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ソフトテニス  作者: 山西タツキ
3/55

試合開始

ラケットを手に持って、試合のイメージを続ける。

日差しは強く良い天気だが、5月の風はまだ冷たい。

体を冷やさないようにウインドブレーカーの上からダウンジャケットを羽織る。

体が蒸されて今にも汗をかきそうな俺に対して、サークルメンバーは「熱くないの?」と、理由がわからないというふうに聞いてくる。

軽く流して答えると、彼らとできる限り距離を取った。

とにかく集中だ、集中。

これだけ万全の準備をした自分が、どれだけ変わるのかを確かめてみたい。

現役の時よりも、上手くやれている気がするんだ。

それは、ブランク明けの時にも感じた。

多分、少し大人になったからだと思う。

例えば、今から中学英語を読み返したらどうだろう。

同じように、飲み込みが早くなっているのではないだろうか?

そんな事を考えていると、さっきまでプレイしていた目前の選手がネット際に集まっていた。

俺の前の試合が終わったようだ。

ペアの相手と合流して、ちょっとした雑談をしながらコートへ入る。

この大会はA・B・Cのリーグに別れており、このサークルはAへ出願をしている。

Aリーグはそれなりに強者が揃っている。

例えば今の対戦相手。

県内で中学で腕を鳴らした選手は、そのほとんどが高校で2つの学校へ招集される。

そのうちの片方、科学技術高校。

通称、科技高。

俺より1つ上の世代で、県ベスト8に入っているのを見たことがある選手の片割れ。

もう一人は分からない。

高校までの大会で見たことの無い染め色の茶髪、大学生だろうか?

まずはコイツラに勝てなければ、話にならない。

一つ気になるのは、俺のペアが奴らを、強そうだの、迫力が凄いだの、持ち上げるようなことばかり言う。

気にせずにやろう。

俺は勝てる相手だと思っている。

挨拶を交わしトスを回す。

こちらがサーブ権を獲得した。

1分の乱打が始まる。

落下地点を見極めて構えを取る。

力任せに打ってくる相手に対して、俺は相手コートの同じ位置に返球する。

コントロールを確かめる練習だ。

2度の相手のネットで時間を使い、レディーの声が上がる。

さあ、試合が始まるぞ。

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