27・アイドル
私達が励ましているのに、なかなかウェルは泣き止まなかった。
「うっぐ・・・うぇっぐ・・・・うぇる・・・」
私は泣いているウェルを見ていると、自分までも何だか悲しい気持ちになってきた。
実はその猫は私なんだ。と、言えばウェルは泣き止むだろうか、それとも怒るだろうか。
私は悲しんでいるウェルを慰めたかった。
「あのね、ウェル。その猫のことなんだけど━━━」
ダッダッダッダッ・・・。
私がウェルに真実を話そうとしたとき、足音が複数、こちらに向かってきているのが分かった。恐らく2人くらいだろう。
(もしかしたら、あの警察とかいう人間かな?)
私はドキドキしながら足音がする方を見つめていた。
「きゃう~ん!みんなー!おーまーたーせー!アイドル、ミミニャンの登場だよ!」
なんと!足音の正体は自分をアイドルと名乗る、派手なピンク髪を白いリボンでツインにしており、服はピンクが混じった白いワイシャツにピンクのミニスカートを履いた女性であった。
「うええーい!ミミニャンと一緒に俺様のギターを聞けー!!」
もう一人はサングラスをかけた20代くらいのスーツ男性がギターとかいう不思議なものをジャンジャンと鳴らして立っていた。
私は微妙に場違いな感じの女性と変な男性の登場にしばらく固まってしまっていた。
「えっ?えっ?なんなの?この人達?」
「アイドルのミミニャンとギターのダンデーよ!まったく、空気を読まないわね!!」
私が訳がわからずにキョロキョロとしていると、腕を組んだ少し不機嫌そうなシャテットが答えてくれた。
「フー!ミミニャン~。こっち向いて~!!」
「ミ~ミ~ニャン!!ミ~ミ~ニャン!!」
ミミニャンの登場で、ウェルを慰めていた人達(特に男性)もミミニャンに釘付けになってしまった。
「ああ~!いつ見てもミミニャンさんは美しいです!これも神の導きでしょうか?」
シスター・キャットも目を輝かせて見ている。
「ねぇ、ねぇ。ウェルを慰めるのはどうしたの?ウェルがこんなに泣いているのに・・・」
私は皆に呼び掛けて、ウェルを見た。
「ヒュ~!ミミニャン~。僕ちんの目にはミミニャンしか見えてないよ~。」
さっきまで泣いていたからか、ウェルは目の下に微妙に涙が残っているが、笑顔でミミニャンを応援していた。




