、情報が全然無いので集会に行くか、夜のワンダホー!に行くか、何かをするわけではなくブラブラと放浪するしか選択がないのだ。
「実は、あなたに会ってほしい人物がいるのです」
「会ってほしい人物!?」
「はい!」
シスター・キャットは、何故だかそわそわしながら話している。このあと用事とかあるのだろうか。
「うん、いいよ」
「本当ですか!?よかった!では集合場所を間取浜公園の入口にしましょう!時間は、猫になれる時間からずっと待っています!では、ごきげんよう!」
シスター・キャットは、慌てるようにマシンガントークで話し、急いで去っていった。




