ライバル
いよいよ、全日本少年サッカー大会の地区予選が始まった。予選は、まず小野との試合から始まった、前半は0対0で折り返す、後半の初めに、サイドバックの城川がボールを持ち上がって行き、そのままサイドからシュートを打ち、ゴールを決めた。試合はそのまま動かず何とか勝ち、川井北は次に繋げた。次の試合は、帝国サッカークラブB、新人戦で負けたチームのBチームだ。試合は、川井北が先制点を奪い楽に進め、3対0での勝利を収めた。そして代表決定戦。相手はFCキッカーズ5、最大のライバルと予選で当たるとは、誰もが思っていなかった。メンバーは、GK山田 、3バック左から城川、林、山下、MF左から亀井、足立、川井FWは、中島 海斗。このメンバーで全日、本大会出場にかけた。試合は、なかなか動かなかった。しかし後半の初めに、亀井がフリーキックを直接決めて1対0、川井北としては、この1点を最後まで守り抜くこともできたがその行為は正々堂々の勝負ではなくなると全員が思った。全員で次の1点を取りに行った。しかしその亀井のゴールの8分後中盤の崩しから失点をしてしまった、残り時間は3分程度、この3分で気持ちの強い方が勝つと思ったキャプテンの足立が、「気持ちで負けんな!」とチームに声をかけた。その声がみんなに届いたのか、みんなの動きが、早くなった。そして最後のチャンスが訪れた、川井のスルーパスに亀井が抜け出し、キーパーと1対1になった。亀井が蹴ったボールはキーパーの脇をすり抜けゴールに向かった。しかし少しそれてポストに当たった。そこにすぐ川井とキーパーが走り込む、川井が脚を伸ばしてボールに当てるがキーパーの方が一歩速かった、そしてキーパーが急いでボールを蹴ったところで試合終了。勝負はPK戦に委ねられた。キーパーは、もちろん亀井、上のユニフォームを脱いで、10番の番号が入ったキーパーユニフォームを着た。そしてピッチに戻って行った、先行は川井北1番は亀井、ゆっくり助走をとって蹴ったボールはゴール右上を越えて行った失敗だ、しかししたを向いている暇はない、自分が失敗した事を取り返すには止めるしかない、相手を睨みつけ、落ち着いてコースを読んだ。相手が蹴ったボールは真正面に飛んできた、右に飛ぼうとしていたが脚を残してボールを弾いた。自分のミスを自分で取り返した、2番の足立は成功し、続く相手の2番目も読んでいて、しっかり抑えた。その後の2人に決められるが、山下と林もしっかり決めてチームは、本大会への出場のキップを手に入れた。最大のライバルを倒しその気持ちを持って、本大会へ出場する事が出来ることを幸せに思った。