-part2-モテ男
晴人は、モテる。モテモテだ。
高身長にイケメン。更に超が付くほどの大金持ちで、頭が良く運動神経抜群で、気が利いた性格で友達からの信頼も厚く顔が広くて・・・良い所をあげるとキリないくらいにハイスペックな男だ。
そんな、彼の学校生活は何かと不便であると思う。
まず、学校に着き、晴人が下駄箱の扉を開ける時は注意が必要である。
開けるとアニメでしか見たことのない、ラブレターの雪崩が起きる。
いつものことなので、そこまで気にしないが。これに関しては晴人の対応も悪いと思っている。
晴人はラブレター全てに返事を書いて、返している。
そこに目を付けた女子たちは、晴人からの返事欲しさに、またラブレターを書いて、再び晴人の下駄箱に投入する。それにまた返事を書く。無限ループが完成している。
「・・・その中の誰かと付き合えばいいのに・・・」
ボソッと言った。
そうすれば、彼女が出来た晴人は沢山のラブレターを貰う事もなく、僕に付きまとわなくなるだろう。
「?!」
晴人が、一瞬凄いショックを受けた顔になった。
そして、少し考えると。拾ったラブレターを全て近くにあったゴミ箱へ捨てた。その後、僕に近寄ると。
ドン!
手を伸ばして壁ドン。
「俺が欲しいラブレターは、お前からの・・・って、裕翔は?」
「はぁ、はぁ、はぁ。・・あ、・あっちに行きました」
ふぅー。危なかった。
咄嗟に近くにいた女子と入れ替わって、晴人の壁ドンを回避した。
そのせいで晴人は。
「きゃー!!!」
「ズルい私も!」
「壁ドンしてー」
一部始終を見ていた、女子たちに囲われ身動きが取れない状態になっていた。