13-6 王城1階のダンスフロアで演奏する、不死身のヒダール! 演奏暗殺会! 開始!!
「~~~♪♪♪ ~~~♪♪♪ ~~~♪♪♪」
王城に入って、1階のダンスフロア。
そこで、軽く演奏すると。
「!!! うおおおお!!!」
「すごい! なんという演奏! 美しい! ああ!」
「耳が幸福に包まれる!!」
「なんという名演奏だ! 素晴らしい!!」
「天上の美の神が、舞い降りたかのようだ!!」
「すっげえええ!!!」
「相変わらず、素晴らしい演奏だなァ!」
「!? あの方を知っているのですか!」
「ああ、知っているとも! 彼こそ、伝説の音楽家! ヒダール! 海での冒険を音楽にして演奏する、吟遊詩人! その歌と演奏は、神々や悪魔も魅了する最高の芸術だ! 地上に舞い降りたバードの神だよ!!」
「彼を冒険に連れて行って、歌にしてもらえるかが! 昨今の冒険者・貴族のステータスになるからな!」
「ああ、彼に歌われれば、もう英雄の仲間入りよ! それを狙って、多くの、冒険者、貴族、商人が彼に依頼をするが。それを退ける力もあるのだ。なかなかに、難しい天才だよ!! マジで!」
「なんと! それはすごい!」
「本当なのか? その話……いや、でも、そうだな。この音楽を聴けば、それが本当だと分かる! 素晴らしい演奏だ!! おお! おっほおおお~~~♡♡♡」
「しかし、そうなると誰もお抱えではないのでしょうか? できれば、即召し抱えたいのですが!」
「あーあー、やめたまえ。彼はアレで大商人でもあるし、ディエゴ・ロジャーとも懇意と聞く」
「うむ。それに、最近の、あー、ぽっとでの貴族たちとも交流があるらしいからな。辞めといたほうがいい」
「なんと。歌や演奏は素晴らしいのに惜しすぎる!!」
「なんとか、引き抜けんかなァ! 聞けば聞くほど、良い曲だ!」
「ううう~~~む!!! 難しい! 今は、この曲に酔いしれよう!」
「「「「「『『『『『イエーーー!!!』』』』』」」」」
『『『『『「「「「「フーーー!!!」」」」」』』』』』
NPC貴族も、兵士も。
プレイヤー貴族もPK商人も。
全員が俺の曲を聞き。見入る。聞き入る。
これで、暗殺準備はほぼ完了だ。
さァ、やっていこう!
「~~~♡♡♡ ~~~♪♪♪ ~~~☆☆☆」
「!? おお! ヒダールの演奏に合わせて、美しい美女が歌う! いいなァ!」
「あの紅のドレスの美女は誰だ?」
「聞いたことがある。確か、アスナといったような」
「美しい声だ」
「ああ、脳が痺れる! 蕩ける! おお!」
「おっほおおお~~~♡♡♡ ~~~♡♡♡ ~~~♡♡♡!!!」
俺の演奏に合わせて、紅いドレスのアスナが歌う。
いや、正確にはアスナと『蝙蝠の悪魔娘・バトバト』が融合した。吸血鬼・アスナが、だ。
その歌声は、とても凛々しく、軽やかで。
聞いている者の耳を癒す。
同時に。
「ああ、いい曲だ。この曲を聞けば、何でもできる! うん! 死ね!」
――ドス!!
「!? ぐえ!?」
「ぎゃ!?」
「!? 貴様、風呂場で何を!? ――ゴキ! ぐえ!?」
「~~~♪♪♪ ~~~♡♡♡ ~~~♪♪♪」
吸血鬼・アスナの声に操られ!
隣の部屋のプールや、風呂場で、殺し合いが起きまくり!!!
ああ、隣の部屋のプールや、風呂場では! 吸血鬼・アスナの声に操られ!
眷属となったNPCが大暴れ!!
暗殺ターゲットを殺し、血の惨劇となっている!!
でも、人々は気づかない。
俺とアスナの歌に、聞き入っているからだ。
ヤバいね。ええ。
「よし、良い感じだね! じゃやろう! ピッキー!」
「ええ、やりますよ! リオン! わにゃー!」
「リオン達はあっちか。じゃ、私たちはこっち! いくよ! エイナ!」
「任せな! キャミー! 切り刻むぜぇ! ヒューーー!!!」
まァ、そんな超絶魅了状態なので、俺らも好きに動く。
うん。リオンは、マチェーテでターゲットを刺しながら!
「くらえ! 爆弾変身・魔法突き! そいそいそーい!!!」
っと、彼らの体を爆弾に作り替えていく! 爆弾変身魔法を連発!!
どこで覚えたか全く知らんが、恐ろしい魔法だ。
悪魔娘・ピッキーも人型の筋肉美女となって! それを手伝っているから、すごい勢いで爆弾が増えてる!
これは凄い!(確信)
「いくよ! 魔法・スピードアップ! 風魔法・ウインドスケート! スリ斬り!」
「ハイエナ・ランニング! 滑り切り! オーレィ!!」
キャミーも、相棒の『ハイエナの悪魔娘・エイナ』と一緒に、ダンスフロアを掛け抜け!
次々と、暗殺!!!
うん! キャミ―の方は、スリの技で、相手の間をすり抜けるように移動しつつ!
ターゲットの心臓や首を! 斬! 斬! 斬!!! って! ナイフで切り!
美女のエイナも、滑るように動いて! その爪で、ズバズバズバッッッ!!!っと、斬り捨て!!
