デブフェチのド変態
今回はデブフェチのド変態の話です。
「ダイアル嬢、僕の手作りのケーキです。是非食べて下さい」
マルメ子爵家子息のフトテル様が毎日のように手作りのケーキを食べて欲しいと持ってくる。
とても美味しいケーキなのだが、こう毎日では太ってしまう。
「フトテル様、太ってしまうので、毎日のように持って来ないで下さい」
「遠慮しないで下さい」
拒否しても、遠慮するなと強引に持ってくる。
このままでは本当に太ってしまう。
好意からの行動なので、強くは拒否出来ない。
「ダイアル嬢は順調に太り始めているな」
計画通りにダイアル嬢は順調に太り始めているので、僕は上機嫌になった。
僕は太めの女性が好みなので、憧れているダイアル嬢を太らせる計画を企てた。
もちろん恋人にしたいとか、考えている訳じゃない。
ダイアル嬢は国王陛下の妃になるかもしれない令嬢だ。
僕には絶対に手が届かない高嶺の花だ。
単に太ったダイアル嬢を見てみたいだけだ。
必ず僕好みの体型にしてみせる。
「ねぇ、フトテル様の行動って変じゃない。まるでダイアル様を太らせようとしているみたい」
カグヤがフトテルの行動を不審に思って、ダイアルには内緒で皆に相談した。
「私もそう思う」
「そう言われると、少し変だな」
「私も同感です」
「フトテル殿を調べてみる必要がありますね」
全員の見解が一致したので、フトテルを調べる事になった。
「フトテル様は太めの女性が好みたいよ」
「私も同じような事を聞いた」
「私もです」
「明らかにフトテル殿はダイアル嬢を太らせて、自分好みにしようとしているな」
「そんな事は絶対に許せない。全員でフトテル殿を問い詰めよう」
「でも証拠が無いから、惚けられるかもしれない」
「フトテル殿のケーキを僕達が食べると言って、ダイアル嬢に渡す前に取り上げよう」
「今の処は出来るのはそれしか無いか」
取り敢えずケーキを取り上げる事にした。
「ダイアル嬢、今日もケーキを食べて下さい」
「ダイアル殿、私がそのケーキを全て貰っても構いませんか。実は姉妹達がフトテル様のケーキの噂を聞いて、食べたがっているんです」
「私は構いませんが、フトテル様の了解を得なければなりませんよ」
「フトテル殿、構いませんよね」
「・・・・えぇ、構いませんよ」
「ありがとう」
エムルはフトテルのケーキを全て持ち帰った。
「畜生。マゾのド変態野郎のクセに邪魔しやがってよ」
「ダイアル嬢、今日こそケーキを食べて下さい」
「フトテル様、寮の友人達がフトテル様のケーキを食べたいらしいので、分けてくれますか」
「・・・・良いですよ」
「ありがとうございます」
カグヤは分けてくれと言ったのに、全てのケーキを持ち帰った。
「ふざけるな。匂いフェチのド変態女まで邪魔しやがってよ」
「ダイアル嬢、今日のは自信作ですので、絶対に食べて下さい」
「わぁ、美味しそう」
「フトテル様、私達も頂いて構いませんか」
「少しで良いので、お願い致します」
ナルカが連れて来た令嬢達がケーキを頂いても構わないかと聞いてきた。
「・・・・勿論です」
「嬉しいです」
「ありがとうございます」
「ナルカ様もお誘いしてくれて、ありがとうございます」
令嬢達は少しどころか、殆ほとんどのケーキを食べてしまった。
「何が少しだけだよ。あのクソビッチ共、結局は殆ほとんどのケーキを食べやがった」
「ダイアル嬢、今日こそは食べて下さい」
「フトテル殿、令嬢達だけじゃなく、我々にも食べさせてくれ」
「そうだ。令嬢達だけなんて、不公平だ」
「我々にも食べさせろ」
「・・・・」
ジョイが連れて来た子息達は遠慮せず、ケーキを食べ始めた。
「何が不公平だよ。あのブ男共、意地汚く全部のケーキを食べやがってよ」
「ダイアル嬢、今日こ」
「カグヤ様達だけなんて、ズルいです。フトテル様、今日は私が貰っても良いですよね」
フトテルが言い終わる前にユリカがケーキを取り上げた。
「・・・・お前達、いい加減にしろ。僕が折角ダイアル嬢を僕好みに太らせようとしているのに、邪魔ばかりしやがって」
フトテルは遂に激昂してしまい、愚かにも自分で企てを暴露してしまった。
「フトテル様?どうなされたのですか」
「やっと白状したな」
「とんでもない奴」
「本当に呆れるわ」
「退学は決定だな」
「当然よ」
「・・・・」
退学と聞いて、フトテルの顔が真っ青になった。
「そんな企てをしておられたのですか。私が被害者なので、処罰は私が決めます。卒業までフトテル様の自費で週末の休校日に私達六人にケーキを作るのと、寮の男子トイレ清掃を毎日させるのはどうでしょう」
「軽すぎませんか」
「また太りますよ」
「単に手作りケーキを食べたいだけでしょう」
「意外と食いしん坊なんですね」
「欲望に忠実な貴女も美しい」
「お黙りなさい」
フトテルへの処罰はダイアルの提案通りに卒業までフトテルの自費で週末の休校日にケーキを作るのと寮の男子トイレ清掃を毎日させるのに決まった。
す
但しダイアル達六人にではなく、寮生全員にだ。
寮生達は歓喜したが、フトテルは血の涙を流した。