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特殊捜査課  作者: 雄太
特殊捜査課
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潜入

 

 立ち入り捜査当日、空にはどんよりと雲がかかる、今にも雨が降りそうだが、今日の予報は雨は降らない予報が出ている。


 その雲と同じような表情している長官、ポケットにしまった、たばこの箱を手に取るがその顔は思わしくない。


「チッ、入ってないじゃないか、」


 そう言い足音強めに車に向かう

 サイドポケットの中に無造作に入れられている箱に手を伸ばす、そして箱から一本取り出し、火をつけようとするが。


「長官、体に悪いですよ」


 後ろからウドルグ一行がたばこを咥えている長官に声をかける。


 長官はたばこを咥えるのをやめウドルグを睨む。


「うるさいんだよ、タバコは気分転換に吸ってだけだ、そうだ、君たちには最高の栄誉を与える、トップバッターで潜入してもらう」


「それ、俺らが1番危ない奴じゃないですか、俺には子供が居るんですよ……」


 しかし、長官は最後まで言わせてくれない。


「お前、結婚したのか、」


「いつか、あればなーって未来の子供に泣かれるのは困るので」


 長官はわざと大きなため息をつく、そして諦めた表情をする。


「まぁ、冗談だ、適当なところに組み込んだ、それでお前たちには最深部を目指してもらう、研究所内の地図は見てもらったか」


「えぇ見ました、かなり入り組んでますね、ドアの暗証番号とかはどうなってるんだ」


 ウドルグは施設内の地図は長官から貰ったが、内部の研究施設の暗証番号は一切教えらてない。


 だから銃で破壊しようとする計画を立てていた。

 壊せるかどうかは不明だがな、


「それか、それな、あぁ、分からない」


 長官は疲れたように言う。


「研究所は国は関与してない、軍部主体でこの事件には軍部も一枚噛んでるみたいでな、聞いても、答えないんだ、だから突入する事にした、それと、これを持ってけ」


 そう言うと長官の隣に立っている確か、たしか、副長官だっけ?まぁ、いいか、その女性がジュラルミンケースを開き、長官が中にある拳銃に似ている物を取り出し、ウドルグ達に手渡す。


 ウドルグはそれをペタペタ触る、かなりの重量がある金属の感触ではない、でも、プラスチックっていう感じもしない、そして何よりでかい普通の拳銃の1.5倍近いサイズがある。


「これは?」


 ウドルグは心底わからないという感じに聞く。


「これは、対アマンドロス専用の拳銃だ

 、これをアマンドロスに向かって撃つ、」


 そう言うと長官は指で拳銃を作り、撃つ真似をする。


「まぁ、そうすると内部の電子回路をショートさせる、って言ってた、俺も詳細は知らん、だが結構高いぞ600万近く製造に使ったからな、それをケチらずここに居る全隊員に配布した、だから壊すなよ、壊したら予算を削るからな、予算を」


 長官は最後の予算をかなり強調する。


 ここにいる全隊員が約300名だから18億か凄いな、予算がそんな、あるならもっとくれてもいいと思うけど

 俺らなんてトイレットペーパーを自費で買ってるのに。


 まぁ、正確に言えば、ライラとエマリーがどこぞの高級品じゃないとダメとか騒ぎ出して経費が落ちないんだかな。


「わ、わかってますよ、壊しませんよ、もし壊れたら初期不良にしますから」


 ウドルグそう言い、両手をぶらぶらさせておどける


「ギロッ!」


 長官の目が殺すと言う目になっている。


 ヒィ〜怖い。


「目が…目がわかりましたよ、経年劣化にしますよ」


「それは先月製造したばかりだ、まだ新品未使用だ経年劣化は通用しない」


「はい!さっさと行きましょう、」


 ウドルグは逃げるようにそう言い研究所の入り口に向かう逃亡する、それをエマリー達は捕まえるのを諦めてゆっくりと歩き出す。


 長官は特殊車両の中の無線で確認作業を行う。


「全隊員に次ぐ最終確認を行う、まず、警察庁長官が最終勧告をする、それを持って突入をする。


 最初に入るのは工作部隊、工作部隊がドアの破壊を行う。


 その後、残りの隊員が内部を制圧をする、それ以外は作戦会議通りに行う、以上、作戦開始」


 警察庁長官が拡声器を持って鉄の門の前に立つ。


「研究所内部に次ぐ〜〜最終勧告である〜〜これより投降しない場合〜〜、突入をする!〜〜」


 ここってよく山に響くな。静かだからより目立つな、

 なんでお偉いさんってこんな恥ずかしいことばかりしたがるんだろうな、アドレナリンの出過ぎだろうな、

 明後日あたりに恥ずかしいってベットに閉じこもるやつだな。


 目に浮かぶな、


 静寂が空気を包む

「……………突入!開始!行けGO、GO、GO!」


 そうして、工作部隊が門の破壊をする。


 またでっかい、電動カッターだな1メートルはあるぞ、それも2台、蝶番を破るのかまぁ、手っ取り早いからな、それにしてもあんなもんどこから持ってくるのやら、警察ってすごいな。


