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俺の彼女がグレた。「だから、俺はお前の彼女でも女でもねぇから!」  作者: ステルススター
第二章 恋のライバル
26/59

-part25-価値観

 舌がヒリヒリする。

 不幸中の幸いに血は出なかったが痛い。


 「もしかして、芽里の事を助けに来たの?」


 「も、もちろん」


 「あはは。馬鹿じゃないの」

 

 当然と言わんばかりに言ったら、笑われた。


 「あのデートで気づいていなかったの?騙されてたんだよ。芽里はこれっぽちも好いてない。ただ、晴人様とあなたを引き離す為に嫌々付き合っていただけなのよ」


 「・・・気づいてたよ」

 

 「え?」


 俺の言葉を聞いて、下を向いていた芽里さんが驚いてこっちを向いた。

 気づいていた。と言うよりは知っていたのだ。妹の結香から、芽里さんは晴人様ファンクラブの過激派であると教えてもらっていた。

 

 「へぇ。騙されていたって分かっていたのに、ここに彼女を助けに来たって言ったのはお人好しだから?じゃあさ、お人好しさんとして私のお願いも聞いてくれない。晴人様から離れて。あなたが晴人様の近くにいると晴人様の価値が下がるのよ」


 お願いされなくても、離れるように努力しているのだが。後、最後の言葉は聞き捨てならない。


 「俺が晴人の近くにいると、晴人の価値が下がるのか?」


 「えぇ、そうよ。晴人様がみんなからホモだと思われるじゃない」


 それって、俺のせいじゃなくないか?と思ったが放置する。


 「確かに。みんなからホモだと思われるだろうけど、晴人の価値が下がる訳ではない。そこを含めて、晴人なんだから。だいたい、自分自身の価値を決めるのは自分だ。他人からの価値なんて関係ないんだ」


 どうだ!と力説をした。

 これは、あれだ。事態が収束した後になんて恥ずかしい事を言ったんだと悶絶する気がする。でも、言葉で勝たないと駄目だった。女子に暴力は振るえないし、向こうには男性が数人いて、分が悪すぎる。


 「うぅ、うぇーん」


 「えっ?!」


 さっきまで話をしていた、一番偉そうな女子が泣き始めた。


 「うぇーん。その通りです。私が間違ってました。勝手に晴人様の価値が下がるって言って。流石は晴人様の彼氏ですぅぅぅ」


 言葉で勝って、何か失敗した。

 よし、これで丸く収ま・・・らなかった。


 「あのー。感動的なところすいません。せっかく、お楽しみが出来ると思ったのに邪魔されて、腹が立ってます」


 男性の一人が言うと、他の男性達も「そうだ」と言い始めた。

 なんて空気が読めなない人達だ。

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