-part47-送り迎え
「裕翔。おはよう」
「お、おはよう」
「・・・・・」
朝。学校へ向かう為、外へ出ると玄関先に、芽里さんと、芽里さんを睨む晴人がいた。
「さぁ。学校行こ」
* * * *
放課後。
「祐翔。帰ろう。家まで送るよ」
「え。委員会は?」
「辞めたよ」
「辞めた?!」
芽里さんは昨日言った宣言通りに委員会を辞め、これからは行き帰りを一緒にすると。
「おい。流石に無責任じゃないか。入った委員会を途中で辞めるなんて」
ここで、今日初めて、晴人が芽里さんに話かけた。
「・・・ボクがどうして、委員会を辞める程に心配になったのか知ってるよね。どこかの誰かさんである婚約者が暴走して、祐翔を犯そうとしてたんだからね」
「・・・・・」
珍しい!
晴人が黙り込んだ。
こんな晴人見るのいつぶりだろう。って、そうじゃない。
「別に、送って貰わなくても・・・」
「確かに、あれは俺の責任だ。謝る。すまなかった、祐翔」
「はぁ」
晴人が頭を下げた。
なんだか、俺の話をしているはずなのに、話に混じれていない気がする。
結局、今日も二人に送られる形で家に帰宅した。