表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

主人公が消えた

作者: 出雲 寛人

「おい、聞いたか?あいつ逃げたらしいぞ。」


「聞いた聞いた!どうするつもりなんだろうね?」


「あいつがいなかったら成り立たないよな、この世界。」


3日前、突然主人公が姿を消した。


モブキャラ達は焦った。


この世界は未完のまま世に出ず終わるのか?


それとも、モブの誰かが主人公になれるのか?


この事実を受け入れて、日々暮らしていくしか無いのか?


そんな焦りなんてつゆ知らず、主人公は戻ってこなかった。


焦っているモブキャラがいる一方で、安堵しているモブキャラもいた。


それは、主人公によってボコボコにされる運命のモブキャラである。


「ひょえー、安心したぜ。」


「このまま戻って来ないことを願っているよ。」


「脚本見たけど、あんなもん絶対痛いもんな。」


物語の中では、幸せになる者もいれば、不幸になるものもいる。


そうやって強弱がないと、見ているお客様達が退屈してしまうからだ。


主人公が消えてからちょうど一年後のことだった。


夜明けと共に、世界は白紙に戻った。


そして新たな物語がスタートした。


もう、モブキャラなんていなかった。


それぞれのキャラクターが主人公としてイキイキと生きていた。


-あとがき-


いやー、それにしても大変でした。


まず物語の世界から現実世界に行くのがほんとに大変でした。


多分、急に僕がいなくなってあっちの世界はこんがらがってたんじゃないかな?


そこからは、作家になって、僕がいた物語のデータを全て消して、一から作り直しましたよ。


ひとりひとりを主人公にするのって、手間でしかなかったですが、なんとか成功しました。


モブキャラって言ってもひとりひとり人生があるじゃないですか。


モブキャラ無しの物語、それが僕にとっての夢の世界なんです。


さて、次は物語にどう戻るかが問題です。


そこはまあ、なんとかなると思っています。


僕、主人公なので。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