17-2 クロエの散歩と裁判長! 推理プレイ!!
「おお、領主さま! おはようございます!!」
「ミゲル司祭様! 妹様! おはようございます!」
「シスター様! 昨日は祝福ありがとうございました! おかげでトカゲを狩れましたよ!」
「司祭様のお陰で、また立ち上がることがました! ありがとうございます」
「農作物良いのできました! あとで運びますよ!」
「いいマグロが取れましたからね! 献上します!」
「傑作の武器が出来ましたからな! あとで奉納します!」
お! みんな元気かーい! いい挨拶だね! うんうん!!
いやー、流石は、兄貴の領地だ! 領民全員、朗らかに挨拶してくれるし! いつでも活気づいているね!!
人々は笑顔で、商売人たちの活気があり! 冒険者たちもマナーを守って、劇場や魔法スポーツの興行が行われている!!!
経済政策と、治安良好! 法律厳守の効果が出てる! 良い街だね! ええ!
まァ、私の領地も同じくらいだけど。
兄貴が協力してくれるので。へへ!
やっぱ、有能ですわ~~~!!! ヒューーー!!!
「って、着いたね! 裁判所!」
「そうだな。じゃ、俺は任務してくるよ」
「OK。きーつけてな~」
「大丈夫。もう終わってるから」
「それはそう」
んで、裁判所に到着した私は、兄貴と兄貴の奴隷たちと別れ!
法廷に入るのであった!!!
「! 今日の裁判長は、シスター・クロエ様か!」
「シスター・クロエ?」
「ああ、ミゲル司祭様の妹様だ。ご本人も隣の領地の領主さまで、爵位は伯爵。街は栄えているし。本人も頭が切れる。その上、優しさもあるいい裁判長だ」
「そうなんですか。では、お嬢様は、リエナお嬢様は助かるでしょうか?」
「温情は与えてくれるかもしれない。ミゲル司祭様は、厳格なところもあるから、ある意味助かったかもしれません。希望はまだありますよ」
「おお!!」
おうおう、裁判長である私を見て、いろいろと評価を言うね。傍聴席のNPCたち。
でも、評価されるのはいいね! 承認欲求が満たされる!! あああ~~~♡♡♡!!!
んで、最後の方に話してるのは、この裁判の被告人。リエナのメイドと、彼女に頼まれた弁護士っぽいな。
私を見て勝機を感じているところ悪いが、たぶん君の出番はないぞ?
「裁判長、クロエ伯爵様の入場です。起立、礼!」
『『『『『「「「「「」」」」」』』』』』
*無言で礼をする法廷の人々。
「うむ。着席してよい。では、裁判を始めよう」
そう言うと、皆が席に座り。
「被告人、リエナ・ハードロックは前に!」
被告人である『被害者の娘』が、被告人席に出てきた。
ああ、今回は、とある商人を毒殺した、商人の娘! リエナが被疑者である!
そうして、今回は彼女の無罪・有罪を、弁護士と検事……シャンデリア王国から派遣された検事。今回は銀髪の青年……とが、証拠と証言で、裁判長である私に訴えかけ、私が決めるのだが。
「今回は、裁判長・決定権を行使する。内容を述べるので、良く聞くように」
「「「「「『『『『『!?!? え!?』』』』』」」」」」
「さ、裁判長・決定権!?」
「な、なんですか!? 弁護士さん! それは!」
「さ、裁判長・決定権は、シャンデリア王国の国王より、特別な貴族に与えられた、裁判権限です! これは、弁護士・検事の行う質問や証拠の提示などをすることなく! 裁判長が、証拠と証言をそろえ、裁きを下すんです!」
「え、そんなことがあるんですか!?」
「あるんです! 最近の新しい貴族では、この特権を持っている貴族裁判長が多いですし! 結構使われますが、まさか、この事件に使われるとは!」
「あのキザったらしい検事の男も驚いてますよ! あれはいい気味ですが、しかし! そうなると、お嬢様! リエナさまは!」
「と、とりあえず! 裁判長の話を聞きましょう! 我々弁護士・検事も、質問をすることが出来るので! そこで、お嬢様の無罪を主張します!!」
おお、すごくざわざわしてる! 盛り上がってんねぇ!!
うん! 弁護士も、検事もOKみたいだし!
じゃあ、行こうか!!
「えー、今回の商人毒殺事件。もっと言うと、ハードロック商会の、アルフレッド・ハードロック氏殺害事件で、被疑者は、娘のリエナ・ハードロックとなっている。違いないですね。検事」
「! は、はい! その通りであります!!」
「結構。しかし、我々の調査(私たちとPKの調査)で、気になることが分かりました。それは……」
「アルフレッド氏殺害には、毒を使っているということです」
「え」
「ど、毒……?」
ええ、そうです。
毒を使っている! これが一番気になるポイントでした!
「あの、裁判長。この毒は鼠用の毒でして。被害者宅には、鼠の被害が出ており、その駆除用に使ったと考えると、そこまでおかしい所はないと思いますが」
ええ。分かってます。検事。
問題は、なぜ毒を使ったかです。
「は?」
少し前までは、毒を使うことは多かったでしょう。しかし。
今は、技術の発展により、簡単な魔法アイテムを使うことが可能。
そこれこそ、鼠退治用の杖などがあり、平民でも買える値段と経済状況にもかかわらず。
わざわざ、毒を使ったこと。ここが気になったのです。
「あ」
「あ」
「「「「「『『『『『あ!!』』』』』」」」」」
そうなのよねー。
私たちの領地開発に、クラフト。PKの商店パワーで、平民でも杖を買えるようになり、それが一般的に浸透しているはずなのに。
なぜ、毒を使ったか。それが気になったのよ。
んで、そこを詳しく調べたところ!
「アルフレッド氏の鼠退治に、毒を使うようアドバイスした人物を見つけました。 それが……」
「死亡した店の主人のかかりつけの医者! アクロー先生です!!」
「え」
「アクロー……アクロー!?」
「せ、先生!?」
「え!?」
「「「「「『『『『『!!!』』』』』」」」」」
そう言った私の発言を聞き、法廷の検事、弁護士、メイド、被疑者・リエナ、そして民衆は!
一斉に傍聴席を見た!!
うむ! 傍聴席の左端に座っていた人物!!
チャーミングな茶髪に、イケメンなスマイルを浮かべていたが! その顔が、今は引きつっている! 若い医者!
アクロー・チャーミングへと!!!