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-part39-爆弾発言
「どう?昨日の夜は、晴人様と進展はあった?」
「えっと。その・・・」
休み時間。
相も変わらずに、咲良さんの周りには人だかりが出来ていた。
転校生だとしても、数日くらいでみんなからの興味も落ち着くものだが、咲良さんはそうはならない。
それは、晴人の婚約者だから、だけではない。
どこかの誰かが、咲良さんがどこに住んでいるのかを聞いた。
「い、今は晴人の家に泊めてもらってる」
爆弾発言だ。
その爆弾発言のせいで教室には、休み時間の度に別の教室か人が来て、咲良さんを囲っては質問し続けられている。
「は、晴人?本当に助けなくていいのか?」
自分の婚約者が今にも泣きだしそうな雰囲気でいるの、晴人は俺の横に居続けた。
晴人曰く、婚約の話は親が勝手に進めたもので、晴人自身、納得していないのだという。それでも、だ。
「いいのか?咲良さん。今にも泣きだしそうだぞ」
咲良さんの心配をしていると、晴人はため息を吐きながら教えてくれた。
「・・・ふぅ。いいか。祐翔。あいつはな。腹黒い奴なんだ」