-part53-晴人の家
晴人の家に来た。
朝から来たので、学校は遅刻になるだろう。
初めて、ヤンキーぽいことをやったような気がする。
「・・・やっぱり、大きいな」
晴人の家はとても大きい。
これはもう、家ではなく屋敷だ。
インターホンを鳴らすと、使用人の立山さんが出てきた。
「どちら様で・・・祐翔様、お久しぶりです。お姿かなり変わられていて、誰かと思いました。本日はどういったご用件で?」
使用人の立山さんには、昔よくお世話になっていたので顔見知りである。
「立山さん。久しぶりです。あの、晴人に会いに来たんですけど」
「分かりました。お呼びしてみます。どうぞ、中でお待ち下さい」
俺と、芽里さんは応接室に通されて、待つこと数分。
「祐翔様。大変申し訳ございません。晴人様はただいま外出中でありまして」
なんと晴人は家にいなかった。
完全に無駄足になってしまった。
「本当に、晴人いないんですか?」
「はい。今確認したら・・・」
「でも、さっきお呼びするって言ってましたよね」
芽里さんが、噛みつくように立山さんに言う。
「家にいるのを知っていたから、お呼びするって言ったんじゃないんですか?」