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短編連作 ほら~www  作者: あさき夢みがち


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10/28

明晰夢

俺には特技がある。 それは「明晰夢」――夢の中で「あ、これは夢だ」と自覚できることだ。


夢だとわかればこっちのもの。


空を飛ぶのも、ハリウッドスターとデートするのも自由自在。


現実で嫌なことがあっても、夜、この「自分だけの世界」に逃げ込めばリセットできた。


俺にとって、夢は最高の遊び場だった。


あの日までは。




いつものように、夢の中で「これは夢だ」と気づいた俺は、高層ビルの屋上から飛び降り、空中遊泳を楽しんでいた。


その時、地上に見慣れない「点」があることに気づいた。


(なんだろう? 俺はこんなもの、創った覚えはないぞ)


好奇心に引かれ、地上に降り立つと、その「点」は、路地の暗がりにうずくまる、小さな子供のような影だった。


ボロ布をまとい、顔は見えない。


俺はいつものように、夢の創造主として命じた。



(気に入らないな。お前は、消えろ)



だが、影は消えなかった。



それどころか、ゆっくりと顔を上げ、「キキ…」と、乾いた笑い声のような音を立てた。


ゾッとした俺は、その場で「目覚めろ!」と強く念じ、現実世界に強制帰還した。



(なんだ、今のは……)



明晰夢の中で、俺の「命令」が効かなかったのは初めてだった。



その夜から、俺の「遊び場」は変質した。


夢だと自覚するたび、必ずあの「影」がいるのだ。


そして、「影」は夢を見るたびに、少しずつ大きくなっていった。



最初は子供のようだったのが、今や俺と同じくらいの背丈になっている。



さらに厄介なことに、「影」が夢の中にいると、俺の「力」が弱まるのだ。


空を飛ぼうとしても、体が重く、すぐに地面に落ちてしまう。


景色を変えようとしても、ノイズが走ってうまくいかない。


俺の世界は、確実に「影」に侵食されていた。




そして、昨夜。


ついに夢の中で、「影」が俺の目の前に立ちふさがった。


ボロ布がはだけ、その顔が露わになる。




それは、俺と全く同じ顔をしていた。



ただし、その表情は、憎悪と嘲笑に歪みきっていた。




「影」は、初めてはっきりとした声で言った。 俺自身の声で。




「オマエガ イツマデモ イルカラ、カエレナイ」




「影」が俺に向かって、両手を広げて飛びかかってきた。




俺は必死で抵抗し、「起きろ! 起きろ! 目覚めろ!」と叫び続けた。







(はっ、はっ、はっ……!)



心臓が張り裂けそうなほどの動悸で、目が覚めた。 見慣れた自分の部屋の天井。朝日はまだ昇っていない。


(……夢か。最悪だ、ついに乗っ取られかけた)


俺は安堵の息をつき、ベッドから起き上がろうとした。



だが、体が動かない。




(金縛りか!? いや、違う!)



金縛りの時のような、圧迫感や恐怖はない。


ただ、純粋に、俺の意志が、俺の体に届かない。 指一本、まぶた一枚、ピクリとも動かせない。




(どうした、動け、動けよ!)


俺が脳内で絶叫していると、 俺の体は、俺の意志とは無関係に、ゆっくりとベッドから起き上がった。



ギギ、と首が回り、部屋の隅にある姿見(鏡)の前に、俺の体が立つ。



俺の体は、鏡に映る「自分」を、じっと見つめている。



そして、



鏡の中の「俺」が、ニタァ……と、


あの夢の中の「影」と全く同じ、歪んだ嘲笑を浮かべた。




俺の口が、勝手に動く。


俺の喉が、勝手に、あの乾いた「キキ…」という笑い声を発した。




鏡の中の「俺」が、口を開いた。



声だけが、俺の脳内に直接響いてくる。



『やっと、かえれた』



俺は、動かない自分の体の中で、絶叫した。


ここは現実だ。


俺は確かに、自分の部屋にいる。




だが、この体を動かしているのは、「俺」ではない。


そして俺は、もう二度と、この体から「目覚める」ことができないのだと悟った。

夢だと気づくと、なぜか飛ぶ速度は歩くより、遅くなり

走っても、空気抵抗がすごく、全く前に進まない夢は、よく見ていました。


あとは、夢と分かっても怖かったのが、宇宙から落ちて、地面に顔から着地する寸前に目が覚めるとか

何度見ても、あれは怖かった


雑談はさておき

ここまで10本のお話をお送りして参りましたが、いかがでしたでしょうか。


体験をもとに膨らませて書いてきましたが、

正直、「怖い」と感じていただけたのか、

それとも「ツマラナイ」話になっていないか…… 評価がとても気になるところです。


もしよろしければ、感想コメントや評価(★)を下さると、作者は大変喜びます。


皆様からの応援が執筆の励みになりますので、 どうぞよろしくお願いします!

それでは、良い夢を!

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