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忘却の里  作者: 伊亜流
6/9

▶『異変』◀

勢いだけで書き上げた感すごい

風呂から出て歩いていた帰り道。もう六時前だというのに照り付ける太陽は俺の肌を焦がしていくような錯覚を覚えてさえくる。

山間の開けた場所にあるこの里でも都会と変わらず太陽は射るような光を放ち続けている。さすが夏。暑いよ助けて。

「あんまもたもたしてると風呂にカムバックすることになるぞ急げ。」

このままこの日差しの中を歩いていたら汗をかいてせっかく風呂に入ったのが無駄になってしまう。

また仲良く風呂に戻るのだけはほんとに勘弁してほしい。いろんな意味で。

今現在一番左に利理、間に響、そして右に俺が並んで歩いている状態である。背中から受ける太陽の光に作り出された影は大きく形を伸ばして舗装されたアスファルトの上で俺達の動きに合わせて前に進んでいる。

たまにはこういうゆっくりした時間も必要だと思うんだよね。うん。

「そうだね。さすがに私も暑くなってきちゃった。ひーちゃんも暑くなってきたでしょ?」

「うんうん。ちょっとばかし今年は例年より暑くなりそうかなぁ。去年はまだここまで熱くなかったんだけど。」

利理の放った言葉に同意を重ねる響。

やっぱり今年は暑いのか。俺は毎年同じような暑さに感じるが響の肌には微妙な温度の変化が分かるらしい。

ってか今まだ7月終わってねえんだぞここから暑くなるとかどんな嫌がらせだよ。泣くぞ。

・・・。まぁ季節に怒ってもどうしようもあるまい。我々は地球と言う環境に生かされてるんだからな。

涼しく暮らしたけりゃ地球温暖化を止めろってことだろ。多分。いやそうに違いない。

人知れず地球環境について考えながら三人で建物まで歩く。まぁすぐ近くなんだがな建物は。

あっという間に帰ってきた俺たちはその入り口のところに大人びた雰囲気の金髪碧眼の少年が立っているのを見かける。外国人か…?

肩に筒状のケースを掛け、ブロック塀に背中を預けて難しい表情をして何かを考えているように固まっている顔を見るとどこか日本人に似た顔立ちをしている。どっちだこれ。

「そこにいるのは・・・もしかしてひじり君?」

どうやら利理には見覚えがあるらしい。多分この里の人間だろうな。俺のことを知ってる人には数人会ったがどの人も記憶になかった。

恐らくそのパターンだろう。

「ん…?そこにいるのは西城さんと響ちゃんと…もしかしてお前爽真か?」

やっぱり。こいつも俺のことを覚えているらしい。俺は案の定覚えていないが。

「あーわり。俺この里の記憶がないらしくてな。・・・すまんがお前のことも記憶にない。」

申し訳なさそうに言った俺に対してその金髪の少年は何か苦虫を噛み潰したように顔をしかめた。

そこまで気に障っただろうか。まぁ確かに話し方からして仲が良かった人間のようだから怒るのも仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。

そんな俺の思考を読み取ったかのように青年は言葉を紡ぐ。

「あぁいや別に覚えてないことに関して怒ってるわけじゃないから安心しろ。俺は櫻野さくらのひじりだ。

改めて覚えてくれればいいさ。大体もう何年前になるか数えなきゃわからんほど昔だからな。覚えてなくても不思議じゃない。

というか何故俺が覚えていたのかも謎なくらいだ。」

「そう言ってくれると助かる。んで聖・・・でいいか?なんでそこで突っ立ってたんだ?何か気になることでもあったか?」

ずっとそこに突っ立ってたというのは何か理由があるんだろう。だが何故ここなのか分からない。

考え事なら家に帰ってからでもすればいいのに。

だがその質問をした瞬間、彼の周りの空気が重くなるのを感じた。

「…響ちゃん。ちゃんと出るとき鍵閉めたか?」

唐突に真面目な顔つきの聖に質問され、少し慌てながらも何とか響は応答する。

「う、うん。しっかり閉めたの確認したもん・・・。だよね?利理ねぇ。」

「ちゃんと私も確認したから間違いないよ。」

その返答を聞くと更に顔を強張らせる聖。背中の筒状のケースから・・・慣れた手つきで木刀を取り出した。何をする気だこいつ。

聖は静かに、と言う風に口元に指を立て、俺達に合図を送る。

そーっとドアに手をかけて聖が戸を引くと…開いた(・・・)

