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ソフトテニス  作者: 山西タツキ
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新たな目標

頭の中の整理を終えた。

俺は幼稚な夢は捨て、別の分野で生きていくんだ。

高校卒業後、すぐに働き初めて、去年の11月に辞めた。

ボーナスを貰う為、1月に辞めると申告したのだが、圧力で11月に変更された。

訴えを起こす気には成れない。

俺は論理的な思考がどうも苦手で、言い合いになったら言いくるめられてしまう。

貰えるはずだったお金を悔やみながら、残った資金から生活を考える。

たった50万の貯金。

物価の安い徳島県だから、毎月6万ぐらい稼いでおけば、貯金を減らさずに住む。

夏からの住民税が掛かってきたらもう少し必要か。

その分、娯楽に割く出費は一切できない。

そして、これから俺はアーティストの道に歩もうと思う。

過去、テニス以外に興味を持ったことと言えば、アニメやイラストぐらいだ。

当然アニメーションの知識もなく、絵も模写が少し得意なぐらいだ。

俺が今からできることは何だと考えた結果、小説とデザインに絞られた。

いきなり動きのある絵を描くなんて出来ないが、物語なら考えられる。

デザインだって、見様見真似で上達していけば、出来るように成る気がする。

勿論、始めから稼げるとは考えていない。

だから、夕方頃から配達代行サービスでもやって、ノルマの収入を得よう。

それが、仕事を辞める前に考えた大まかなプランだ。

かわりの目標なら、こうしてあるじゃないか。

メジャーに入れないスポーツ、しかも最近プロが出来たような競技で夢を掴む?

そんな馬鹿な事を考えていたとは、今考えれば全く合理的ではない。

高校までそんな事続けるんじゃなかった。

結局、勉強がしないための言い訳でしか無かったんだ。

食べ終えた味噌汁をシンクへ置き、水を貯める。

溢れる水を眺めながら、自分の胸が痛く成るのを感じる。

それは無駄にした時間への後悔か、それとも。

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