表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/59

-part7-グレ損

 「はぁー」

 


 自分の部屋で大きなため息をした。

 俺は晴人が離れると思って、グレたのに、全くと言っていいほど意味がなかった。

 このままでは、グレ損だ。 


 「裕翔、お父さんだ。少し話がある。部屋に入ってもいいか?」


 俺が考え事をしていると、部屋の外から父さん・・・親父の声が聞こえた。


 「いいよ」


 許可を出すと親父が深刻そうな顔で入ってきた。

 まさか、遂に離婚?


 「お前も知ってると思うが、今度生まれる弟か妹の話なんだが」


 「はぃ?誰の弟、妹?」


 「それは、裕翔に決まってるだろう」


 「はぃぃぃ?!!!」


 俺が驚いていると、その驚いている様子を見て、親父が逆に驚く。


 「何?!知らなかったのか」


 「初耳だよ!」


 「いやー、父さんとお母さん新しい兄弟が出来る事で息子が不良になったもんだと思ってたから」

 

 「二人に教えて貰ってないのに知ってるわけないじゃん」


 「それは、兄弟のテレパシー的なやつで。まぁな。この前の結婚記念日の旅行中、良い雰囲気になってな。そこで―――」


 親父は、兄弟が新たに生まれるから、俺が不良になったのではないというのを聞いて、安心したのか、笑顔で経緯を話す。

 聞きたくない。まず、親が我が子に話ない様じゃない。


 「もう分かったから」

 

 「ちょっと、ここから話の面白い所なんだけどな」


 話を続けようとする親父を無理やり部屋から出した。


 「お兄ちゃんとお父さん。私に話し掛けないで」


 部屋を出て、バッタリ会った結香から、マジの声で言われた。


 「どうして?」


 愛する娘からの一言に今にも泣きそうな顔で、親父は由香に尋ねた。


 「お兄ちゃんの部屋の横が私の部屋なんだけど。だから、あんなにも大声で話をしていたらこっちまで、聞こえるの。分かった?変態」


 さっきの話を結香は、聞いていた様だ。それで、その内容があまりにもひどいから、怒っているのだろう。

 俺としては、これは喜ばしい。妹の無茶なお願いをされなくなるからだ。だが、親父は違う。


 「結香。ごめんょ~。お父さんが悪かったから。そんなこと言わないでくれー」


 親父は由香に泣きついたが、無視されていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