22-10 Side・探偵シャドー・ビールズの協力者となった、ルデオ!
「ふー。コーヒー美味いなァ」
夜が明けたダーカー・シティの喫茶店で飲むコーヒー。
最近、これにハマっている僕は、その心地よい苦さと、ミルクと砂糖の甘さをビンビンに感じながら!
先ほど買った新聞に目を通した。
(何々とある金持ちが、刑務所を買収。刑務所デスマッチのためか? ホント物騒な街だなァ)
買った新聞は、確かに経済紙のはずだったが、中身はタブロイドというか、憶測とデマばかり。
日付しかあってない……いや、良く見ると月が違うわ。
うわ、何もあってないぞ。この新聞! っと驚愕し。
これ、新聞代500ゴールド。なんとかして取り戻せないかな?
っと、真剣に考えていたら!
「ここにいたのか! ルデオ君! もぐもぐ! こっちだ! ぐずぐずするな! もぐ!!」
「奴らはすでに、もふ! 動きだしたんだ!!! もぐ!!!」
颯爽と現れた、名探偵!
僕の協力者である、シャドー・ビールズが! パンをめっちゃ齧りつつ、走りだした。
ぶっちゃけ、かなり面白かったが、笑わなかった自分をほめてやりたいWWW!!!
とはいえ、これは事件の予感だ! すぐにシャドーを追っていこう!!
そういう訳で!
「警部!」
「そこだ! そこら辺を探せって、ん? おお! ビールズさん! お早いですな」
「ええ、事件と聞いてね。見ても?」
「どうぞどうぞ。おや、彼は?」
「私の助手ですよ」
「ルデオです」
「ああ、どうも! レスター警部です」
僕たちは、ダーカー・シティの郊外にある公園に行き!
そこで、既に現場を捜査しているレスター警部さんと。
眉間に風穴があいた、お爺さんの死体を見たのであった!!!
「ふむ。至近距離で眉間を一発。確実に殺してる。プロの手口だ。無駄がない。彼の名前は?」
「ありませんな。ご丁寧に、指紋まで焼いている。照合できません」
「え、指紋を!?」
「でしょうな。私の推理通りだ」
え、推理通り?
名前は分からない。指紋も焼いてる奴が?
「おそらく、こいつは私の追っている大犯罪者! リバティ教授の手下でしょう」
「!? なんと!?」
「その彼が殺された。いいこととは思えない。あの完全犯罪者であり、ダーカー・シティ警察や政治にもつながっている。街の裏の支配者・リバティ教授の手から、物事が離れた。このような気がしてならないんだ」
へー。そんな敵キャラがいるのか。
そして、機能の事を考えると、犯人は2丁マシンガンで間違いないだろう。
なら、問題はどこまでやるか、だ。
いたずらなのか、戦争なのか。
それだけで、被害が変わってくるからな。見極めなくては……。
って、え!?
「……あー、ビールズさん。その予感はいい線いってますよ」
「でも、事態はもっと悪いです」
というか、深刻です。
そう思い、ごくりと喉を鳴らした。
極度の緊張で、喉が渇く。
これを見つけてしまったら。おそらく、全ユーザーがそうなるだろう。
そう!
「なぜそう思う? ルデオ君」
「今、一匹の獣が世に放たれた。通常の人間の思考を逸脱し、強者たちでも滅ぼす事が難しい。最悪の獣が!!」
「!!! これは……!!!」
「銃痕による、絵……???」
死体から歩いて少し下場所にある銃痕で描かれた、絵!
二本のマシンガンが交差し! 紅の血液が塗りたくられた! ユーザーなら一度は見たことある! 最悪のマーク!!
大海賊! ファッキン・マシンガンズのマークにして、集合の合図!
そこから転じて。
「全部揃えて、戦争をする気か!! 2丁マシンガン!!」
ファッキン・マシンガンズに、妖怪集団を呼び寄せ! 全力で暴れる!!!
2丁マシンガンの、宣戦布告マークなのだから!!!
「……ゴクリ!!!」
鳴ったのは、誰かの喉だった。