鍵を閉めたか確認したのはこの為だろう。何故開いている?もしかして空き巣などだろうか。だが空き巣をするなら他の建物を狙ってやってもおかしくはない。

風呂の先にある商店街とかの方が金品ならあるだろう。

そのまま引き開けると戸の下の方からブチッと何かが切れる音が聞こえた。

「やばい伏せろッ!」

聖の声を聴いて反射的に利理と響を庇って伏せていた。

その次の瞬間、空気を切り裂く重い音とともに何かが飛来する。その飛来した何かはそのまま振り子のようにしばらくゆらゆら揺れて行ったり来たりを繰り返す。

冷や汗が一筋頬を伝う。警告がなかったら利理と響は大怪我をしていてもおかしくはなかった。いや最悪命の危機もあった。

飛来したそのものの正体は…農具として用いられる巨大なすきだった。何者かが俺達を攻撃する意図で設けた物だろうか。

いや間違いなくそうだ。どんな偶然が起こってもこれはありえない。その正体を見た俺達四人は改めて戦慄する。

「ひっ…!?」

「・・・・・・うぅ・・・。」

利理は驚愕と恐怖で顔を真っ青にさせ、響は俺に顔を押し付けて泣いている。

とりあえず身体を起こして二人を立たせるが…利理は何とか物に掴まって立っているが響は立つどころではない。

仕方がないので抱きかかえて持ち上げる。するとまた俺の体を離すまいときついぐらいに抱きしめて声を押し殺して泣いている。

「い、今の・・・何…?」

「恐らく何者かが俺たちが風呂に入った頃合いを見計らって侵入したんじゃないかな…?

多分この分だと他にもありそうな気もするが。」

俺の返答に更に驚愕の色を濃ゆくする利理。当然だろう。いきなり意味も分からず宿にトラップを設置させられたのだから。

俺だって本気でビビるんだから怖がりの利理が驚かないはずがない。

「流石に冗談にしちゃ笑えねぇなオイ。」

止まった鍬を見て悪態を吐く聖。そしてゆっくりとその鍬を外して俺に渡す。

「これは持っとけ。万が一何かあったら西城さんと響ちゃんを守るんだよ。お前が。」

利理に響を預けて受け取ると地味に重量がある。持つだけならまだ問題ないが満足に振るうことは難しいかもしれない。

(だがわがままを言ってられる状況じゃねえよな…。)

