17-9 小田原城下にやってきた、魔法使いの英雄・茜たち!!
「よってらっしゃいみてらっしゃい! 魚介類モンスターが揃ってるぞぉ!!」
「米ぇ! 米ぇ! 量り売りできるぞぉ! 米ぇぇえ!!!」
「馬屋は、是非当店に! 関東一の名馬をごらんあれ!!」
「刀、弓、槍、斧、槌! なんでもあるぞぉ!!」
「宿屋ならうちに泊まりな!! 安全だよぉ!!」
おお、凄い賑わい!
ってか、街がでっけーーー!!!
「さすがは城下町ねぇ。久しぶりに、都会に来た感じするわァ」
「確かに! 都会って大きさの街だね!!」
「最近は、村や小さな街ばかりだったからね。すごく大きく感じるわ! っはァァあ~~~!!!」
うん! やっぱ皆そう思うよね!
いろんな村や街を助け、味方にしながら来たけど! ここまでデカい街は初めて!
さすがは、小田原城の城下町だわ!
人多い! 物多い! 店多い! っは~~~!!!
まァ、シャンデリア大陸の街と比べたら、結構少ないけど!
それでも、和の国の中じゃ都会!
そう感じるわ! うん!
「さて、じゃあまずは商売する?」
「やろうやろう! 座に金払えばいいよね」
「そうね。そうしましょう」
すっかり慣れたが、新しい場所に行ったら、まずは座に金払いだ。
座=商売ギルドで、ここに金払って商売申請してから、商売するのが鉄則!!
ちいさな村だと、そのまま商売してもOKな場所もあるけど。
街じゃやっぱり座を通さないと問題になるんでね! しっかりと払おう!
んで。
「ぱっと見、人族、獅子人族、天狗族が多いなァ」
「そうみたいだねー。ってことは、料理は肉系がいいかな?」
「そうね。獅子人族は肉好きだし。モンスターでいいでしょ」
「後は、医療と武器売りかな?」
「医療はどうとでもなるわ。いままで見てきて、評判もいいし」
「薬もできそうだね」
「ええ。ただ、武器がねぇ。剣や盾はやっぱ売れないかしら」
「まァ、刀と弓。槍が売れ筋だしなァ」
「っま、いつもどおりで」
「「OK!!」」
街の種族の多さや、種類を見て! 売り物をチェック!!
人族、獅子人族、天狗族が多いから、料理は肉系! 医療・薬はいつも通り!
武器は、結構売れるハンマーや、刀。槍。弓をメインに。
時に売れる、銃。爆弾。
あんまり売れない剣と盾を売ることにした。
じゃ、商売スタート!!!
「診療所! 開始でーす!」
「おや、これは診療所?」
「はい! 屋台で行う、診療所です! 診察・手術・薬の調合やってますよー!」
「? 手術?」
「あ、外海の医療です!」
「ああ、外海の! へー!」
「針・灸ではないのか……」
「まァ、いいや。俺診てくれ」
「はいはい。診察! 『のどの痛み』『微熱』『鼻じゅるじゅる』! 風邪ですね! 特効薬をどうぞ!」
「あ、ありがとう。ごく! !? おお!?」
「!? ど、どうした?」
「い、痛くない! 喉が痛くない! 鼻もすっきりで、体のだるさも消えた!! この医者、すごいぞ!!」
『『『『『「「「「おおお!!!」」」」」』』』』』
「へへん! そうでしょう! これでも、外海の大陸じゃ名医で通ってるんで!」
「そうなんですか!?」
「お若いのに、凄い!」
「今のを見たら分かるわ! あんた名医だ!」
「お、俺も診てくれ!」
「わ、私も!」
「僕も!」
「横入りするんじゃないよ! 次は私だよ!」
「はいはい! 押さないで! 列に並んで! 全員見るから、金用意してねぇ~!」
「「「「「『『『『『はーい!!』』』』』」」」」」
屋台式の、診察所!
一人診れば、たちまち人気!!
めっちゃ稼げて、喜ばれる! いいね! イエーーー!!!
「ここは、飯屋? ああ、いい匂いだァ!!」
「そうですよー! モンスター肉に、野菜の料理! 焼肉定食でーす!!!」
「!!! いい匂い! めっちゃ美味そうだ! あああ~~~♡♡♡!!!」
「肉を焼いて、濃厚なたれで食う! そこに、白米掻っ込むのが美味しいんですよねぇ!!」
「「「「「『『『『『!!! ごくり!!!』』』』』」」」」」
「か、買うぞ! 俺は!! 買うぞ!!」
「俺も欲しい! くれ! 金ならある!」
「僕も!」
「私も!」
『『『『『「「「「「うおおお!!!」」」」」』』』』』
「はい、まいどォォお!!!」
「!! うっめえええ!!!」
「!? なんだこれ!? 肉が蕩ける! 濃厚なたれの旨味と合って! さ、最高! おっほおおお~~~♡♡♡!!!」
「!?俺の知ってるモンスター肉じゃない!! 美味い! 蕩ける! 脂が甘い! あああ~~~♡♡♡!!!」
「い、一体どうすれば、こうなるんだ!?」
「旨すぎる!!」
「やっべえええ!!!」
「うわあああ!!! 白米! 白米! 蝶高価な米を、掻っ込むのが止まんない!! おお!」
「うっまい肉に、野菜! それをピリ辛なタレにからめて! 白米にたれを付けて食って! あああ~~~!!!」
「美味い! 美味い! 美味ィィい!!! 」
「最高だァァあ!!! 旨すぎるぅぅう!!!」
「これで、1000文は実際安い!!!」
「お代わりィィい!!!」
『『『『『「「「「「ヒューーー!!!」」」」」』』』』』
屋台式の飯屋も、バカ売れ!
