17-3 クロエの推理で事件解決! そしたら、侍が来た!?
「!? アクロー先生!?」
「まさか、先生が!?」
「いや、でも鼠退治に毒を勧めただけだし」
「そ、そうだな。うん」
「でも、今は杖があるじゃん」
「いや、数か月前までは普通に毒を使って負ったから、別に不思議ではない」
「現に、俺達も裁判長に指摘されるまで、毒の使用を疑問に思わなかったからな」
「確かに」
「でも、裁判長は怪しんでるぞ」
「どういうことなんだ!?」
「静粛に! 話を続けますよ」
「「「「「『『『『『はい!』』』』』」」」」」
かんかん! っと、木槌を鳴らして、黙らせます。
これやると、ピタっと騒音がやむんですよ!
癖になるよね! ええ!
「おほん。アクロー・チャーミング。あなたの経歴を調べました。シャンデリア王国から少し離れた街にある学校を卒業し。医者となり、活動。そうして……」
「その患者のうち、5名以上が死んでいますね?」
「!!!」
「「「「「『『『『『!??!』』』』」」」」」
うわ、物凄くざわついた!
静粛に! 静粛に! カンカン!!
「裁判長、反論の許可を求めます」
おっと、傍聴席のアクローから、反論申請がでましたね。
いいでしょう。その冷や汗びっしょりのイケメン顔で、反論してください。どうぞ。
「いいでしょう。自己弁護を認めます」
「ありがとうございます。確かに、私が見た患者で、5名はなくなっています。しかし、それは偶然でしょう。医術も万能ではありませんから」
その言葉に、『あー、そうか』『それはそうだ』『確かに』という言葉が聞こえる。
確かに、私も医者プレイの一人として認めましょう。医療は万能ではないと。
しかし。
「その全員が毒殺というのは、偶然ではない」
「!!!」
『『『『『「「「「「え!?」」」」」』』』』』
ああ、PKの死神と死霊術死の協力で、彼らは毒殺されと裏が取れている。
そして、死んだ現場には必ず! アクロー医師がいたことも、証言が出た!!
「!!! まじか!!」
「連続殺人だと?」
「アクロー先生! まさか、あなた!」
「先生! ほんとなんですか、先生!」
私の説明に、弁護士、検事、メイド、被疑者・リエナが、問い詰める!
民衆もアクローを睨みつけ、そのチャーミングなスマイルが歪む!!
勝ったか? いや、5人以上殺してるんだ。まだ足掻くだろうな。
そう感じた私の考えを、裏付けるように!
「い、医者が患者の側にいるのは当たり前では?」
そう、アクローは、全然チャーミングでない顔と声で! 精一杯に反論してきた!!
「そうだな。それは認める。しかし。
過去に殺された彼らの『娘』と、毎回付き合っているのは、当たり前ではないな?」
「!!!」
奴の反論に、私のクロス・カウンター発動!!!
相手は眼を見開き、茫然!!
法廷は、ざわざわだァ!!
勝った!!(確信)
「これが、犯行の理由だ。君は、財産のある家に医者として潜入し、そこの娘と付き合い! 頃合いを見て両親を殺す!
そうして、娘に財産が入ったら、盗んで逃げるというわけだ」
『『『『『「「「「「!!!」」」」」』』』』』
うむ! なんどやっても、民衆が私の話に聞きいるのは気持ちがいいな!!
「しょ、証拠は! 証拠はあるんですか!!」
「あるとも。入れ!」
「え」
じゃ、そろそろフィニッシュといこう。
兄貴~、入ってぇ~!
「失礼するよ。では、皆さんどうぞ」
「「「「「……」」」」」
はい、呼ばれた兄貴がやってきた!
そう! たくさんの女達と、一人の男を連れてね!
「あれは、ミゲル司祭様!?」
「ミゲル司祭様だ! しかし、あの女たちは? それに、あの男は一体?」
「!!!」
皆が兄貴と女性を見て、?顔を浮かべているが。
立った一人! アクロー!
お前だけは顔色が! 顔面蒼白に、変わったなァ!!(にちゃあ!)
