ハオウ殿下との会見
ハオウ殿下との会見の話です。
まもなく新年度になります。
つまり私が王妃になるまで、後一年を切るという事です。
しかし婚約解消させる有効な手段は未だに考えられません。
このまま王妃になる運命なのでしょうか。
神様、女神様、魔王様、誰でも良いから、教えて下さい。
「第二王子のハオウ殿下が隣国バルトス帝国から帰国なされた」
「どうやらジゼル殿下の代わりに王太子になられるようだ」
隣国バルトス帝国に留学されていた第二王子のハオウ殿下が帰国なされた。
ジゼル殿下の代わりに王太子となられるとの噂が流れている。
実はハオウ殿下は破天荒なお方でなので、私は大変苦手だ。
「ダイアル嬢、久し振りだな。父上の新たな王妃候補にされて、大変だろう。だが思ったより元気そうで安心した。てっきり父上に振り回されて、体調を崩していないかと心配していたのだ」
「御心配して頂いて、ありがとうございます。ハオウ殿下もご壮健で何よりです」
「ところで父上とは性行為をしたのか」
「じ、冗談はお止め下さい」
いきなり国王陛下と性行為をしたのかと問われてしまい、私の頬が紅く染まった。
「その様子では処女のようだな。父上は年齢の割にはとても激しいらしいから、初夜の時は覚悟しておくのだな」
「いい加減にして下さい」
「そんなに怒るな。軽い冗談だ。可愛い顔が台無しだぞ」
「どこか軽い冗談ですか」
「分かった、分かった。私が悪かった。反省するから、機嫌を直せ」
「・・・・いいえ、私の方こそ不敬でした。申し訳ありません」
「実はダイアル嬢が王妃候補に選ばれて、私は嬉しいのだ。貴女なら王妃の重責にも耐えられるからな。改めて礼を言おう。父上の我が儘を受け入れてくれて、感謝する。ありがとう」
ハオウ殿下からお礼を言われてしまった。
私の事をそんなに高評価していたなんて、予想外だった。
「話は変わるが、近々隣国バルトス帝国の双子の皇女と皇子が留学してくるのだが、この二人には注意してくれ。何度か面識があるのだが、どうやら私の前では本性を偽っているみたいで、底が知れないのだ。それに留学の目的も不明だ」
「・・・・それって、機密事項ではありませんか。私なんかに教えては問題でしょう」
「ダイアル嬢は王妃候補なのだから、少しも問題は無い。繰り返すが、二人には注意してくれ。出来るなら監視もして欲しい」
「・・・・畏まりました」
ハオウ殿下から機密事項を教えられてしまった。
しかも留学してくる皇女と皇子に注意して、出来るなら監視もして欲しいと依頼されてしまった。
神様、女神様、魔王様、誰でも良いから、助けて下さい。
数日後ハオウ殿下が正式に王太子になられた。