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-part28-裏
「みんな。よくやってくれた」
「いえいえ。そんなことないですよ。僕ら演技するなんて初めてだったので、上手く出来てなかったので」
俺的には満足のいく結果に終わったのだが、他の者達の感想はそうでもなかった。
実は男性達は仕込みだ。
もちろん。この事実は女子達は知らない。
「晴人さんが社会から落ちぶれた私たちを拾ってくれたおかげで、人生に幸せを見つけて、中には家庭を築き上げる事が出来た者もいます。だから、貴方へ恩を返す時はもっと完璧でないと」
「そこまで、かしこまらくていいよ」
「ですが・・・」
なかなか引き下がらない男性達。
俺に恩を感じている彼らを使うのはいいのだが、完璧主義過ぎる。
今回の騒動、祐翔の好感度を上げる為に一枚嚙んでいた。
「よし、成功したんだ。打ち上げをしよう!」
そう言って、男性達を連れて店に向かって歩いていた。
「すいません。お話があるんですけど。いいでしょうか?」
声をかけて来たのは、俺の愛しの彼女を騙そうとしていた女。芽里だった。