何時油断した俺達を狙ってくるかも分からない状況だ。そんなこと言ってられる場合じゃねえな。

「んで?お前はどうすんの?まさかその中で状況を確認してくるとか言わねえよな?」

「そのまさかだ。お前こそついてくるとか言うなよ?お前まで来たら誰が二人を守るんだよ。

多分こういうのは俺の方が慣れてる。そうだな…三十分経って俺が戻ってこなかったりしたらおじさんでも呼んで連れて来い。」

有無を言わさぬ口調で告げると木刀を構えながら中に入っていく。

確かに任せてもいいと思うが…流石に心配だ。

「爽真君?それに聖くんじゃないか?何をしている?というか何故響は泣いているんだ?」

「おじさん。説明は爽真にしてもらってください。俺は先に行ってるんで。」

それだけ言うと中に入ってしまった。仕方がないが説明役に回ろう。

「ええと・・・俺達風呂に入りにいったんですが帰ってきたら入り口の前で聖が立ち止ってて。

聞いてみたら閉めたはずの鍵が開いていたって話で。そのあとゆっくりドアを開けたら鍬が振り子みたいにこっちに迫ってきたんですよ。

間一髪で避けましたけどね。それであいつは調べに行くとか言って・・・。」

要点だけを掻い摘んで話すとこんな感じだろうか?俺の話を聞いたおじさんは焦燥の色を露わにしていく。

だが何か決心したような顔つきで

「二人は爽真君に任せた。俺は聖くんのところに行ってくる。なるべく君たちは人通りの多い所へ!」

それだけ言うと聖の後を追って飛び込んでいった。聖が取り外した鍬を持って。

後に残された俺の使命はこいつらを守ること。出来るかどうかじゃなく、やるしかない。

幸い喧嘩は慣れてる。そこにいる利理のおかげでな。とりあえず商店街にでも行くか。

「利理。響を俺に。」

利理の腕から響を受け取って抱きかかえてやる。もう涙は止まっているようだがまだ怖いらしい。

微かに震えている響の頭を優しくなでて落ち着かせる。

撫でること数分。震えは止まり、今は静かに寝息をたてている。すこし疲れたようだ。

「そこの商店街まで歩けるか?無理ならここで待機するのもアリだから無理はしなくていいぞ。」

気遣いながら利理にそう質問すると小さく大丈夫、と答えて俺の服の裾を掴みながら立ち上がる。

「手・・・握ってくれないかな?」

震えた声で懇願されては断るわけにもいかない。響は背丈が小さいので片腕でもなんとか抱えられる。

利理の俺より一回り小さな手を握りしめて商店街へ歩く。距離はすごく短いものだったが感覚ではとても長く感じられた。

商店街に入るとやつれたような利理と俺の腕の中で眠る響と利理と手を繋ぎながら歩く俺の姿を目撃した初老の男性が声をかけてきた。

「どうしたんじゃ爽真君。利理ちゃんはすごい疲れておるようじゃが・・・?よかったら休んでいくか?」

ありがたい申し出だ。何処に行けばいいのか分からなくなっていたので場所を提供してくれると本当に助かる。

利理も相当精神的に参っていたらしいのでぜひとも休ませたかったところだ。

「すみませんありがとうございます。こいつらちょっと疲れてるみたいで。」

「んじゃこっちに来なさい。おーい!麦茶三つ用意しとくれ!」

店の奥に向かって叫ぶと奥さんらしき人が出てきて手招きしている。来いと言うことだろう。

「あと少しだけ頑張れ利理。」

よろよろと疲れたように歩き、やっとの思いで利理が奥にたどり着く。

かと思えばたどり着いた瞬間ぐでんと奥の畳に倒れ込む。相当精神が参っていたようだな。

「よく頑張ったな。偉いぞ利理。」

「子供扱いしないでよ…ぉ・・・そー・・・ま・・・うぅ・・・」

限界だったようで堰を切ったかのように涙を溢れさせて泣く利理。隣に響を寝かせてフリーになった俺の体に抱きつきながら泣く利理は絶対に守らなければならないような気がして。

(せめてこいつが落ち着くまでこのままでいてやろう。)

煌くような栗色の髪の毛の上から優しく撫でてやる。今までの人生で一番利理を落ち着かせる方法はこれだと認識している。

それはあながち間違いではなかったようで。しばらくすると泣き声はもう聞こえなくなっていた。







所変わって家の中。

(ガスの類は無し・・・かな。まだ油断はできねえけども。最初は脱出ルートの確保が基本だな。)

靴を履いたまま床を踏む。申し訳ないとは思うが何せこの緊迫した状況で四の五の言ってられない。

周囲に気を配りながら歩く。今のところ特に怪しい所はない。近くにあった部屋を開ける。玄関の扉のように何かが飛んでくることはなさそうだ。

(だがトラップには二段構えが基本・・・っと。)

