動き、
自律式アマンドロス研究所 通称GAK
Zじゃないのかって思うが気にしたら負け
その奥深くに、アマンドロス型自律式ロボットが眠っている、肩付近には2と書かれて、目が怪しく光る、その光に照らし出される1人の影。
警察本部の聴取室に手錠を嵌められ硬質な椅子に縛り付けられている、白衣を着た男、名をハモンド・アークストロフィー。
彼こそがアマンドロス型の研究開発の責任者であり、アマンドロスとアスロの初号機をラグロスに売ったとされる被疑者である。
対面するのは長官と、護衛の警察官が2人、彼の取り調べをしている。
「アマンドロスは今どこにある」
椅子に座ってる長官がゆっくりとした口調で喋る、ハモンドは長官を睨みつける様に真っ直ぐ長官の目を見る。
「知らねぇーよ、」
「誰に売った」
「だから俺は知らない、取り引きは、全部あっちの指示でやったからな」
そう、ハモンドはそう言い足を組もうとするが足は拘束されている、金属音が取調室に響く。
威圧のためか長官はテーブルに指をトントントントン叩く。
「そうか、ならどういう、取引をしたんだラグロスと、」
長官は足を組み替え、口調は変えずに話す。
「ラグロスかどうかは知らん、あっちが俺に接触してきたんだよ、初号機を、売れっな、」
ハモンドは最後の初号機のアクセントを強めに話す。
「フーン、そうか、引き渡しはどうした、どうやって研究所からアマンドロスを持ち出した」
長官の口調が強くなる、核心に迫ろうとするがアークストロフィーはのらりくらりと躱す。
「簡単だったぜ。俺は研究所のトップだ、もみ消すことだって出来る」
「引き渡しは、そしていくらで売った」
「あぁ、そう言う話か、長官殿も金には目が無いんだな、なら最初に言ってくれや、教えてやったのに……10億で売ったよ、引き渡しはトラックに積んでな、ある場所にトラックを置いて俺はトラックから離れた、そしたら覆面をつけた二人組が俺に10億の入った車を持ってきてそれで終わり、俺はその車を運転して自宅に帰った、車は後日、ある場所に乗り捨てろと指示があったからその通りにしたよ」
長官はもう用がないとばかしに立ちあがり留置所を出る。
そして、留置所で1人になったハモンド独り言の様にわざと大きくつぶやく。
「あ〜ぁ、もう少し早く辞めるんだったな、あまり、早く辞めると疑われるからやめてたが、タイミングを間違えたな、俺は世界のためにアマンドロスを売ったんだ、俺の彼女をあんな、埃くさい、暗くて寒い、あんな環境には置いとけない、だから自由にしてやった、この世界の誤りを取り除くために、その為に血が流れることも許される!、彼女は楽しくやってるだろうか……」
その呟きを長官は観察スペースから覗いていた、ハモンドもそれをわかってわざと声を張った
●
長官室に集められた4人。
ウドルグ、エマリー、ライラ、シンジ
ライラには面識はないがウドルグから嫌って言うほど聞かされている。
シンジは昨日この件で初めて顔を合わせた。
そして椅子に座ってる長官はたばこの火を消しゆっくりと喋る。
「さぁ、今日、君たちをここに集めた理由だが、簡単だ、昨日シンジくんが持ってきた初号機の写真だか、出元が分かった、GAK、の所長が持ち出したそうだ」
「アマンドロス研究所からですか、あんな警備がやばいところからですか」
ウドルグが驚きのあまり口を挟む
それもそのはずGAKは国は関与をしていない、研究者の独自性の担保のために予算は国が出してはいるが内情は一切触れてはいない、国が関与していない事からGAKには何が眠っているか想像つかないと噂では流れてある、そして研究所の所員でさえ全容は把握していないと聞く。
「あぁ、そうだ、そこの所長が売ったと自白した、ラグロスかどうかは知らないそうだ、まぁ映像を見てもらった方がいいだろ」
そう言い長官は昨日の取り調べの動画を再生する。
映像の最終盤に差し掛かった頃ウドルグが顎に手を当て考えている。
「なんか、怪しいですね」
ウドルグの長年の感がそう言っている。
「あぁ、そうだ俺もそう思っている、」
長官はウドルグの意見を肯定し話を続ける。
「それでだ、君たちを呼んだ理由は研究所の立ち入り調査だ組織課との合同にはなるが、やってくれ、以上」
「相変わらず、長官は話が早いですね、考える暇もくれない」
ウドルグが本音を呟く
実際に長官のやり方は即断即決で今やるか、やらないかの二択しかない。
「考える暇を与えたら、お前は逃げようとするだろうな」
「ですね、で、いつ立ち入り捜査ですかですか」
「今のところ3日以内にだ」
ウドルグは少し考えてる
3日か、少し早いような気がするが、時間をかけるよりマシか。
「……わかりました」
ウドルグはそう言い他の3人を連れて本部に戻る
残された長官は窓の外を見て、呟く。
厄介な事になりそうだ。