-part34-助ける
「本当に晴人様の許嫁なの?」
「へぇー。もしかして、親同士の許嫁?」
「ねぇ。いつから許嫁になったの?」
「・・・ぁわわわわわ・・・」
晴人の許嫁。名前を浅野 咲良さん。
教室・・・いや、学校中の話題の中心だ。今だって、別のクラス学年問わずに人が集まって咲良さんに向かって質問攻めをしている。
「晴人。助けてやらないのか?」
自分の許嫁が困っているのに晴人は、横で芽里さんと睨み合いをしていた。
「うん?・・・あぁ。俺はお前さえいればいいだ」
よくもまぁ、そんあ歯がゆいセリフを言えるなと思う。
「もちろん。ボクもそうだよ」
芽里さんも続けて俺に向かっていう。
晴人の気を向かせようと頑張っているのは分かるが、性格変わり過ぎじゃないか。
「見て。三角関係」
「本当だ。しかも、童顔で普通にイケメン」
「・・・・!フッ」
俺たちの様子をこっそり伺っていた女子に向かって、芽里さんは手を振る。
「私たちに気づいて手を振ってくれた!!!」
「かっこいい・・・ポッ」
女子たちは恐らく芽里さんが、同じ女子だと気づいていないのだろう。
気づいた時、どんな反応をするのか。
「祐翔はあの子が困ってるのが気になるの?」
「え、あ。まぁ。困ってるんだったら助けてあげたらって」
「分かった。ちょっと行ってくるよ」
そう言って、芽里さんが咲良さんの所に近寄った。