 などと考えてると、門と電動カッターの隙間から青い火花が飛び散る。


 ギュイーギィィィィィギュイィィィィ


 そうこうして、下の蝶番は切れ、上部の蝶番に移動する。


「倒れるぞー!!」


 門が後ろに向かってゆっくりと倒れる。


 ガシャーン、埃が舞い上がる。


 その時警察庁の長官が美味しい所を持っていく。


「門は破れたぞ!行け!進め!行け!我らが手柄を上げるぞー!いけー!!!」


 警察庁長官がここぞとばかりに声を張る

 みっともない、こんな奴らの仲間だと言うのも嫌だなぁ。


 そもそも、俺はあいつらの管轄じゃないか、ならどうでもいいか。



「よし、じゃ、エマリー、あいつら呼んでこい、」


 なんでか知らないがテーブルに椅子まで用意し紅茶を飲んでるエマリーが嫌と断言する


「えぇー自分で行けば、私は嫌」



「そうかよ、電話するからいいよ」


 ポケットにしまった電話を取ろうとするがあることを思い出す。


 そうだ!ライラの携帯の番号、知らないんだ、あいつ、個人情報だからとかよく分からんこと言って教えてくれないし。


 シンジは潜入捜査をしてたから、そう言うのは全部消したんだ。


 そう考えてると後ろから足音がするり


「ウドルグ、もう行くの?」


 ライラが声をかける、その後ろにはシンジもいる。


「ちょうどよかった、今呼ぼうとしたんだ、ライラ、番号、教えてくれ」


「嫌、口説いてるのならやめて、」


 なんでコイツらいつも俺にこんなに冷たいんだろな、はぁ、もう諦めたからいいけどよ。


「……そうか、まぁ、いいや突入だとよ、見ての通り」


 ウドルグは周囲を見渡す、そこにはウドルグ一行以外、だれも残ってない。 


 残っているのは木々を風が揺らす音のみ

 風の音が綺麗だな〜本当に誰もいない。



「他の奴らはどこ行った?」

「お化けとか出るんじゃな〜い ほら、後ろにも」


 エマリーが呑気な声を出す。


 ライラの顔が青くなる、いや、白くなってきた。まるで血が流れていないように。


「本当に、で、で、出るのお、お化け…」


「エマリー冗談でもそう言う事言うのやめろ、ライラがチビるだろ現に今…痛!」


「なんだよ!蹴るな、ライラやめろ、やるならエマリーだろ俺じゃない」


「同罪よ」


 エマリーが自分のせいじゃない、アピールをし追撃する


「エマリーお前のせいだろ」


「皆さん、早く行きましょう」


 シンジが冷たい目で見ている、エマリーもバツが悪そうだ、ライラは漏らしてはない、

 と信じたい。心から。


「よし!じゃあ行こう!」


 ウドルグは研究所内部に歩を進める。


 ●


 建物の内部に入ると照明は落とされ、工作部隊が置いたと思われるライトが等間隔に並べられている、その風景はずっと歩いてもコンクリートから変わらない。


「ねぇ、どこまで行くの、暇、」


 ライラが暇そうな声でいう、その声は遠くまで伝わって戻ってくる。


「最深部だ、」


「えぇ〜それって何階、」


「さぁな、地下10階か、だがどこに階段やらエレベーターがあるかは知らん機密だからって教えてくれなかった」


 長官もケチだよなとウドルグは言う。長官がここにいない方が幸いだろ、いたら殺されている。


 ライラはもう嫌と言い床に座り込む。


「置いてくぞ。」


「嫌、」


「なら歩け、シンジあと一匹持てるか?」


「匹じゃない、歩くし、ねぇ他の部隊はどこ行ったのここまで何にも見てないけど」


 ライラの鋭い指摘が入る。


「そう言えば、そうだな300人居たのに1人も見てない……」


 ほんとだ、おかしい、ここまで30分近く歩いているが部隊も人影も見てない。


 そもそも、部屋の一つ扉すら見てない、何がおかしい、


「どうすんのよ!まだ死にたくないこんなところで乾涸びて骨になんか……骨になんか、なりたくない!  キャ!あぁぁぁ」


 ライラが叫ぶ、そうすると床にが落ちる、そのままジェットコースターのように猛スピードで降る。


 ●


ウドルグは腰をさすりながら立ち上がる。


「痛てて、ここはどこだ」


 滑り落ちた先はサッカー場3面は入る真っ白な空間、俺らの足音がよく響く、そこには先に入った部隊のほとんどがいた、しかし、立っているのではなく、横になっている。


 奥から足音がズー、ズー、ズーと聞こえる、ぼんやりとだか、女性のように見える。


 そして10mぐらい離れたところで止まる。


 まだ若い20代前後に見える、しかし、それは首だけ、胴体はアマンドロスを使用している。


「あらら、新しいお客さんだね、今度は私を楽しませてくれるのかな、」


どんよりとした雲は、気分が下がりますね

晴れて暑いですけど


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