事件
壁に横たわっている、人、その胸部からは鮮血が流れ、床に染みている。
その奥には人影が見えるが新月ではその顔は確認できない。しかし太っているのは確認できる、そいつは遺体を確認すると堂々と、出入り口から歩いて出てくる、一瞬、何を思ったのか、後ろを少し振り返るが何事もなかったかのように足早にこの場を後にする
日が真上を向く頃、ある一戸建ての前には静かな空気には異質な10台以上の警察車両が停まっている、家の中から「撤収!」の声が山に反響する。その声を聞いた捜査員達は撤収作業を行う。
家の外観はそれこそ、ファミリーで住んでると思わせるように、ブランコであったり、小さい自転車が置いてある。
しかし、家の中は人の影がなく、家具は、ほとんどない、あるのは血溜まりの上にある遺体のみ。
木の影からこちらを偵察するスーツの姿の男、一瞬こちらを見て、すぐに視線を戻す、スーツの胸ポケットから携帯を取り出しあらかじめ用意してあったと思われるメールを送る。
『完了』
そして音ひとつ立てず、その場を去り森の奥に姿消す。
●
特殊捜査課
そう、書かれた看板がドア上部に取り付けられている。
人の目線の高さには4名の名前が書かれてる、プラスチックの板がある。
上から
ウドルグ・リスラー
エマリー・オリバー
シンジ・ウエムラ
ライラ・フェズリー
「さぁ、事件だとよ、」
コーヒーカップを片手持っているウドルグが、ソファーを睨みつける。
「今度は何、ウドルグ、」
エマリーが嫌そうに反応するがソファーからは動かないで、ファション紙を見ている。
「エマリー、これを見ろ」
ソファーで寝ているエマリーに、投げつける様にし、捜査資料を渡す。
表紙には、アンドロイドによる連続殺人と書かれている。
「ん〜またロボット?これって普通、組織課の管轄だと思うけど、また、ウドルグの断れない性格が出たの、それなら私ににもコーヒーをちょうだい」
「わかったよ、そのかわり・・・起きろ、それに服を着ろ、」
ウドルグは目線をライラの方へ向けながらため息をつく。
それもそのはずエマリーはその豊潤な胸を見せびらかす様にジーンズとブラ以外穿いて居ない。
ライムグリーンの、少し薄い素材でできているブラは、胸が少し透けてる、谷間は丸見えである。
「第一、そんなの見せつけられたらライラが可哀想だろ、いつも悩んでるのに」
そしてライラの胸を見てからエマリーの胸と見比べるまぁダントツでエマリーの方がでかい。ライラの胸はまだ発育段階だと(本人談)本人は言う、
まだ年齢は20歳、まぁ発育段階って言えばそうかなどと考えてるウドルグに言葉の矢が飛ぶ。
「うるさいんだよ!変態、悩んでなんかないあんな脂肪の塊要らない!重いだけ!なんだから・・・」
ライラが叫ぶ、しかし、その目はちらりとエマリーを捉える、そして、目からは色が消えるそして、自分の胸に手を当てようとするが触る寸前でやめた。
「ライラちゃ〜ん、どうしたの私の胸を見て、欲しいの?ならあげようか、ほら」
エマリーは両胸に手を当てタプンタプン揺らす、その動きは・・・
その動きをじっとウドルグが見ている。
まるで催眠術にかかるバカみたいだ。
上、下、上、下、魔の上下運動であるこれに勝るものはあるか、いやない。
「要らない、そんな脂肪の塊」
凍りそうな冷たい声でライラはウドルグを睨む。
そしてエマリー押し退けるとその豊潤な胸はタプンと大きく揺れる。
「そう〜要らないのね、ならウドルグにあげよっか、さっきから見られてるし」
エマリーのおちょくりの標的はライラからクドルグにかわる。
そしてウドルグの方に揺らしながら動く。
「わ、悪かった、見てないよ、そ、そんなのに興味はないから」
咄嗟に出た弁解としては最悪極まりないものであった。
そしてそれにライラはクスリと笑う。
「なんかそう言われるとムカつく、コーヒー、ミルク多めで砂糖もね」
テーブルに置いてあるカップを持ち上げ、ウドルグに渡すとまた、ソファーに倒れ込む。
ウドルグはポットの方へ向かい、インスタントのコーヒーを淹れる、そのカップに砂糖を大量に入れ・・・
その様子は後ろから丸見えである。
「エマリー、コーヒー入れたよ、――」
コースターに乗せたコーヒカップをテーブルに置こうとするがエマリーの白い細い手で遮られる。
「要らない、そのコーヒー貴方にプレゼントするから、」
「レディからのプレゼントよ、全部飲みな、」と笑いながら付け加える。
「えっ、」
その時、ウドルグの顔から色が消えた、刹那、歓喜から絶望へ、悪魔が見れば、それは美味であろう、どんな味かは知りたくないが。
「貴方、そのコーヒーに何入れたの?後ろからぜんぶ見えてるのよ、そう言うことやる時は見えない様にしないとね、」
ウドルグの目が行ったり来たりしている
