-part11-最後に立っていた者
「う、うるせぇ!!」
ツッコミに逆上して俺に殴りかかってきたが、その拳を何度も晴人が受け止め、届くことはなかった。
「くそ」
届かない拳にイラつく怖い人。
「なら、これならどうだ」
そう言って、懐から四角い物を怖い人は出し、装備した。
四角い物はバチバチと音を立て、発行している。
あれは、スタンガン。
「なんで、スタンガンなんて持ってるんだよ」
俺は問いかけた。
これはツッコミ。別に答えてくれると思って問うた訳ではない。
「護身用だ」
果たして、今、護身用として使っているのか。そもそも、護身用として持っておく必要があるのか疑問である。
「くらえ」
流石の晴人も、スタンガンを持っての攻撃を受け止める事は出来ず、相手の腕を弾き回避をした。
「あぼぼぼぼ・・・」
弾いた先にいた、奈留にヒット。
奈留は、倒れた。
「おい、晴人?」
「・・・よくも」
「いや、お前が弾いたからだろ!」
再び、スタンガンで殴りかかってくる。
晴人は、今回も弾いて回避する。
「ちょっ」
弾いた先には、俺。
目の前でバリバリとスタンガンから音が鳴っている。
「俺の彼女に何、危ないもの向けてんだよ」
怖い人の腕を晴人が掴んで、俺にスタンガンは届かなかった。
「こいつ、女だったのか?!」
驚く、怖い人に晴人はそのまま腕を曲げさせ、怖い人自分自身にスタンガンを当てた。
「あぼぼぼぼ」
感電する怖い人。
「祐翔。大丈夫だっ――」
「彼女じゃないし、女じゃねぇ!!」
「祐翔、待っ――」
思わず、晴人に蹴りを入れてしまった。
後ろから蹴り押された晴人は、感電中の怖い人と接触。
「「あぼぼぼぼ」」
晴人と怖い人、二人そろって感電し、気絶した。