怪力舐めフェチのド変態
今回は怪力舐めフェチのド変態の話です。
新年度になり、私達は最上級生になった。
生徒会も引退して、新メンバーへの引き継ぎも終わり、一つ肩の荷が降りた。
「・・・・妹が入学してくる。あの妹が入学してくる。トラブルメーカーの妹が入学してくる。悪魔の妹が入学してくる。嫌だ。嫌だ。嫌だ~」
それなのにカグヤが不機嫌な表情をして、何かを呟いている。
「カグヤ様、どうかなされましたか。不機嫌みたいですが」
「ダイアル様、妹が、地獄の使者のナすメカが入学してくるんです」
「妹?地獄の使者のナメカ?入学?妹さんが入学してくるのですか。おめでとうございます」
「少しもめでたくありません。死神が入学してくるんですよ」
「カグヤ様、落ち着いて下さい」
今日のカグヤはおかしい。妹さんを地獄の使者とか、死神とか呼んでいる。
やはり春になったからでしょうか。
とても心配です。
「カグヤお姉様、お久し振りです」
「ひぃいいい、出たぁ~」
「失礼な。人を幽霊扱いしないで下さい」
「貴女は幽霊なんて、可愛い存在じゃないでしょう」
「どうやらお仕置きが必要みたいですね」
「・・・・すみません。勘弁して下さい」
あのカグヤが土下座して、許しを請うている。
「あの~、そろそろ妹さんを紹介してくれませんか」
「・・・・???」
ナメカがダイアルを見て、眼を見開いた。
「カグヤお姉様、この女神のようなお方はどなたですか」
「私の友人のダイアル様です」
「初めまして。ダイアルです」
「初めまして。ナメカです。ダイアルお姉様とお呼びしても良いでしょうか」
「はい、構いませんよ」
「ありがとうございます。私の事はナメカとお呼び下さい」
「分かりました。ナメカ様」
「違います。ナメカです」
「え~と、ナメカ」
「そうです。ダイアルお姉様」
「・・・・」
大変な事態になってしまった。
ナメカがダイアル様を気に入ってしまったみたいだ。
そうならない為にダイアル様に逢わせなかったのに、今までの苦労が水の泡だ。
私一人ではナメカを止められないから、大至急ユリカ達に知らせないと不味い。
「ダイアル様、急用を思い出しましたので、失礼します」
大至急ユリカ達の居そうな場所に向かった。
「ユリカ様、大変です。ナメカがダイアル様を気に入ってしまったみたいです」
「ナメカ様がお姉様を気に入ったですって。大問題じゃないですか。直ぐにナメカ様を止めないと、大変な事になります。皆を集めましょう」
「ダイアルお姉様、少しスキンシップをしても、良いですか」
「スキンシップですか。構いませんよ」
「ありがとうございます」
「ち、ちょっと待って下さい。これはスキンシップではありません」
ナメカがいきなり身体を密着させてきて、耳を甘噛みしたり、首筋を舐めてきた。
「気持ち良いでしょう。ダイアルお姉様」
更に密着してきて、耳に息を吹きかけられた。
「や、止めて下さい」
「嫌です。止めません」
「ナメカ、ダイアル様から離れなさい」
「そうですよ。お姉様を放しなさい」
「そうだ。離れろ」
「この舐めフェチのド変態が」
「いい加減にしろ。怪力女」
「邪魔しないでよ」
五人全員でナメカをダイアル様から引き離した。
ナメカは怪力で、舐めフェチのド変態だった。
『生徒会から緊急連絡があります。イオニック侯爵家令嬢ナメカ様が国王陛下の婚約者であるカシワ公爵家令嬢ダイアル様に接触するのを絶対に阻止して下さい。理由はナメカ様がダイアル様に不埒な行為をするからです。ナメカ様は大変狂暴ですので、必ず複数で阻止して下さい。繰り返します。ナメカ様は大変狂暴ですので、必ず複数で阻止して下さい。もしダイアル様が不埒な行為をされた場合は全生徒が処罰されるかもしれません。繰り返します。全生徒が処罰されるかもしれません・・・・』
生徒会から全生徒に向けて、緊急連絡が通知された。
それはナメカがダイアルに接触するのを阻止しろという内容だった。
生徒会長のユリカが権限を使い、強引に通知させたのだ。
緊急連絡の効果は抜群で、ナメカはダイアルに接触出来なかった。
「ユリカお姉様、二度とダイアルお姉様に不埒な行為をしませんから、接触を認めて下さい」
「・・・・本当に不埒な行為をしませんね」
「はい」
「・・・・分かりました。お姉様に接触させるなという指示は撤回しましょう」
「ありがとうございます」
ナメカはダイアルへの接触を認められた。