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-part52-心配
「おはよう。祐翔」
「おはよう」
朝、家を出ると、芽里さんがいつもの様に外で待っていた。
「・・・・」
「ほら。祐翔、何してるの?学校に遅れるよ」
芽里さんに手を引かれ、歩き出す。
「もしかして、晴人が来ないが不安?」
晴人が学校に来なくなって、今日で一週間が経っていた。
先生に訳を知っているかと聞いても、家庭の用事だとしか教えてもらえなかった。
「別にそんなはない」
芽里さんは立ち止まって、俺の顔を見つめて改めて「本当にそう思ってる?」と問いかけて来た。
「心配はしてる」
「・・・ふーん」
だって、《《友達》》が何も言わずにいきなり、学校に来なくなったんだ。心配しない奴なんて、いないだろう。
「じゃあさ。今から晴人の家に寄ってみる?」