表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編連作 ほら~www  作者: あさき夢みがち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/28

室温

その寒気は、昨日の夜から始まった。


俺の部屋は鉄筋コンクリートのマンションの7階。気密性は高いはずだ。


11月に入り、肌寒くなってきたとはいえ、暖房エアコンの設定は24度。


デジタル表示も確かに「24℃」を示している。



なのに、寒い。



最初は「風邪でもひいたかな」と思った。


だが、体温計を何度突き刺しても、表示されるのは「36.5℃」。平熱だ。おかしい。


俺はセーターを一枚羽織り、さらに厚手の靴下を履いた。


今夜、寒さはさらに酷くなっている。


エアコンの設定を「28℃」まで上げた。


ゴーッと温風が吹き出す音が、やけに虚しく響く。


だが、肌を撫でる空気は、まるで冷蔵庫の中にいるかのように冷え切っている。



(寒いのは、気温のせいなのか?それとも、悪寒のせいなのか?)



俺は窓に近づき、カーテンを開けた。


窓ガラスは結露一つしていない。


外の気温計は10度。


室内がこんなに凍えるはずがない。


窓枠に手を当てても、隙間風は感じられなかった。




その時、俺は気づいた。


この寒さは、一定ではない。



まるで「波」のように、「ゾクッ」という強烈な冷気が、周期的に俺を襲うのだ。




(悪寒だ。間違いなく、風邪のひき始めだ)俺はそう結論付けようとした。




だが、次の「波」が来た瞬間、俺は別の音を聞いた。



「……カチ…カチカチ…」



それは、エアコンの作動音ではない。


部屋の隅、明かりが届かない、クローゼットの扉のあたりから聞こえる。


まるで、寒さで歯が合わずに、カチカチと震えているような、乾いた音。


(ネズミか?いや、マンションの7階だぞ)




俺は息を殺した。




暖房の音が止まる。静寂。



そして、また「波」が来た。



ゾクッ!部屋の空気が、さらに2、3度下がったように感じる。




「カチカチカチカチカチカチ…」




音が、さっきより大きく、そして速くなっている!


それは、クローゼットの中からではない。


クローゼットのすぐ手前、俺のベッドの足元あたりから聞こえている!



(何かが、いる)




俺はベッドの上で動けなくなった。見えない。


そこは部屋の暗がりだ。だが、確かに「何か」がそこにいて、尋常じゃない寒さに震えている。



(違う!)



思考が、恐怖で反転する。


そいつが「寒い」んじゃない。


そいつが、この部屋の「熱」を、根こそぎ奪っているんだ!


俺は震える手で、エアコンのリモコンを掴んだ。


「暖房」ボタンを、何度も、何度も押す。設定温度が「30℃」を超え、エラー表示になった。




だが、寒い。




寒い。


寒い。寒い。


寒い。寒い。寒い。




気温のせいじゃない。


これは、悪寒だ。



俺の体調不良からくる悪寒じゃない。



あの「見えない何か」が、俺という「熱源」を見つけ、その存在だけで俺に悪寒おかんを植え付けているんだ!




俺は、自分の吐く息が、白く濁っているのを見た。



室温28度の、密閉された部屋の中で。


そして、「カチカチカチカチカチカチカチカチ」という歯の震える音が、


今、俺が座っているベッドの、真下から、聞こえている。

最近、夜に近所をウォーキング(徘徊)をしていますが、


街灯が無い、真っ暗なところを歩いてると


たまーに寒くなるんですよね。


そして、自分の後ろが気になってしょうがない。


そんな時は、徘徊コースを変えると暖かくなる。なんなんでしょうね。あれ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