やられた方は、死んでることも気づかず! 俺とアスナの歌を、熱心に聞いてるぞ!
これ、演奏終わりに死ぬ奴ですね。
分かります。ヒューーー!!!
「さて、やりますか。アラコ」
「はい! マスターの音楽に合わせて、殺しましょう! メナス!」
んで、人型モードに変形したメナスとアラコも、暗躍!!
ウエイターの格好をしたメナスは、毒を入れた注射器に、首に巻いた毒蛇を使い!
「はい、料理をどうぞ(毒噛み)。こちら、お飲み物です(毒注入)。失礼します(毒注射・ドス!)」
っと、ターゲットの持ってる料理や、飲み物!
もしくは、ターゲット本人に、毒を注射!
いい手際だぜ!! ええ!!
「ああ、天井から聞くマスターの音楽最高! 聞きながら、仕事ができるのはいいですね~! ふふ~ん!」
「はい、絞殺・パーティー! イエイ! ふふ~ん♪♪♪」
一方のアラクネも、壁を登って天井に張り付き! 糸を射出!!
それが、音楽に聞き入るターゲットの首に巻き付! いつでも絞殺! いや、斬殺準備完了!!
演奏終わりに、斬! ブッシャー!! っと、場を盛り上げるようだ!
じゃあ!!
(フィニッシュといこう! それ!!)
「~~~♪♪♪ ~~~♪♪♪ ~~~♪♪♪」
絡新婦型・鎌ギターをかき鳴らし! ラストスパートに入る!!
吸血鬼・アスナの歌を活かしながら、ギターと高め合い! 昇華するように!
ドンドン高めて、いかせまくりィィい!!
ヒューーー!!!
そうして、溜めに溜めたテンションを!
その頂点で!!
(電撃演奏魔法! どりゃあああ!!!)
「~~~♪♪♪ ~~~!!! ~~~♪♪♪」
思いっきり、放ったのさァァあ!!!
その結果!!!
――ズッダァァァンンン!!! バリバリバリィィィ!!!
『『『『『「「「「「!?!? うっごおおお!!!」」」」』』』』』
俺の演奏魔法で、複数のターゲットに!
雷撃! 降り注ぎ!!
それがスイッチとなり、リオン&ピッキーの作った! 爆弾死体が大爆破!
更に衝撃で、キャミー&エイナによる! 死体たちから! 血の噴水が巻き起こって!!
同時に、メナス&アラコの、毒と糸斬撃による! ブッシャー! ブラッディ・コーラスが!
所せましと、巻き起こりィィい!!!
「「「「「『『『『『!!! うおおお!!! イエーーー!!!』』』』』」」」」」
それを見たオーディエンスは、大興奮!!!
ああ、演出と思ったんだろうな!
城が揺れるほど、大熱狂し!!!
「うおおお!!! すごいぞ!! ヒダール!!」
「音楽に加えて、演出もダイナミック! デストロイ! ヒューーー!!!」
「本物の爆発に、血の雨みたいだ!!」
「最高にロックンロール!!! HHHHHUUUUU!!!」
「イカスぜぇぇえ!!! ウイーーー!!!」
「こりゃあ、確実にアンコールもんだろ!」
「ああ、アンコールだァァあ!!! うおおお!!!」
「「「「「『『『『『アンコール! アンコール! アンコール! イエーーー!!! フーーー!!!』』』』』」」」」」
エキサイトしてるぜぇぇえ!!! ウイーーー!!!
ああ、アンコール! ありがとう!
じゃ、もう一曲行くぞぉ!!
『『『『『「「「「イエーーー!!! ヒューーー!!!」」」」」』』』』』
っと、オーディエンスの期待に応えて!
全員が、俺に集中している間に!
「全ての死体ヨ! 我が眷属となれ! ヒダールの音楽に、踊るのだ!」
『『『『『「「「「「うおおお!!!」」」」」』』』』』
吸血鬼・アスナの能力で! 全死体を、眷属化!!
うん! 他の観客たちが、惨劇に気付かないうちに!
「ヒダール! おい! ヒダール! おい!」
「H! I! D! U! R! Uぅ! そい!」
「スカスカスカスカ! 透かしィィィ!!!」
「「「「「そんな下らん攻撃なんて、ドマゾに受けてGO!!!」」」」」
『『『『『呪ィィいーーー!!!』』』』』
死体を、オタ芸のできる眷属へと! 隠ぺいしたのである!!
かくして、俺たちは! 1階にいるターゲットをすべて殺しながら! しかし!
「~~~♪♪♪ ~~~♪♪♪ ~~~♪♪♪」
『『『『『「「「「「うおおおお!!! はい! はい! はい! はい! イケイケGOGO! はいはい! おい!!」」」」」』』』』』
「ヒュー! 流石ヒダール! 楽し~~~!!!」
「わにゃー! ダンスが止まらないよ! イエーーー!!!」
「ほんと、聞いてるだけで体が踊りだしちゃう!」
「さすがだよ旦那! シンに響くぜ! うへへ~~~♡♡♡」
「うおおお!!! ヒダール! ヒダール!」
「マスター! マスター! おい!」
「うおおお!!!! 最高ぉぉお~~~♡♡♡!!!」
「大好きィィい~~~♪♪♪ イエーーー!!! ヒューーー!!!」
誰にも気づかれず! パーティーを盛り上げる!!
完璧な暗殺を、こなしたのであった!!!
結婚おめでとう! ディエゴ! リンネぇぇえ!!!
イエーーー!!! HHHHHUUUUU!!!