近くのごみ箱に捨てられていた雑誌を手に取って部屋の戸の裏側に隠れた状態から雑誌を部屋に放り投げる。

刹那、ザクッと雑誌を貫く何かが飛来する。ナイフ・・・だろうか。

こんなもんまともに喰らったらさすがに反応しきれねえぞ…。

背筋に悪寒が走るのを感じながらこのトラップの正体を模索する。このトラップはまず視認できないレベルの細さの糸がないと成立しないが…。

(・・・チッ。インヴィジブルスレッドかよ厄介なことしてくれんなオイ。これじゃ常に何か投げて行動しないと無理だぞこれ。)

化学繊維で作られた主にマジックなどに使用する見えないレベルの細さの糸のことをインヴィジブルスレッドと言うのだが…。

恐らくそれを用いてこの不可視の罠を構築しているのだろう。

ブービートラップはマジで厄介だから本当にきつい。指一本触れただけでナイフや爆弾が爆発するから回避が非常に難しい。

(狙いが的確すぎる。こんな細い糸でよくもまぁこんなトラップを・・・。だがこのクオリティで多くの罠を設置するのは1時間じゃ無理だ。)

それが分かっただけでも良しとするかな。とりあえず脱出ルート・・・を確保。

その部屋のドアを開けることでいざという時にこちらからも逃げられるようにしておく。帰るときに待ち伏せするのは良くある話だ。

一応探偵志望なのでこの辺の勉強はしている。もちろん罠に対する対応や護身術程度ではあるが。

「聖くん!居るか!?」

おじさんか…。まぁ入ってくるとは思ってたが。

「気を付けてください。何処にトラップがあるかわかりませんから。」

脱出ルートを確保した以上何かないか捜索すべきだが・・・。怪しい所は特に見つからない。

他の部屋も探してみる。

次の部屋。何もなし。トラップもない。

その次の部屋。またなにもなし。

その次の部屋。またまたなにもなし。

だがそんなことで気を抜くようでは探偵失格である。何もトラップはドアだけではないと思う。廊下にだって危険性はあるのだ。

暗いがよく足元を見てみると画鋲が転がっている。針の先は何か液体のようなものが付着しているのが見て取れる。

恐らく毒だろう。完璧に殺しにかかっているとみて間違いない。タオルに包んで回収しておく。



―――すべての部屋、廊下の隅々まで見て回ったが他に怪しい所は見受けられなかった。

同じところを何度も捜索したり、おじさんと一緒に見て回ったが特になし。

もうこれは罠はすべてないとみていいだろう。

では犯人の推察に移るべきかな。ブービートラップはあらかじめ内部の状況を把握していなければ難しい。

とすればこの里の中に犯人がいる・・・もしくは最近ここを利用した人間の可能性が高いな。

まぁなんにせよ俺だけで考えても仕方ない。これはおじさんたちと話し合った方がいいな。

家の外でそんなことを考えていると夕闇に里は少しずつ飲み込まれていく。そろそろ7時くらいだろうか。

大方商店街のほうにでも行ったのだろう。里はあまり街灯がないため暗くなるとほんとに暗い。

夜道は慣れていても若干残る不気味さまでは拭えない。商店街に行くと八百屋のおじいさんが俺を見つけて話しかけてくる。

何かあったのだろうか?

「おー聖くん。爽真くんが待っとるから迎えに来てはくれんかね?」

「あ、はい。ありがとうございます。」

何故俺が迎えに行く必要があるんだ。まぁあいつは…うん。記憶を消されてる(・・・・・・・・)から仕方ねえか。

西城さんも相当参ってたみたいだし今回くらいは仕方ないと思っておこう。

「わりぃな来てもらって。利理も寝ちまったみたいだから大変でさ。響ちゃん連れて帰ってくんね?

