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ダイアル公爵令嬢はド変態達に好かれてる  作者: 神無月蓮晃
【学園編】
4/15

下着の持ち主

今回は下着の持ち主を巡る話です。

それで結局はこの下着はカシワ公爵家令嬢の持ち物なのか、イオニック侯爵家令嬢の持ち物なのか、どちらなのだ」

ジゼルはカシワ公爵家令嬢ダイアルの持ち物だと言い張っておるし、影の者の報告ではイオニック侯爵家令嬢カグヤの部屋から盗難されたとの内容だった。

どちらが正しいのだ。

「こういう事は考えられませんか。イオニック侯爵家令嬢の部屋から盗難されましたが、本来はカシワ公爵家令嬢の持ち物だった。つまり二人はイオニック侯爵家令嬢の部屋で下着を脱ぐような行為をしていたのではありませんか」

「どういう意味だ」

「二人は同性愛者レズという意味です」

同性愛者レズだと」

「カシワ公爵家令嬢は淑女の鏡のようだと噂されておりますが、本性は男性みたいな性格らしいです。よほど上手く猫を被っているのでしょう。イオニック侯爵家令嬢は他人の匂いに興奮する性癖だという報告があるのです。しかも寮の大浴場でお互いの身体を洗ったり、匂いを嗅いだりしているという目撃情報もあるのです」

「ではどちらに下着を返却すれば良いのだ」

「取り敢えず二人を呼び出しましょう。そして二人に決めさせるのです」

「・・・・分かった。そのように計らえ」

「畏まりました」


「陛下からの呼び出しなんて、何の用なのでしょう」

「私に聞かれても、分かりませんよ」

私とカグヤは国王陛下からの呼び出しを受けて、王宮内の陛下の執務室を訪れた。

「二人共、わざわざ出向いてもらい、悪かったな。実はジゼルがイオニック侯爵家令嬢の部屋から盗難させた下着を二人に返却する為に呼び出したのだ」

ジゼル殿下がカグヤの部屋から盗難させた?しかも下着を?何故それをカグヤではなく私達に返却するんですか?私は関係ありませんよね?まったく意味不明ですよ。

「・・・・まさか」

カグヤが真っ青な顔になり、何かを呟いた。

私が部屋に隠していたダイアル様の下着を盗んだのはジゼル殿下だったの。

ダイアル様も呼び出したのだから、あの下着がダイアル様の持ち物だというのもバレているのよね。

「カグヤ様、どうなされたのですか。顔が真っ青ですよ」

「・・・・何でもありません」

「この下着はカシワ公爵家令嬢の持ち物なのか、イオニック侯爵家令嬢の持ち物なのか、確認してくれぬか」

「この下着だ」

「あれ、この下着は」

宰相様から渡された下着を見て、驚きました。

寮の大浴場の脱衣場で紛失した私の下着だったからです。

「これは私が寮の大浴場の脱衣場で紛失した下着ですけど、それが何故カグヤ様の部屋から盗難されたのですか」

「それを知りたいのは余の方だ」

「申し訳ございません。私が大浴場の脱衣場から盗みました」

突然カグヤが土下座と謝罪をしたので、益々混乱してきました。

事の起こりはカグヤが大浴場の脱衣場で私の下着を盗んだのが発端のようです。

そしてジゼル殿下がカグヤの部屋に隠されていた下着を影の者に盗難させたみたいです。

しかも頭に被ったなんて、とんでもないド変態ではありませんか。

その事が国王陛下に報告されて、ジゼル殿下は辺境伯の元で再教育される事になり、私とカグヤのどちらの下着だか分からないので、二人を呼び出したという事ですか。

つまり全ての元凶はカグヤなのですね。

やはりあの時は嘘を付いていたのですね。

これはお仕置きが必要ですね。

「取り敢えずカシワ公爵家令嬢の下着で間違い無いのだな。それでは返却しよう」

「ジゼル殿下が頭に被った下着なんか要りません。絶対に受け取りませんよ」

下着の受け取りは絶対に拒否します。

「それなら私が代わりに受け取ります」

「カ・グ・ヤ・さ・ま」

「・・・・すみません。冗談です」

カグヤが代わりに受け取るという戯れ言を吐いたので、睨み付けました。

「分かった。下着はイオニック侯爵家令嬢に返却しよう」

「へ・い・か」

「・・・・冗談だ。そんなに睨むな。下着は廃棄処分にする。ところで話は変わるが、カシワ公爵家令嬢の本性は男性みたいな性格なのか?イオニック侯爵家令嬢は他人の匂いに興奮する性癖なのか?寮の大浴場でお互いの身体を洗ったり、匂いを嗅いだりしているというのは本当なのか?二人は同性愛者レズなのか?」

国王陛下がとんでもない質問をしてきた。

「ち、違います。私もカグヤ様も同性愛者レズではありません」

「そうですよ。同性愛者レズはビアン男爵家令嬢ユリカ様だけです」

「貴女は黙っていなさい」

どうしてユリカの名前をわざわざ出すのよ。余計に混乱を招くだけじゃないのよ。

「同性愛者レズ以外は認めるのだな」

「・・・・はい」

嘘の発言は不敬罪になるかもしれないから、仕方なく他の事は認めた。

「本当だな」

「私の誇りに誓って、本当です」

「分かった。そなたを信じよう。用は済んだので、退室して良い。二人共、ご苦労だった」

国王陛下は満足感に溢れた表情で退室を命じた。

私達は執務室を退室して、そのまま王宮を退出した。

後はカグヤへのお仕置きを実行するだけです。


「カシワ公爵家令嬢ダイアルか。本当に面白い令嬢だな。国王である余を睨むなんて、本当に男性みたいな性格だったな。淑女の鏡だという噂だが、よほど上手く猫を被っているのだな。ジゼルが懸想するだけの事はある。とても気に入った。特に未成熟な身体が良い。それにあの性格なら、王妃の重責にも耐えられるだろう。必ず王妃に迎えてみせる」

遂にラスボスのド変態が現れた。 

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