「あ、あの裁判長。彼女たちは?」
「ああ、検事。彼女たちは、今までの事件で、『アクロー・チャーミングと、恋人関係にあった女性たち』だ。彼女たちの父や母が死に、財産を継承した後。アクロー・チャーミングは、それを持ち逃げし、姿をくらましたのだよ」
「え」
「え」
『『『『『「「「「「!? ええ!?」」」」」』』』』』
「!!!」
私の説明に、検事、弁護士、メイド、被疑者・リエナ、民衆が驚き!
アクロー・チャーミングは、苦虫を噛んだ顔を露呈した。
「では、皆さん。あなた方と結婚を約束し、しかし、財産を持って逃げた医者はここにいますか?」
「「「「「います!!」」」」」
「それはだれですか?」
「「「「「あいつです!」」」」」
「!!!」
彼女たちが指さしたのは、傍聴席のアクロー。
指さしてきた彼女たちを見て、その顔はもはやチャーミングを失い、クリーチャーという程に変形している。
まァ、誤差だよ誤差。
「結構。では、最後に! ハードロック商会の外で、物乞いをしていた! 草刈りのジョン!」
「は、はい!」
「お前は、アルフレッド・ハードロックが殺された場面を見たか!」
「み、見ました! 窓が開いてたので!」
「では、誰に殺されたか! 言えるか!」
「言えます!」
「誰に殺されたか!」
「あの人です!! 鼠用の毒を! 注射していました!! 間違いないです!!」
「!!!」
指さしたのは、やはりアクロー!!
これで、過去の殺人と今の事件も! 解決だァァあ!!!
ヒューーー!!!
「では、判決を言い渡す!
被告人である、リエナ・ハードロックは無罪!
真犯人は、アクロー・チャーミング!! 5件以上の遺産目的連続殺人に、詐欺などの罪で、処刑とする!!」
「!!! くそがァァあ!!! ああああ!!!」
「うわ!」
「ひ!」
おっと、言い渡されたアクローが、傍聴席から立って逃げようとしてるな。
じゃ!
「死ね! 正義の鉄槌!!!」
――ブオン! ドッガァァァ!!!
「!? ぐわあああ!!!」
はい! 裁判長限定・最強奥義!
正義の鉄槌! 相手は死ぬ!!!
うん! いつもやってるカンカン小槌を、何もない空間に振るえば!
逃げようとしたアクローの頭に、ドでかいハンマーが振り下ろされ!
そのまま、グシャァァあ!!! と、頭潰され!
ドッガァァァンンン!!! っと大爆殺!!
塵も残さず、この世から消し飛んだわ!!
処刑完了! ウイーーー!!!
「では、これにて一件落着! 閉廷とする!! カンカン!!!」
「「「「「『『『『『うおおおお!!!』』』』』」」」」
――事件を解決しました! 真犯人を処刑しました! 人気・信者が、増えました!!
はい、一件落着!
今日も片付いたね! イエーーー!!!
「「「「「『『『『『お見事でした! クロエ様!!』』』』』」」」」」
「ああ、ありがとう! 皆!」
「よくやったな。まァ、完璧に調べ上げたから勝ち確だったけど」
「そだねー! でも面白かった! やっぱ裁判長はいいわ~!!」
んで、法廷からさっさと出て!
豪華な廊下で、護衛の奴隷たちに囲まれながら!
兄貴と話をしていると!!
「貴様! そこで止まれ!」
「何奴だ! クロエ様とミゲル様は忙しい! 帰れ!!」
「「ん?」」
なんか、奴隷たちが誰かを止めたらしい。
見ると。
「いや、それがし怪しいものではござらん! 東にある、和の国から参った者である! 是非、クロエ様にお話を!!」
頭に曲げを結い、腰に刀を差し、和服を着ている!!
いかにもな、武士が来て!
――新シーズン・イベントが発生しました!!
――武士の言葉を聞きますか?
→YES
NO
「「!? え!?」」
なんか、新シーズン・イベントが始まったのであった!!!
って、えええ?!