俺一人じゃさすがに無理なんだわ。」

「流石に一人じゃそれは無理だわな。起こすってわけにもいかねえし。やっぱ西城さんを自分が運ぶって言うあたり西城さんとはうまくいってんの?」

「はぁ?何言ってんだお前。まぁ俺のことを茶化す余裕があるなら特に何もなかったのか?」

「いんや。死にかけた。あそこに雑誌がなかったら俺は余裕で死んでた。まぁ危険な場所は慣れてるんでな。」

あえて軽々と口にすると爽真は顔を共学で強張らせる。だが俺はあながち間違ったことを言っているわけでもない。

あのナイフの鋭さは異常だった。いくら痛みになれてるとは言え臓器にダメージが入ればさすがにきつい。病院送りは免れなかっただろう。

「なんでそう軽々と言えるんだお前は。まぁ無事でよかったわ。」

二人を抱えて歩くこと2分。到着した建物の中はおじさんが電気を付けてくれたおかげですでに明るかった。

靴を脱いで食卓へ行くと神妙な面持で考え事をしているおじさんが目に入った。

「適当に座ってくれ。」

言われるがままに食卓に設置された椅子へと腰掛ける。響ちゃんは起きてくれて椅子に座ってくれたが、西城さんは起こすのに気が引けるくらい安らかに眠っていたし、

もう椅子が足りないので爽真の上に座らせてもらった。若干羨ましいなんてことはない。多分。

「二人にはもう向こうに帰ってもらおうかと思っている。一度ならず二度までも危険にさらされたんだ。街に帰ったほうが安全と言えば安全だ。」

確かに爽真たちがここに来てからもう二度も危険にさらされているのだ。あまりここに長居しているとほんとに取り返しのつかないことになりそうだ。

自然現象で事件が起こったのならまだしも人為的なものとするならば何者かにつけ狙われている可能性が高い。

ここに来るまでそのような事がなかったのだからここに来たのがそもそもの原因だろう。

ならば元の場所に帰ることで解決できるかもしれない。

「そうですね…あそこなら人目も多いですし何かあっても対応できます。んじゃ明日の朝に帰ることにします。」

「あぁ。俺もそれに賛成だ…が。一つだけ提案がある。」

「なんだ?あまり無茶な頼みはやめてくれると助かるのだが。」

「大丈夫。簡単な話ですよ。俺も爽真たちについていく。と言うだけですから。あと響ちゃんも一緒に連れていくことをお勧めします。」

俺の提案に訝しげな表情をするおじさんだが何故だ、と言って俺の話を聞く体制に戻る。

「西城さんを襲ったのは一人でしたので爽真一人でもなんとかなりましたがこのまま襲われない、もしくは襲われた場合相手が一人であるとは限りません。

その場合俺がいた方が対応は出来るのでついていった方がよいかなと。

響ちゃんを連れていく理由としてはこの事件の標的に彼女がなっていると考えたからです。

罠は入り口の一つで恐らく西城さんか響ちゃんを殺害するためのもの。もう一つのナイフのブービートラップは残りの二人のどちらかを殺すもの。

最後の廊下の画鋲に塗られた毒は最後の一人を殺すためのもの。こう考えれば辻褄が合います。

つまり罠は三人分。俺が来ることを考慮していないのならばこれが最低限の罠だと言えます。」

「ふむ。なるほど。確かにその通りだ。どうせみんな危険なら一つのところに集めようということだな。

よし。それなら明日の朝全員で移動しよう。女性陣はここで仮眠。男性陣は交代で二人ずつ起きて見張りだ。」

俺の説明に納得したおじさんがそう言うと若干気が抜けてあくびが漏れる。昨日は夜遅くまで作業していたから非常に眠たい。

「聖眠そうだな。お前が先に仮眠をとるか?俺は今日めっちゃ寝たから全然眠くないんだよな。」

「爽真がそういうならお言葉に甘えて。だがもし異常とかあったら気にせず起こせよ。お前らの非常事態に寝てたなんて言ったら師匠に殺される。」

「時間はそうだなぁ。二時間交代で行こう。二時間したら片方と寝てるやつが変わる。もう二時間したらもう片方のヤツと寝てるやつが変わる。」

ふむ。二時間後に起きればいいのか。それじゃさっさと寝るか。速やかに意識を手放す。今は一分一秒が惜しいのだから。


若干はしょったところもあるのでそこは申し訳ない。

ご感想、ご指摘。ありましたらご気軽にお願いいたします。

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