行列ができる大繁盛!!
はい、らっしゃーせー! 焼肉セットお待ち! ありあしたー! 次ィ!!
「おお! これは武器屋か!」
「はい! 屋台式の武器屋です! どうですか~?」
「よいな! 買おう!」
「弓矢をくれ!」
「槍も良い作りだ! 買った!!」
「鎧も結構良いな! 貰おう!」
「この金で、銃をくれ! 火薬も!」
「はい、ありがとうございます! こちら、剣や盾もありますが」
「「「「「それはいらない」」」」」
「ですよねー。はー」
屋台式の、武器売り! まァまァな売れ具合!
ハンマーや槍、弓は売れるし。火薬や銃も売れてるけど。
やはり、剣と盾は売れないねぇ。
まァ、儲けてるのでしゃーなし。
っという感じで!
結構稼いでいると!!
「ヒャハハハ!!!」
――バサバサバサァァァ!!!
「!? うわァ!」
なんと、目の前で! 誘拐!!!
うん! 空から、葉っぱの鳥みたいな妖怪が降ってきて! 子供を誘拐しようとしたのだ!!
ちょ、まてぇ!!
「電撃魔法・居合斬り!!」
「分身手裏剣投げ! セイバー・ビーム流! 光速・飛び蹴りィィい!!!」
「アイアンメイデン・鉄斬砲!!! っはァァあ!!!」
――斬! 斬! 斬! ドッガァァァ!!!
「!? ぎゃあああ!!!」
はい、即退治! 完了!!!
あー、びっくりした!! いきなり人さらいかよ!!
「ありがとうございます! ありがとうございます! 子供が救われました!!」
「あ、いえいえ。無事でよかったです」
そう、何が起きたか分からない様子の子供を抱きしめて、お礼を言ってくる母親をなだめ。
「また妖怪か! 最近おおいな」
「ああ、この前は武士に娘に、老人だろ? なんの目的が」
「あ、なんか知ってるんですか~? 聞かせて~」
妖怪による誘拐騒ぎの話をしている男たちに! 桃が話を振ると!
――クエスト! 妖怪の誘拐が発生しました!
クエストが、発生したね!!
そんな気はしてた!! ヒューーー!!!
「クエスト受けよう! 解決するよ!」
「「おおお!!!」」
クエストを受けて、開始だァ!!
まずは!
――妖怪のアジトを探せ! 痕跡を見つけて、逃げた妖怪の行方を追え!
妖怪を探さないとね!
「空飛んでる、葉っぱみたいな妖怪だったなァ。ってことは」
「足跡はないかもしれないけど、ここまで飛んできた魔力の残りに、匂いで分かるカモ!」
「そうね! じゃ、やってみましょう」
はい! じゃあ、魔力を調べて! あ、あっちの方角! 山の方ね!
っで、匂いも!
「スンスン! あっち! 山! ついてきて!!」
「OK! さすが人狼の桃!」
「頼りになるぅ! フーーー!!!」
人狼の桃の嗅覚で、バッチリ!!
行くぞ! うおおお!!!
「っで、山に来たけど、当たりだね。葉っぱの鳥妖怪が、いっぱいる!」
「そうね! っで、桃。アジトは?」
「スンスンスンスン!!! あっち! あの洞窟を通った先の森に、集落があるっぽい!」
集落か。なるほど。
そうなると、人質解放&突撃作戦になるね。
「突入する?」
「いや、ここは回り込もう。洞窟のある山、谷、川を越えれば、集落の後ろにぐるっと回り込める。っで、人質を確保したら」
「妖怪ぶっ飛ばしね。了解!!」
よし! じゃあぐるっと回って、裏へ行こう。
こういう場合は、モンスター変化!
私は吸血鬼! 桃は天狼(人狼に人狼の変化を合わせた、より強力な狼)!
唯はラミアに、それぞれ変化し!
山を越え、谷を越え、川を超え! 裏どり成功!!!
そこから、音を出さずに! 人質たちに近づいて!
「見つけた! テレポート!」
私は、魔法で、小田原の城下町にテレポートさせて逃がし!
「これで帰れるぞ。それ!」
桃は、アイテムで、小田原の城下町に逃がし!
「お送りしますね。転移の術!」
唯は、陰陽術で、小田原の城下町に逃がす!
これで、人質全員! 救助成功!!
さァ!
「「「ぶっとべぇぇえ!!! イエーーー!!!」」」
無双の時間だァァあ!!!
ウイーーー!!!