そして一人の影を捉える。
「あ〜、ライラ、飲むか?いや、飲め、」
「自分で飲めば、甘くて苦いよ、」
そう言うと変態を見る様な目で睨む。
「そんな目で見るな、人相悪く…そうですね自分で飲みます」
ライラに睨まれ。
諦めた顔でウドルグはカップを取るそして恐る恐る、悟りの境地で一気にコーヒーを飲む。
「げっ!甘い!チクショー!誰だよこんなの入れたの!飲めるわけねぇーだろ!」
大袈裟にリアクションをするが悲しい事にその声に応えるものはいない。
冷たい目でライラはウドルグを見る「当然の報い」と言う感じで。
エマリーは、面白そうに見つめているが飽きたのかテーブルに置いたファション紙に目が行く。
「お前ら、そんなことやってる暇はないんだ、邪魔されたから忘れてたが、また、アンドロイド関係の仕事だ」
「え〜、誰かになすりつければ、」
「そうして、私も嫌アンドロイドなんて|」
エマリー、ライラが口を揃える、
しかし、今日のウドルグには秘密兵器がある。
いつもは、この二人に言い負かされ酷い目に遭うが今日は違う。
「それは無理だ、長官殿のご使命だ、どうしてもやってほしいと、これも、貰ったからな」
スーツの胸ポケットから長方形のキラキラした紙を取り出す。
それに真っ先に反応するライラ。
「なんで!変態がそれ持ってるの!それマグズリーズのチケットじゃんちょっと見せて」
そう言い、小走りでこちらに迫りくる、それをさっと躱すウドルグ、
その結末は見なくてもわかる、
止まりきれずに転んでパンツが見えるその色は白、意外だなピンクとか着てそう気がする、いや、ライラは自分の胸にコンプレックスを持ってからな、派手なのは、絶対に着ないだろうな。
一方のエマリーは自分のボディに自信を持ってるからな、昨日はトップレスできたしな、一昨日は全身黒の体の出っ張りがよくわかる、服装で来て、
ライラがものすご〜く。嫌そうな顔で「恥ずかしくないのエマリー」とか喚いてたな。
まぁ、これでも警官なんだがな。
これでも、よくこんな奴が警察できるな
こいつらどうやって受かったんだろ。不思議だな。
「なんで避けるのよ!」
ライラは女の子座りで見上げてくる。
その光景だけを見るならエロいがいかんせ、凹凸に乏しいライラだなんか庇護欲を唆られる、だが俺は騙されない。
「仕事、」
そう短く、冷たく笑い、ライラに圧をかける。
「わかった、やればいいんでしょ、チッ」
圧力に耐えられなかったライラは諦めて受け取る、そもそもコイツは、マグズリーズの大ファンだエマリーによればベット上の天井に実寸大のポーターが貼ってあるとかないとか、言ってたな。
休みの日にはコンサートに行くとか
ライラがコンサートに行くなんて想像できないが。
ウドルグの想像は想像以上に酷い有り様だった。
『キャァー!!ジャスティス!こっち向いてー!』
飛び跳ねるライラ、胸がないから軽そうだ。
ありえないなそんな姿、絶対CDやらグッズは買うけどコンサートには行った事ないとかだろーな。
「ほら、」
と、チケットを渡す、、まるでこれじゃ餌付けだな、それもありか可愛い美少女を餌付け。
なんか背徳感があるな。
「SSSじゃんなんでこんないいチケットなんで持ってるの、変態」
ライラは立ち上がり不思議そうに首をかしげて聞いてくる。
「変態って、まぁいい出どころは聞くな消される、」
変態、変態、うるせーな、コイツ、俺は変態じゃない普通のおっさんだ。普通のおっさんってなんだ?
「まぁ,長官からでしょね、脅迫しかないからね変態」
「そうだな、それでいいよ,それにエマリーにも、ニールストリートにできる、新しい、ランジュリーショップのプレオープン限定チケット、オープン前日に入店できる、いるか?」
「…も、もらうわ、」
エマリーは頬を恥ずかしいのか少し赤くしながらそうボソボソ呟く。
「だけど、なんであんたが持ってるのきもい、」
「きもい、やら、変態やらうるさいんだよ、一つ言えるのは出どころは聞くな、」
『どうせ、長官の賄賂でしょ』
と二人は呆れたようにハモる。
まぁ、実際賄賂だかな、それなら変態は長官じゃねーか。
ランジュリーショップのプレオープンチケットを持ってるなんて、誰かに貢ごうとして、渡す前に逃げられたのかあの長官は、それともキャバクラにでも出入りしてるのか、あの長官、見た目に反してえげつないな。
そもそも、長官もマグズリーズのファンって事になるのか。
長官が『キャー!キャー!』やってる姿?フッ、ありえねー、そんな長官、威厳がなさすぎる。
ふふふ、長官が『こっち向け、この若造!』
似合わねーな長官に。
「よし、仕事だ、ある方からの賄賂は渡したからな、」
『はーい、やればいいんでしょ』
2人はある人物から賄賂を貰ったからか渋々立ち上がり、準備を始める