21・会計
「えっ!?お会計?」
私は自分の耳を疑い聞き直した。
「はい。7500円になります。」
ダンディな男性は『お金を払うのが当たり前だろ?』みたいな顔で私を見ていた。
「私・・・・・。お金持ってない。」
「な、なんと!それは、いけませんね!」
ダンディな男性の目付きが鋭くなった。とても危険だと私の本能が叫んでいる。だからといって逃げるのもいけない。
「ご、ごめんなさい!私、ゴールデンレトリバーのクルードさんに勧められてここに来たんだけど、まさかお金がいるなんて知らなかったの。」
私は素直に謝ることにした。
「クルード様ですか!?少々お待ちください。」
ダンディな男性の目は優しそうな目付きになり店の奥へと消えていった。
少ししてから金髪で白いスーツのかっこいい男性を連れてきて戻ってきた。
「こちらが夜のワンダホー!のNo.2のクルード様でございます。」
「クルードは俺のことだが?君は誰だい?」
金髪の男性は不思議そうに私を見た。私もまさか目の前にいる人物がクルードと知ってびっくりする。
「クルードさんなの?私だよ!昼に助けてもらった花だよ!昼間は本当にありがとうございました。」
私は深々と頭を下げた。
「ああ!花ちゃんか。遊びに来てくれたんだね!」
クルードは笑顔で右手をパーにしてあげた。
「あの、クルードさん。私、お金ない。」
私はしょぼんと落ち込んで言った。
「たぶんそんなことだと思ったよ。花ちゃんが来たら、今日は俺が出すつもりだったんだよ。昼に他の犬によって恐い思いをさせたからね。」
「かしこまりました。では、7500円はクルード様につけますね?」
「ああ!そうしてくれ。じゃあね、花ちゃん。また、遊びに来てね。」
「うん。ありがとう。クルードさん。また遊びに来るね。」
私は何度もクルードさんにお辞儀をしたのであった。
ーーーー(幕間)ーーーーーーー
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私は誰もいない夜道を歩いていた。そして、ふと立ち止まる。
「このパターンは、なんかリリーが出てきそうだよね・・・。」
私は独り言を言って振り返る。しかし、今日は本当に誰もいなかったのであった。
しばらく歩いていると、人間の家がたくさんある場所に着いた。
『間取浜商店街』
一番端にそのような看板があったけど、私は読めずに首をかしげた。
それにしても人間の家がたくさんあるにも関わらず、真っ暗であった。本当に人間が住んでいるのか気になるのだが、今は夜中なのでみんな寝ているのだろうなと思った。
私も疲れたのでそろそろどこかで寝ようと思う。私は商店街をうろうろとして、『肉屋』と『八百屋』の間にダンボールが大量に置いてあったので、子猫の姿に戻り深い眠りにつくのであった。




