表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編連作 ほら~www  作者: あさき夢みがち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/28

非常口

みなさん、明日は休みですか?なんとなく、ストックからもう1話あげちゃいます


ちなみに鳥目の作者はこの場所が嫌いです。

(最悪だ。なんでジャンケンで負けた俺が、先頭なんだよ)


古びた遊園地の片隅。


「呪われた屋敷」と銘打たれた、見るからに安っぽいお化け屋敷。



友人たちに無理やり背中を押され、俺は軋む扉を押し開けた。



中はカビ臭く、スピーカーから流れるわざとらしい「ヒュ~ドロドロ」という音が響いている。




「うわっ!」 最初の角を曲がった途端、真横から白装束のマネキンが飛び出してきた。


わかってる。


わかってるよ、こういうのは。



後ろで友人たちがキャーキャー騒いでいる。




「暗くてなんも見えねえ」 俺は愚痴りながら、壁に手をついて進んだ。


順路を示す矢印も、ぼんやりとしたフットライトもない。



ただ、通路の奥に、ぼんやりと赤い光が灯っているだけだ。


(非常口の誘導灯か……安っぽいな)



その赤い光だけを頼りに、俺は進む。


壁に触れている指先の感覚がおかしい。


ベニヤ板のようなツルツルした感触じゃない。


なんだか、ザラザラしていて、妙に湿っぽい。



「おい、なんかこの壁、変じゃな…」 俺が振り返ろうとした、その時だった。



ドン!!!



真後ろで、重い鉄の扉が閉まるような、けたたましい音が響いた。



友人たちの悲鳴が、壁の向こう側で、一瞬だけくぐもって聞こえた。



「おい! 待てよ! 開けろよ!」



俺は壁(だと思っていた場所)を叩くが、硬い感触しかない。




(はぐれた? いや、仕掛けか? このお化け屋敷、グループを分断するタイプかよ)




仕方がなく、俺は再び一人で、あの赤い光に向かって歩き出した。


スピーカーからのBGMが、いつの間にか止まっている。


聞こえるのは、自分の荒い息遣いと、足音だけ。




「コツ……コツ……」




いや、違う。



俺は立ち止まった。




「コツ……コツ……コツ……」




足音が、止まらない。




俺が止まっているのに、誰かの足音が、俺の後ろ、数メートル先から、ゆっくりと、俺と同じペースでついてきている。





俺は恐怖で走り出した。




後ろの足音も、


「タッタッタッ!」



とペースを上げる!





(作り物だ、役者だ、役者が脅かしに来てるんだ!)




そう自分に言い聞かせるが、本能が警鐘を鳴らしている。



あの足音は、スニーカーや革靴の音じゃない。



「コツコツ」



という、まるで硬い木材か何かを、床に打ち付けているような、乾いた音だ。




赤い光が近づいてきた。



やはり、非常口の誘導灯だ。



その下には、外に続くと思われる扉がある。


(助かった!)



俺は最後の力を振り絞り、その扉のノブに手をかけた。



冷たい。


金属の冷たさじゃない。



まるで、氷を握っているかのような、異常な低温だ。


そして、ノブは回らない。


鍵がかかっている。





「クソッ! クソッ!」




俺が扉をガチャガチャと揺さぶっていると、 後ろで、ピタッ、と足音が止んだ。



静寂。



俺は、息を殺して、ゆっくりと振り返った。





そこには、誰もいなかった。




俺が走ってきた、暗い通路が続いているだけだ。



(……気の、せいか?)



安堵した瞬間、俺は気づいてしまった。



「匂い」がする。



さっきまでのカビ臭さじゃない。


線香の匂いだ。



それも、今まさに、すぐ近くで焚かれているような、濃密な香り。




俺は、



恐る恐る、



真上を見上げた。




そこには、非常口の誘導灯はなかった。



天井からぶら下がっていたのは、


一つの、


大きな、


古い提灯だった。



そして、その提灯の、ぼんやりとした赤い光に照らし出されて、



「それ」は、天井に張り付いていた。



白装束。


ボサボサの長い髪。


そして、両足が、膝から先が、ない。


その代わりに、両足には、血に濡れた、



先端の尖った木の杭が突き刺さっていた。



「それ」は、俺が気づくのを待っていたかのように、


天井から、


ゆっくりと、


俺の顔の真上に、


あの「コツコツ」と音を立てていた、木の杭を、



下ろしてきた。

お化け屋敷で寒いや視線感じたことあります?


あれって本当にいるんです


そして、相性が合うと、そのまま、ついてきます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