表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/311

3-5 ぶっ飛ばされた不知火当麻! 最終決戦は加速する!!


「おい、起きろ当麻!」


「!? っは!」


 呼び戻されて、エクターから意識が戻った不知火当麻。


 彼は、周りを見渡して、『自分を囲んでいる、巨大な半透明の手と、見覚えのある仲間』。


 そして、『絶対に見つかってはいけない人』を見て。


「!」


 現状を把握し、背筋を伸ばした。


「ごめん、彩音。俺が沈黙してから、何秒たった?」


「約5秒。多分、エクターがやられたんだろうね」


「ああ、やられてる。クールタイム90秒って、やっぱり多いなァ。すまん」


 狩人の服に、ミニスカート装備の彩音との会話をしつつ。


 当麻は、己のエクター『紳士なのぞき魔(ジェントル・マーモン)』を見て、クールタイム90秒というのを見た。


 そう。さっきまでの、茜達を見ていたのは、彼のエクトプラズム。 通称・エクターの能力! 『紳士なのぞき魔(ジェントル・マーモン)』の能力だったのである。


 それが、先ほどの戦いの余波で消滅し、今すぐには使えない。


(戦場で、カメラ役がやられるのはヤバいよなァ。俺のミスだ。あー)


 自分のミスに、彼は頭を抱えた。


「いや、そういうこともある。HPは?」


「あ、俺完全遠隔型で、ダメージ還元ないから減ってないよ」


「そうか。じゃ、報告!」


「はい!」


 くよくよしている暇はない。まだ、ゲームは終わっていなんだから!


 そう切り替えて、彼は後ろを向き。


「ヒダールの呪いで、広範囲に毒がまかれました! 規模としては、半径100メートル! 全員猛毒です!

また、毒が盛られる前から、プレイヤーは押されてました! さらなるバフをした方が良いかと!」


 そう、仲間たちと『彼』に報告!


「なるほど。毒か。まずいな……」


 当麻の報告に、彩音が深刻そうに呟いた。


 彼女は、この周りを囲んでいる全体な手。半透明な巨人の手で、『彼らを守り、姿を隠している』。


 『見えざる手インビジブル・ジャイアン』のエクター使いである!!


(私のエクターは、直接攻撃・魔法・銃撃から守り、姿を隠せる。でも、呪いは防げない)


(ヒダールのように、呪いで毒をやられたらマジで防げないぞ。どうすれば……)


「おい、彩音。今は毒より、プレイヤー支援を考えた方がいい」


「え」


「ヒダールの呪いが俺らに来る可能性もなくはないし、悪役令嬢の同士討ちも来るかもしれん」


「でも、その前にプレイヤーがやられてる。来るかもしれん毒や呪いにおびえるより、目の前のプレイヤーを助けた方が効果的だ」


「飛田さん……」


 カルマ・スキルの存在にどう対処するか。それに没頭仕掛けた彩音を、現実に戻したのは、飛田。


 眼鏡をかけた、ローブ姿の魔術師であり。


「いや、現実問題。はやく、彼らにバフでも回復でも毒消しでも撃ってくれ! 俺の『爆撃インコ(バトル・バード)』じゃ、上位の奴らは狩れない! あいつら、マジで強すぎ――斬! ファァァッッッッ×××!!!」


 遠隔操作のエクター『爆撃インコ(バトル・バード)』を飛ばし! 遠くのPKを、狙撃や爆撃で倒している!


 3人の仲間の中で、唯一の遠隔アタッカーなのだ!


 なお、2丁マシンガンに狙撃され、顔真っ赤の模様。


「わ、分かりました。飛田さんそうですね」


「ここは、毒打消しと回復でいいと思います。それで盛り返したところに、飛田さんの『爆撃インコ(バトル・バード)』を合わせて、攻撃を仕掛けるってことで」


「そうだな。そうしよう。では……」


「お願いします。チャリン・スキーさん」


「ええ、良いですとも! では、『毒消し』! 『回復』! 範囲拡大! それ!!!」


 そして、そんな彼らに守られている! チャリン・スキーが! プレイヤーたちに、支援魔法を行う!!!


 ああ、そうだ! 実は、イベントが始まってから、チャリン・スキーは当麻、彩音、飛騨の三人とともに行動し! 


