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プロローグ
今年もまた桜が咲く季節がやって来た。
何の変哲もない、日本のどこにでもある、”田舎”という２文字で説明できてしまう町、大熊市。
そして、何の変哲もない、”平凡”というこれまた２文字で説明できてしまう高校、県立大熊高等学校。
今年も100名近い生徒が、様々な思いを抱いて入学してくる。
県外の国立大学を推薦で目指すと誓う者、どの部活に入ろうか思い悩む者、新たな環境に慣れることはできるか不安げな者、高校では恋人ができますようにと淡い思いを抱く者…
十人十色の思いが校門を通り過ぎて行く…
だが、彼らは夢にも思わなかったであろう。
２人の生徒によって、”平凡”になるはずの高校生活が、”混沌”とした高校生活にされてしまうとは…
