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-part10-助けに

 「誰だ、お前?」


 怖い人が振り上げた、拳は俺に当たる前に、受け止めてられた。

 

 「大丈夫か。裕翔」


 「晴人?!」


 晴人が、俺と怖い人の間に立った。

 どういう理由で、こんなにもベストタイミングで助けに来れたのか分からない。

 いつもなら、あまり近いて欲しくないと思う。けど、今は、俺の目の前に立つ晴人が、少しだけ、ほんの少しだけ、嬉しかった。


 「よくも、俺の可愛い裕翔に手を出そうとしたな。覚悟は出来てんだろな」


 「はぁ。だから、誰だよ。急に割って入って来たと思えば、俺を悪者扱いして。元はと言えば先にそっちが、俺の事を怪我させてきたのが原因だろ」


 怖い人が言っている言い分も確かだが。

 

 「腕、別に折れてないだろ」

 

 思わずツッコミを入れてしまった。

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