5話:大銀行の倒産、ヤフー株で大儲け
当行の有名、資産家のお客さんが光通信株で、大きな損金を出し大型の定期預金を解約した。大手証券では、信用取引をして、自分の家と土地を売った人も出てるようだと語った。その後も酒が入り、日本経済は、全国の金融機関の合併が多くなり銀行の数が減れば、不景気風に飲まれてしまうと心配した。
合併というのは、名前だけ、救済合併であり、経営の行き詰まった銀行を大蔵省の指令で、近くの銀行が救済させられることなのだと説明した。思い返せば、1997年11月13日に日本銀行札幌支店から「もう支援できないので営業譲渡を決断してほしい」と電話で迫られ、金融当局にも見放された。
11月14日午後、東京の企画部から資金繰りの難航について連絡を受けた河谷頭取は、新千歳空港から羽田空港へ飛び、東京・丸の内のパレスホテルに向かった。ホテルの一室に集った他の取締役から、最悪の場合、翌週11月16日の月曜日には資金がショートし決済資金を用意できない取引企業が現れる可能性が説明された。
「もしこれが、現実となれば北海道経済は大混乱に陥っていた」
11月17日「月曜日」北海道拓殖銀行への対策が決定。取り付け騒ぎに備えるため日本銀行は拓銀の預金の2%に当たる現金800億円を用意するよう指示。拓銀が準備できたのは360億円で、不足分は日銀特融を利用し、事前に道内134の拓銀本支店へと運び込んでおく必要があった。
拓銀の経営不安が、マスコミで報じられるようになった頃から、日銀の道内支店には平時より多めの日本銀行券が用意されていた。11月16日「日曜日」夕方から現金輸送が始まり、各支店にも通達がなされ、作業が終わったのは21時。同時に本店勤務員の各自宅に連絡が入り、翌朝7時までに支店の応援に向かうよう伝えられた。
深夜の拓銀本店では、取引先への配布文書・店頭ポスター・記者会見の想定問答集などの準備が整いつつあった。11月17日の朝を迎える。午前8時20分、拓銀本店の記者会見場に経営陣が現れた。リストラを進めつつも信用不安報道が続き道銀との合併延期で預金流出が止まらなかった。
それら苦しい営業譲渡への経緯を述懐し「明日以降の資金繰りの目処が立たなくなりましたので、北洋銀行に営業譲渡をする事と致しました」と述べ、最後に河谷頭取の「どうも、申し訳ございませんでした」との声と同時に、同席した全役員が起立し深々とお辞儀し謝罪した。
破綻後、優良貸出先が減り貸出資産の劣化が進み、旧基準での1997年9月中間期実績に比べ赤字が倍増。これと同時刻に北洋銀行本店でも先程決定したばかりの営業引継ぎを発表。これにより日本初の都市銀行の実質上の破綻が起きたと言いため息をついた。
北海道拓殖銀行破綻後、1999年に発表された1998年3月期決算では、米国基準での公表不良債権総額は、貸出金残高5兆9290億円の約4割に及ぶ2兆3433億円にのぼった。さらに預金も前年比で3兆2922億円も多く流出したのであった。
この結果、経常損失は1兆4743億円となり債務超過額は1兆1725億円。なお、拓銀の主幹事を務めていた山一證券も、拓銀の破綻後まもなく11月24日に自主廃業を決定。翌1998年には、拓銀が設立に協力し、大株主でもあった日本長期信用銀行も連鎖倒産した。
これで、日本の銀行の信用も地に落ち2000年以降、多くの銀行が消えていくのだろうなと寂しそうに言った。この話を聞いて山久一雄が、銀行の昼休みに携帯電話で野村証券の担当者に日本の銀行の凋落ぶりの話をして、どう思うと聞くと、そんなむずかしい話は、私には、全くわかりませんと煙に巻かれた。
だた、私は、お客さんに的確な情報をお知らせして儲けていただきたい一心で働いていますと見え透いたこと言った。そこで俺も有名な銀行で働いてると言うと、どこですか聞くので三菱銀行と言うとそれは失礼しましたと驚いていた。2001年9月4日、朝8時にヤフー株が182万円の気配値が出てると山久海苔店に電話が入った。
父がヤフー3株ずつ買おうと山久一雄に言うので同意した。すぐヤフー株3株ずつ成り行き買い注文を入れた。その後、3株546万円で買えた携帯に電話が入った。その後、ヤフーの株価は、思惑どおり10月には4百万円を越え12月には5百万円を越えた。
その後、2002年3月と9月、2003年3月と9月、2004年3月の合計5回の2倍分割をした。その結果、32分割して3株が96株に増え、奇蹟の暴騰を演じた。2004年4月6日、ヤフー株全株を成り行き売り注文を出すと32株全て売れ、税引き後利益が10603万円と1億円を越えた。
その頃、山久一雄は、同じ銀行の銀行員で同期入社の竹富悦子と6年の付き合いをしていた。そのため、悦子さんから結婚を申し込まれても既に逃げられない状態だった。さらに山久一雄、自身、特に結婚に対するこだわりはなかった。男が5年以上も付き合って結婚しない訳にはいかないので結婚を約束した。