 彩音のインビジブル・ジャイアンで隠されながら!


 当麻のジェントル・マーモンで、戦況を聞き! 


 飛騨の『爆撃インコ(バトル・バード)』と協力して、支援攻撃をずっとしてきたのだ!


 これが、プレイヤー側の作戦!!!


 PKからチャリン・スキーの存在を隠し、チャリン・スキーの魔法でプレイヤーを強くして、勝つ! である!!!


 万全を期すために、数人のプレイヤーにしか知らされていない作戦だ!


 実際、この作戦は、上手くいっていた!!


 初めは、勝ったり負けたり、森が吹っ飛んだり、地面が揺れたり! 爆炎が上がったり! を繰り返していた戦況であったが!


 この戦術を使用してから、プレイヤーがPKを押し! PKがリスポーンすることが増えてきたのである!!!


 無論、上位PKの先頭の余波や、悪役令嬢の同士討ち能力によって、プレイヤーも死にまくってはいる。


 しかし、それでも下級~中級のPKが、下級~中級のプレイヤー軍団と戦った際!


 勝てる割合が、少しづつ! 高くなってきたのだ!!


 これにより!


「静かな森の南西部だ! こっち探してるけどいないぞ!!」


「北部だ! キャプテン・ビリー、おらず!!」


「東の方にも着たが、見てない!! あ、PK見つけた! やる! せいやァ!!!」


 なんとかPKを倒したプレイヤーたちが、キャプテン・ビリーを探す!


 うむ! エクターによる支援を、上位プレイヤーに集中させ! 下級~中級のプレイヤーで、開戦当初から行方をくらませた! キャプテン・ビリーを探せるのだ!!


(これで、PKを狩りつつ! キャプテン・ビリーを探せる!)


(あっちも、俺らと一緒のこと考えてたんだろうな。でも、手数はこっちの方が豊富! 俺らが有利だ!!)


 そう考えながら、当麻は報告を聞き!


 地図に、その情報を書き込んで! いない場所をつぶしていく。


 その結果。


「……あれ?」


「ん? どうした? 当麻?」


「何かわかったか?」


「ああ、彩音。飛田さん。それが地図を埋めていったらさ」


「あと探してないのって。というか、報告がない場所って」


 俺たちの、周りだけじゃね?


 と、言おうとしたその時!!! 


 ――!!! ド ッ ガ ァァァ!!!


「「「!? うわァ!!!」」」


「!!!」


 インビジブル・ジャイアンで、隠れてる! 当麻、彩音、飛田、チャリン・スキーのもとに! 


 大爆撃が、起きッッッ!!!


 周りの地面を抉って、木々を飛ばし! 濃い土煙を上げながら!!!


「探したぜぇ。チャリン・スキー。さァ」


「イッツ・ショータイム!!!」


 キャプテン・ビリーが、来たのであった!!!


「「「!!!」」」


 ビリーを見た瞬間、彼らは動いた!!!


 当麻は、電撃魔法を用いて明かりを作り! 同時に、影魔法を用いて、キャプテン・ビリーの影を拘束! 動きを止めに行く!!


 彩音は、当麻の影魔法で動きを止めたキャプテン・ビリーに、攻撃を加えるため! インビジブル・ジャイアンで、全力の巨人パンチを繰り出し!!


 飛田は、まだ使えない爆撃インコ(バトル・バード)の代わりに! ロケランをぶっ放した!!!


 っが!


「邪魔だ」


「「「!?!? うわあああ!!!」」」


 当麻の雷魔法と影魔法は、キャプテン・ビリーの『影そのものが、大砲となり』! ドカン!! っと撃たれて、ぶっ飛ばされ! 


 その衝撃で、彩音のインビジブル・ジャイアンのパンチはノックバックされる!


 そこに、飛騨のロケランが当たり!!


 盛大に、大爆発!!!


 その爆炎と衝撃に3人は吹っ飛ばされ! 森へと消えていき!!


 チャリン・スキーだけが、この場に残ったのだ!!


 故に!!


「オラァ!!!」


「ふん!!」


 ――ガッキィィィンンン!!!


 チャリン・スキー VS キャプテン・ビリーとなるのは、当然!!!


 激戦の火ぶたが、落とされた!!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