とぺ版
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《~a》
1人の少年がいた。少年は宇宙が大好きだった。宇宙は少年にとって憧れだった。
小さい頃に見た皆既日食が頭に焼き付いて離れなかった。
《a》
少年の想像は豊かだった。研究者たちが解明した事実を超え、その先を自由につくり、『宇宙ノート』というものを書いていた。少年にとって『宇宙ノート』を書くことは大きな冒険だった。
《b》
少年は新たな星さえもつくりだした。『宇宙ノート』を書いていると、少年はわくわくして、楽しかった。
そして、時は経ち...(17~18)
《c》
少年は宇宙飛行士になった。彼を乗せたロケットが先程発射したばかりだ。
彼は少しずつ、あの頃の夢に近づいている。胸が高鳴った。
《d》
あの頃の夢の記憶をたどりながら、長い時を待つ。
宇宙に到着する、その時まで――。
《e》
彼は宇宙を目の前にして息を呑んだ。
驚きと、喜びと、嬉しさが、込み上げてきた。
《f》
あの頃と同じところ、違うところ、想定外のもの。
その全てが彼の心を踊らせた。
《g》
無線の連絡が入り、彼を気持ちから引きはがそうとした。
だが、心の高揚感は収まらなかった。深呼吸をして、自身の責務を思い出した彼は、一度落ち着くことにした。
《h》
宇宙衛星との合体と気圧の調整を終え、扉を超えると、たくさんの人達が迎えてくれた。
彼の宇宙での生活―いや、冒険は、まだはじまったばかりだ――。