-part41-壁ドン
「私をなめてるのか?お前」
放課後の教室。
「おい。聞いてるか?」
ドン!
俺は、今、咲良さんから壁ドン受けている。
この壁ドンには、一切の好意はない。あるのは敵意だけだろ。その証拠に明らかに殺意の目がこちらに向けられていた。
* * * *
数時間前。
「祐翔。悪い、今日は一緒に帰れない。父に呼び出されたんだ」
「あぁ。そうなのか」
別に晴人と帰りたいから、いつも一緒に帰っている訳ではない。勝手に晴人が俺の元へと来ている。ただ、それだけ。
「だから、芽里。お前がしっかり、家まで祐翔を見送れよ」
何故、そうなるのだ?
俺は小学生か?
「委員会があるから。祐翔、委員会が終わるまで、教室で待ってられる?」
だから、俺は小学生なのか?!
当然、芽里さんの委員会を待つなどせずに、俺は帰宅した。
帰宅後。
部屋で課題をしようと思い鞄を漁っていた。
俺はグレた。だが、進学はするつもりだ。
留年した方が、よりツッパリになれるかもしれないが、世間体もあるし、流石に一つ下の後輩と一緒の教室で学ぶなんてのは、嫌だ。
・・・そんな事を気にしている時点で、ツッパリとして、まだまだなんだろうな。
「あれ?課題がない」
鞄に入れ忘れたのか、いくら鞄を漁ろうとも課題は見つからなかった。
「はぁ。教室かな」
仕方なく、俺は本日二度目の学校へ。